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未来予測1

 先の見えない時代と言いますが、はっきりくっきり見えている未来もあります。

◇ 分譲マンション、スラム化の法則
・第1法則:
 分譲マンションは古くなるにしたがって価値が下がり、価格も下がる。
・第2法則:
 どの時点においてもその価値と価格にちょうど合う人達がそこに住む。
・第3法則:
 分譲マンションはいつまでも建て替えられずに、次第にスラム化する。

◇ 20年後の人口ピラミッド
 20年後の勤労世代は今現在生まれている人たちだからこれ以上増えようがないし、高齢者が減る見込みもありません(計画的に減らすことはできない)。仮にこれから出生率が急上昇しても、これから生まれてくる人たちは20年後にはまだ子供ですから、そうなったら勤労世代の負担はますます増えるばかり。20年後なんてすぐですよ。

◇ 第4次産業の時代
 化学肥料と農薬のおかげで第1次産業従事者が減った。機械化のおかげで第2次産業従事者が減った。人工知能のおかげで第3次産業従事者も減るだろう。
 ざっくり言えば、人口の10%で全人口の食料が賄え、人口の10%で物作りが賄え、人口の10%でサービスが賄える。そんな時代がまもなくやって来る。

分譲マンション、スラム化の法則

 分譲マンションを建て替えた実績は、世界中にほとんど無い。日本での実績は、東京都心に数例あるのみだ。表参道にある同潤会アパートや現在は六本木ヒルズになっている場所にあった日ヶ窪団地くらいのものである。日本のマンションの歴史は都心から始まった。その初期のものがいくつか建て替えられたにすぎないのである。
 しかし、その2例は他のマンション建て替えの前例にはならない。その2例はいずれも地価の高い都心にあって、土地の利用価値が高かったから成功したのだ。しかも低層階で空地も広く、敷地面積の割に権利者は少なかった。こんな好条件のマンションは他には無い。
 では、他のマンションは老朽化した後、どうなるか? スラム化する運命にあるのである。建て替えには住民の8割以上の合意が必要だが、経済状況も年齢層も異なる住民同士が合意するのは難しい。ところで、新しいところに住みたいと考える人は、合意を取り付けるために時間と労力をかけるより、古いマンションを売って、新築マンションなり戸建てを買うだろう。その方が安いし、希望に合うし、手っ取り早い。そして、その人から中古マンションを買うのは「まだまだ住める」と考える人である。
 マンションが古くなるにしたがって使用価値が下がり、価格も下がる。ある価格で売れなければさらに価格が下がって、買い手が現れたところで価格が決まる。そのときの買い手は 「そこに住もう」と考える人である。つまり、どの時点においてもその価値と価格にちょうど合う人たちがそこに住む。こうして、マンション住民の間で「建て替えよう」という合意はいつまで経っても得られないことになる。
 大雑把にいえば、まずそこそこ裕福な人が新築マンションを買って、そこに住む。そこが古くなると、裕福な人は新築物件に移り住み、裕福でない人が中古マンションを買って住む。さらに古くなると、裕福でない人はそれを売り、さらに安い価格でもうちょっと貧しい人がそれを買う。
 分譲マンションは個人の資産だから、いくら古くなっても売買できるし、所有者はそこに住むことができる。こうして年が経つにつれ、分譲マンションの価値と価格と住民の生活水準の3つがパラレルに下がっていく。次にそのマンションを買う人は、一人住まいの戸建てを売ってマンションを買い、差額を生活費に充て、それを食いつぶしながら、死ぬまで住み続けるつもりのお年寄りか。

分譲マンションの法則
第1法則
分譲マンションは古くなるにしたがって価値が下がり、価格も下がる。
第2法則
どの時点においてもその価値と価格にちょうど合う人達がそこに住む。
第3法則
分譲マンションはいつまでも建て替えられずに、次第にスラム化する。

 日本中にスラム化したマンション、幽霊屋敷のようなマンションが立ち並ぶ日も遠くない 。。。

マンション

20年後の人口ピラミッド

 Population Pyramids of the World というサイト(→ http://populationpyramid.net/ )がある。国と年をクリックして選べば、その時点での人口ピラミッドを描いてくれる。20年後の世界と日本の人口ピラミッドを描いてみた。

ピラミッド

 世界の人口ピラミッドは下に行くほど太くなっていて、一応ピラミッドに近い形をしている。一方、日本のそれは65-69歳をピークにして下に行くほど細くなっていて、とてもピラミッドとは言えないような形をしている。
 20年後とは、僕であれば70歳代でたぶん生きているだろうし、できればまだ働いていたいと思っている頃である。いま高校生の娘は、働き盛りの頃だろうか。そんなに遠い先の話ではない。
 20年後の勤労世代は今現在生まれている人たちだからこれ以上増えようがないし、高齢者が減る見込みもない(計画的に減らすことはできない)。これから出生率が高くなってもこれから生まれてくる人たちは20年後にはまだ子供だから、勤労世代の負担はますます増える。
 「先の見えない時代」というけれど、「日本の先はもうすでに見えている」のかもしれない。見ようとしないから見えないだけなのかもしれない。
 だったら見ちゃおうよ。どうせ間もなくそうなるのなら、「見えない」なんて言ってないで、ちゃっかり見ちゃった方がうまく生きられるんじゃないか。

第4次産業の時代

 その昔、労働人口のほとんどすべては第1次産業従事者だった。みんなが食糧生産に励まなければ食べていけず、だから他のことに労働力を割り振る余力が無かった。やがて農業生産力が上がって、工業製品を作ることで生計を立てる人が現れた。第2次産業である。さらに余力ができて、サービスを売ることで生計を立てる人が現れた。第3次産業である。
 さて、今では農業の生産力がどんどん上がって、ほんの少数で全人口の食糧を生産できるようになった。そして、労働力の大半を第2次産業・第3次産業に振り分けることができるようになった。おかげで食糧が十分あるのに加えて、製品もふんだんに使えるようになり、サービスも十分に受けられるようになった。こうして生活が豊かになった。
 ところで、生産力が上がるのは、第1次産業に限ったことではない。機械化・デジタル化・システム化が進めば、第2次産業の生産力も第3次産業の生産力もどんどん上がっていく。こうして全人口の需要を賄うのに、これまでより少ない人数で足りるようになる。これは第1次産業が経てきた流れだが、同じ流れが第2次産業にも第3次産業にも現れるのである。

第4次産業

 将来、仮に全労働力の各10%ずつで第1次・第2次・第3次産業が賄えるとすると、70%の労働力が余ることになる。では、この70%の人たちは居なくてもいいのかというと、そうではない。労働力としては要らないけれども、消費者としては要るのである。そうでなければ、需要が減って、ひいては必要とされる労働力がさらに減ってしまうからである。
 では、この余った人たちは何をすればいいのだろう。答えは、遊んで暮らせばいいのである。30%の人たちがみんなが必要とするものをすべて供給してくれるのだから、それでうまく回るはずなのだ。くれぐれも、この70%の人たちは失業者ではないし、負け組でもない。そうではなくて、働く必要の無い人たちなのである。でも、せっせと消費していただかなくてはならない、そういう人たちである。仮に第4次産業と呼んでおこう。
 そう考えると、少子高齢化の進む日本はとてもバランスの良い社会になるのかもしれないな。消費人口は放っておいても増えるのだから一定の仕事量は確保されるし、生産人口は自然と減るのだから仕事を手に入れるために競い合うこともない。めでたし、めでたし。

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