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組踊の台本

いつもはあらすじを知るためにざっくりと読むだけの台本をじっくりと読んでみようと思い付き、1作品につき2~3時間位かけて対訳と一緒に読んだ。

『執心鐘入』と『手水の縁』は、万葉集の相聞歌を読んでいる気分になった。
台詞の一行一行が和歌のよう。
文学のことをよくわかっていない私だが、素人がそう感じるということは、非常に文学的にレベルが高いという証なのだろう。
特に『執心鐘入』は、どろどろの愛憎劇のように紹介されることが多いが、一行一行読むと、淡い恋心を詩にしたためているようにも感じるから不思議だ。

比喩的表現は今と違って自然を題材に情緒あふれるものとなっている。
情景が目に浮かび、想像をかきたてられる。
表現が素朴で温かい気分になる。

『二童敵討』では、対句や繰り返し使われる台詞が多くあり、「あー、ここに繋がるのか」と感心した。

訳をする方にも個性がありますね。
そのままの固い表現をする方、わかりやすく万人に理解しやすい努力をする方、作者に負けじと詩的な表現をする方と個性が出てて面白い。

漢字が使われている台詞はまだ意味が理解しやすいが、ひらがなだけの台詞は意味を理解できないので、もっと読み込む必要がありますね。

まだ3作品のみの読み込みだが、思っていた以上に楽しい。
時間を見つけて他の作品も読んでみよう。