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不確実だから医療なのだと思う 

中長期的な予後が厳しいと思いながらも、予後不良と確定できない症例を全力で戦うと言うのは、救急医の独善なのだろうか。予後は無いと確信できない以上、全力を尽くすと言うのは、その人が生き延びたとしてQOL低いと切り捨てるより傲慢ではないと信じて来た。

不確実性の高い診断の中で、最良だと信じる手を打つ。予後予測も診断も基本的には不確実なものだ。治療開始してみて初めて見える景色がある。最初から予測できることも勿論多く、どれだけ予測できるかによって展開が大きく変わることは分かっているし、それによって医療としての推奨が変わる。

医療は万能ではない。臨床診断は真実ではなく、推論に過ぎない。そして、医者は当事者にはなれない。だからこそ、僕達には凡ゆる不確実性許容する謙虚さが要る。

僕達は無力だ。だからこそ、誰かの隣に立てる。

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