浮気のハメ撮りに『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』が映っていた
「だってさぁ!あいつ付き合っている間に他の男とハメ撮りしてたんだよ!ありえなくない!?」
「なんで付き合ってる間のハメ撮りだって分かったの?」
「テレビだよ。ハメ撮りにテレビの音声も入ってて、それが上沼恵美子のおしゃべりクッキングだったの。しかもダイヤモンドユカイの回!ダイヤモンドユカイの回は先々月あったばっかなんだよ!確定だよ!」
「ふーん、彼がSEX中にテレビつけるタイプで良かったね」
友人のタサキは憤慨している。それは先月まで付き合っていた彼氏が付き合っていた期間にハメ撮りをしていたことが後になって発覚したためだ。タサキが上沼恵美子のおしゃべりクッキングのコアなファンであった為に今回のハメ撮りの時期の特定がなされたらしい。とんだ名探偵だ。
「そもそもタサキ、彼氏と凄い仲良かったじゃん。なんで別れることになったの?」
「なんか向こうが好きな人が出来たんだって。別れ方としてはこれ以上ない真っ当な理由!」
「へー。それはしょうがないね」
「しょうがないけどさぁ。あいつ別れる時も最悪なんだよ。なんかお前は悪くない、これは俺が悪いんだけど~とかなんかそんな言い訳をずっとしてんの。終いにはちょっと泣き出しちゃってさ。情けないったらない」
「それは嫌だね。別れる時ってのはほんといっそ相手のことを嫌いになるくらいにスパッと別れてくれた方がマシだよね」
「そうそう。自分もそれは言った。そしたらなんか頑張ってみる~とか言ってたけど。意味わかんないよ。意味わかんなすぎてむしろ最後の方は笑えてきちゃったよ」
「別れ方って人によって個性出るよね。中途半端に優しいと彼みたいになるし。逆にほんとに相手を思ってて、それでも好きな人が出来ちゃったならきっちり禍根の無いように別れてくれるよね」
「ね。ほんと嫌になっちゃう」
「まぁ、タサキならまた新しい人できるよ。今日は飲もう」
「そうかな~。まぁとりあえず過去のことは忘れますか!」
タサキと乾杯をする。グイっとビールを呷る最中、少し前のことを思い出していた。
そういえば先月タサキの彼氏とSEXしたなぁ~。タサキと別れたすぐ後だったけど、まぁいいかと思ってヤッてしまった。ドエロかったなぁ~。ちんぽがね。ちんぽが正にペニスといった感じでデカくて。あれはちんぽというより完全にペニスだった。ペニス/ペニスだった。
そして彼、自分がSEXする前に音楽かけようとしたら確か止められたな。なんか集中できないからって。そんな人がSEX中に上沼恵美子のおしゃべりクッキングなんか流しているだろうか。というかSEX中に上沼恵美子の顔面を見たい人はいるのだろうか。つまりこれって...
なんだか全てわかった気になって気分が良くなる。友人の別れ話でこんな気分になるのはあまり良くないのだろうけど。
彼って変なとこで真面目だな。別れた直後に付き合ってた人の友達とすぐヤッちゃうくらいの倫理観なのに変なとこで真面目できっちり相手には優しい。まぁみんなそういうもんか。
「そういえばさ、去年のM1の上沼恵美子の話なんだけど」
タサキが全く別のことを話し始めたので先ほどまでの思考を脳の奥の方に追いやり、それからはたくさん飲んで楽しく過ごした。
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