2022/05/30

先日上司から組織改編に伴うお疲れ会をしようと提案され、渋々ながら首を縦に振ったのだがこの首肯が運の尽きで「じゃあお店選びも任せちゃおうかな」と上司直々から足払いをかけられ思わずつんのめってしまった。嫌すぎる。お店選び、嫌すぎる。お店はなんでもいいよ、とは言うのだがなんでもいいわけないだろ。サイゼリヤでもいいんか。会社のお疲れ会をサイゼリヤでデキャンタワイン飲む会にしてもいいんか。良い訳がない。もっと言えばトリキでもダメだし、和民でもダメ。モンテローザを親の仇としている人もいるのでその系列は全部ダメ。部長連中も来るならそれなりに格のある店で半個室くらいが望ましいし霧島と菊正宗以外の酒も置いてありビールは飲み放題に含まれていてタバコが吸えるとなお良し。なんでもいいと言うのは全然何でもよくない。全てのものには明確な正解がありそれ以外の数多の微妙な答えが存在している。デキる社会人は飲み会の正解店をいくつか持っているらしい。

なんでもいいよ気にしないよとか個性が大事だからなんて耳障りのいい言葉で絆されているが全ての問いには明確な答えが存在するのが必定だ。例えば俺たちゲイの活動においてもそれはあって特にTwitterのアイコン問題。自分を表すアイコンなんてなんでもいいと思われるでしょうがあれは全然なんでもよくない。まずモテようとするなら顔写真じゃないとダメだ。アイコンが顔写真じゃないだけで他者に興味を持たれる幅はぐっと狭まる。LINEのアイコンをラーメンとか車にしてると女子ウケが悪いように人間以外の顔面と話したがる人間てのは少ない。逆に俺はモテを意識していないという格付けとして顔写真以外を設定する人もいるがそういう人はもう現実でモテている。SNSでモテたいなら顔写真一択。これは大江戸線より地下深くを流れる俺たちの共通認識の一つと言える。
じゃあとりあえず顔写真に設定すれば良いかとなるだろうが顔写真にも色々あって明確な正解は一つだけだ。まずキメキメの自撮りはダメ。おじさんがよくやるスーツ着てトイレの鏡越しで顔半分だけ映す自撮りもダメ。正解は趣味の場とか飲み会とかで他の人に撮られた自然な笑顔の写真です。いわゆる他撮り。これ以外はダメです。なんでもいいんだけどね。アイコンなんてなんでもいいんだけどこれ以外ダメです。

他人の目を気にして自分の行動に制限をかけるなんて心底気持ちの悪い行動だと自分でも思うのだが、飲み会の店選びに正解不正解があるように大衆の意に沿うためには最大公約数的な正論があるのも事実だ。要はモテたいならハウツーはあるしそれに従っとくのが無難という話だ。あ、あとあれもダメです。Twitterで「最近全然性欲ないわー」って呟く幾許かの誠実さアピール。あれも全然意味ないんでダメです。