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家族と精神障害⑨なぜ買い物依存症をやめられないのか

前回に引き続き今回も買い物依存症について書こうと思います。
前回の記事はこちら。

今回はなぜやめられないのかについて考えていきます。
私の姉は精神障害と買い物依存症があります。

正直、私は今までこの買い物依存症について自分の認識が甘かったと思います。

買い物というテーマが身近過ぎて、「やめようと思えばやめられるだろ!」「何でこんなものをこんなに買うんだ」「親がそのためにどれだけ働いてるかわかってるのか」と思っていました。

んーでもやめたくてもやめられないから依存症なんですよね。
このやめたくてもやめられないの重みは「自分では制御不可能」のレベルだと思います。

この辺が周りから理解が得にくいところで、本人と家族の関係性が悪くなりやすいところでもあると思います。

周り「いい加減やめてくれ」 ⇄ 本人「やめたくてもやめられないのに責めないで」

この構図が本当に良くない。議論が平行線でお互いストレスになるだけです。
我が家もまさにこれです。

私も最初姉は、家で療養していてすることもなく、ついつい買い物をしてしまうのだと思っていたのですが。
本人と話してみると事態はもっと根深くて深刻なものに思えました。

そもそも買い物ってすごく簡単に一人でもできるストレス解消法の一つです。
姉は昔からとにかくストレスを溜め込みやすいところがあり、何でストレスを溜めちゃうかっていうと簡単に言えば「周りを頼るのが苦手」なのだと思います。
この本人の気質と買い物っていうのが相性が良かったんだろうなと。

原因①ストレスの解消法が買い物に偏っている
よく依存症から脱するためには、複数の依存先を作って分散させるのが大事なんて言います。
これは本当にそうで、姉の場合これが買い物に一点集中してるのが問題なのです。
ストレスの出口戦略が上手くいってない感じがします。
もうちょっと言うと、絵を描いたりなど他の趣味もあるにはあるし、猫を可愛がっていたりとかそれもストレス発散の一つではあると思うのですが、それだけでは補いきれない部分があるのだと思います。

原因②人間関係の希薄さ
寂しさを埋めるために買い物をしてしまうというのは本人も言っています。
姉の人間関係は家族と病院関係が主で、普段遊びに行くような友人はいないようです。
かつてはいたのですが、自分から縁を切ってしまいました。どうしても相手の一言が許せなかったり、白黒思考なところがあるので人間関係の維持には苦労している感じがします。一方でもっと人間関係を広げたいという気持ちはあるようで、そのジレンマに苦しんでいるようです。最近は、SNSで友人ができたり、当事者会に参加したりと、少しずつ改善されている気もしますが、本人はまだまだ満足できるものではないようです。

原因③現実逃避
病気が長期化するにつれて、本人の理想と現実の生活のギャップがかなり辛いようです。この辛い現実、生きている辛さ、先行きが見えない日々などのストレスから逃れるために買い物をしてしまうようです。これが一番大きな原因なのではないかと思います。病状が改善するなり、自分のやりたいことが実現していくなりすれば、自ずと買い物依存に逃げる必要も少なくなっていくのではないかと思うのですが。姉の場合は辛い現実に打ちひしがれてしまい、なかなか「じゃあどうしたら現実を変えていけるか」「現実を理想に近づけるために、今自分に何ができるか」という方向に思考がいかないのがまだまだ時間がかかりそうだなと感じるところです。
ただ、ちょっと大袈裟に言えば本人は生きるために買い物してるんだなと思います。

私が買い物依存症について色々調べたり、考えていく中で最も重要だと思ったことがあります。

それは「何で買い物をしてしまうのか」の根本的な原因を探ることです。
そして、その原因に対処していくことです。

買い物をしてしまう理由は姉の場合はさっきの3つが主なものです。
でも、人それぞれ必ず理由があるはずです。
大抵は何かしらストレスを抱えているはずなので、そのストレスがどこから来ているのかを明らかにして、その要因を取り除く必要があります。

買い物をし過ぎてしまうのは自分からの助けてくれというメッセージだと思います。

買い物をしてしまう自分を責めたり、無理に買い物を止めようとするのは余計ストレスが増えて、余計に買い物をしてしまう悪循環に陥りかねません。

姉の場合は実際にこの悪循環により、大きく体調を崩したことがあります。

一見遠回りに思えるかもしれませんが、
本当に買い物依存症を治したいと思うのであれば自分の本音に良く耳を傾けてみることがとても大事だと思います。

家族の方などは依存症について本を読んだり、精神保健福祉センターやクリニックの依存症に関する学習会に参加することで正しい知識が身につきます。

依存症ってこういうものなんだなっていうのが分かると、本人に対してイライラするのも減って私は精神的に楽になりました。

同じように買い物依存症で悩む皆さんが少しでも良い方向にいきますように。。

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