普通にいいやつ


うう〜……絶不調だぜ。気持ちが落ち込むぜ。世の中なんもいいことなんかないんだ。孤独。哀しみ。虚無。そして絶望……。とか思ってても身体をあっためたり甘いものを食べたりすると、ヤッピ!全員俺の後ろについてこいや!俺が守る!世界を変える!全て任せろ!ってなったりすることばかり。脳も身体だね。

子どものときは、やっぱり、なんか、ちょっと影があるっていうのかな、人間的に仄暗いところがあるが才能はある、みたいな人にさ、憧れちゃうよね、どう?みんなもそんな時期あったよね?わたしのこと、笑えますか?笑えないですよね?ありがとう。

わたしは基本的に楽観的で、陽気で、結構親しみやすいやつなんだけど、それがずっとちょっと嫌だった。なんか、あー、まあ、普通にいいやつ?みたいな感じで、かっこよくないから。いつだったか、中学生のときの手帳を見たら「誰もわたしのことを大嫌いじゃないから、誰もわたしのことを大好きじゃない」みたいなことが書いてあった。人の感情を揺さぶれないことへのコンプレックスがずっとあった。でも、嫌われ役を買って出るぜ!みたいなことができるわけもない意気地なしだし、ここでわたしがこうしとけば丸く収まるよなってことにばっかりめざとくて、結局バランスを取るようなことが多かった。

そう、それでバランスを取れるってことが、中庸を行けるってことが、自分の長所なのかもって思ったんだ。わたしは他者の言ってほしいことがわかる、やってほしいことがわかるんだから、それを進んでやったらみんなハッピーじゃん!と思った。でも、世の中みんな言ってほしいことも、やってほしいことも、わかって、わかったうえで無視して自分のやりたいようにやってる。それにわりと最近まで気づけなかった。みんな他者の望みがわかんないから自分勝手に振る舞って場を荒らすんだと思ってたんだけど、場を荒らさないことよりも重視してることがあるってだけだった。この、バランス取らなきゃ期はおそらく16才から24才くらいまで。演劇を勉強する大学に入って、卒業して、演劇だけをとにかく一生懸命やってた期間。いろんなことが原因で瓦解したんだけど、今となってはそれでよかったって思える、いろんな全てが。

いま、かなりストレスなく生きられている。いまの自分が本当の自分なら、やっぱりわたしは基本的に楽観的で陽気な親しみやすい普通にいいやつなんだけど、それって一番いいじゃん、って思う。自分がそう思える自分が好きだし、他の人からもそう思われてたらいいな。

自意識とかを全部越えた先でまた自分がやりたいこととか、なりたいものとかに向かっていきたい、最近。何歳の時でもいいな。だってこれから先全部がかなり良くなっていく気しかしないから。

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