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日向坂46 8thシングル表題曲 月と星が踊るMidnight 感想

「フラクタル」というのは、全体と部分で相似な形状が集まって出来ている構造のことをいいます。このフラクタル構造をもつロマネスコというカリフラワーの一種があって、本当に時々スーパーに置いてあることがあるんですが、見つけると小宇宙のようで面白くてまじまじと眺めてしまいます。
そして人生とか人間関係というのも、似たような構図が大小集まって重なって出来ているフラクタル構造なんじゃないかなあなんて思ったりします。

日向坂46の8thシングル表題曲「月と星が踊るMidnight」のMVが9/18に公開されました。

歌詞と今の思い悩み

以下の歌詞はTwitter等で耳コピを上げている方のものを参考に自分で再度MVで聴いて打ち込んだものなので、間違ってる箇所があるかもしれません。

月と星が踊るMidnight
フェンスを越えて 舞い戻った校庭

古い校舎の中
閉じ込められ 叫んでいた
ここから出してくれと
ガラス窓を 叩き割ろうとした日々よ

今 僕たちは僕たちは 憂う
このままじゃこのままじゃ ダメだ
歯向かった歯向かった 大人
いつしか 嫌だった嫌だった 世界
目を瞑り生きることに 抵抗無くなった

そう あんなにもあんなにも ずっと
軽蔑していたものは 何だ
間に合うか間に合うか これから
本当にやりたいこと それだけをやろう
物分かり良くなって 流されたくはない

誰に何言われても
僕たちはまだまだ諦めない
過ちを恐れるな


グラウンドに 大の字になって
寝転びながら 夜明けを待ち続けた

あと何周走れば
よくやったと言われるのか
炎天下のその下で 汗を流すのは
理不尽でしかなかった

ああ 僕たちは僕たちは 思う
ちっぽけなちっぽけな 自分
見えないよ見えないよ 未来
何にも 意味のない意味のない 命
無駄遣いしてるようで 焦ってしまうんだ

でも もう一度もう一度 もしも
生まれ変われるはずだよ 誰も
あの頃にあの頃に 見た夢
今でも手を伸ばせば 届くはず きっと
決心をすることに 遅すぎることはない

ここに来て気づいたよ
僕たちは何だって出来るんだ
憂いとは可能性


非常階段登って 屋上に出てみた
ハッとするほど綺麗な朝焼けを見たよ
僕たちの世界は 何て美しいんだ
震える風の中で


今 僕たちは僕たちは 憂う
このままじゃこのままじゃ ダメだ
歯向かった歯向かった 大人
いつしか 嫌だった嫌だった 世界
目を瞑り生きることに 抵抗無くなった

そう あんなにもあんなにも ずっと
軽蔑していたものは 何だ
間に合うか間に合うか これから
本当にやりたいこと それだけをやろう
物分かり良くなって 流されたくはない

誰に何言われても
僕たちはまだまだ諦めない
過ちを恐れるな


wow…
思い悩み
wow…
それでも強く生きるの
wow…

歌詞は、大人になった主人公が真夜中に昔の学校に行き、おそらくは一人で、物思いに耽る内省的なもの。前半は、今の自分は学生のあの頃の自分が嫌いだった社会に染まり、なりたくなかった大人になっていないか?という自省、後半は、再度自分や世界に可能性を見出し、今からでも変われると希望を取り戻す、というもの。
こういう構図はこの曲の歌詞のように「思春期の少年少女と大人たち」の対立に象徴されてさまざまに表現されてきた、普遍的な、言い換えればありきたりなテーマなんだと思います。冒頭の話に戻りますが、似たような構図は人間関係の中で色々なところにあって、だからこそ中身を変えて繰り返し表現されるんじゃないかと思います。

何でそんなことを思うのかというと、私のここ1ヶ月くらいの間の仕事関係で考えていることが全くこの構図だからです。社会人になりたての頃の私は、年上の人に対して思った不満がありました。なぜ自分が信じていないことをしょうがなくやるのか、なぜ言うことがコロコロ変わるのか、なぜ保身的になるのか。(ほとんどの方はいい人ばかりですが、一部こういう人がいたということです。)

そして今30代後半になった私は、その方々の年齢や立場に近づいて、その方々がなぜそうなってしまうのか、何となくわかるようにもなってきたし、ほっといたら自分もそうなってしまうかもしれないという気もする。このままじゃなりたくなかった自分になりそうだけど、昔の自分の考えが100%正しいかと言えばそれも違う。じゃあどうすればいいんだろう。いつものごとくですが、答えのない葛藤をしています。

2ヶ月前のドキュメンタリー映画「希望と絶望」もそうなんですが、日向坂の作品は何故か私の暮らしに絶妙なタイミングで欲しいものをくれることが多いです。同じテーマでもいつ誰が表現するのかで自分の受け取り方は全然違うものになると思います。

映画の感想の記事で書いた、私が映画から受け取った「真剣に前向きに悩み続けてみよう」ということ。今回の曲のラスト部分の「思い悩みそれでも強く生きるの」は、同じ意味に受け取りました。
これをもらったからといって何かが解決するわけじゃないですが、どこかの誰かが似たようなことで思い悩んで、それでも強く生きようと思っているかもしれない、と思うと少し気が楽になります。
何歳になってもスマートでスッキリした考えは出来そうにない私で、京子さんからもこういうメッセージをもらえたので、これからも安心して葛藤しようと思えました。

思い悩み それでも強く生きるの

青春の馬との関連

公開当日何回かMVを観た後、何となく青春の馬の要素を感じてこんなツイートをしました。

さらに歌詞やMVを何回も見てるとやはりこれは青春の馬の続きにある楽曲だなと思います。
(青春の馬の主人公は大人に歯向かっていた様子は無かったので同一人物ではないような気はしますが。)

・MV大サビの白っぽい砂利

これはわかりやすいですが、場面のイメージが似ていますよね。

青春の馬
月と星が踊るMidnight

・Cメロで登場する朝日

夜が明けて行く 遠い地平線の彼方
世界はこんなに広かったと知った
蒼ざめた馬が大地を駆け抜けて行く
希望の光を浴びながら
青春の馬 Cメロ歌詞
非常階段登って 屋上に出てみた
ハッとするほど綺麗な朝焼けを見たよ
僕たちの世界は 何て美しいんだ
震える風の中で
月と星が踊るMidnight Cメロ歌詞

青春の馬では、主人公に世界の広さを知らせ一旦は絶望させるが、同時に希望の光でもある朝日ですが、月と星が踊るMidnightでは、ただ綺麗で世界の美しさを伝えるものとして描かれています。この違いにどんな意味があるのかは、今のところよくわかりません。

・ラストの部分の振付

こちらの記事で書かれていたのですが、青春の馬の”Never give up!”と、月と星が踊るMidnightの”それでも強く生きるの”には同じ振付が採用されています。
日向坂46作品の二大コレオグラファーのTAKAHIROさんとCRE8BOYさん。想像にはなりますが、月と星が踊るMidnightの振付にあたってCRE8BOYさんが青春の馬のTAKAHIROさんの振付をリスペクトしてサンプリングしているって、めちゃくちゃエモくないですか!?

ところで私はこの曲の初披露をHappy Smile Tour 2022愛知公演初日で現地で体験しているのですが、その時はあまりどんな曲だったか覚えておらず、MV公開で1回目を観てめっちゃ良い曲じゃん!と思って、さらに歌詞やMVを深く掘り下げるともっと良さに気づいていきました。これからもどんどんハマっていきそうです。
これまで日向坂の中では青春の馬がNo.1に好きな楽曲でしたが、月と星が踊るMidnightはそれとセットで同じくらい好きな楽曲になりそうです。


青春の馬に関する過去記事です。こちらもぜひお願いします!

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