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『青春有你2』 注目の練習生9人をピックアップ(前編)

先日 Real Soundさんで『青春有你2』に関する記事を書かせていただきました。

日本でもこの番組が人気を集めているということで執筆依頼をいただいたのですが、私自身もこれまでの“プデュ”系番組にはない魅力を感じていたこともあり、主に4つのポイントにまとめて考察してみました。

配信が始まって以来、何かとSNSで話題になる『青春有你2』(以下、『青2』)ですが、パフォーマンスではなく練習生の発言や内面に関するシーンがイシューになっているのを見ると、多くの人を惹きつけているのは記事内のPOINT 2とPOINT 3の要素が大きいのではないかなと思っています。

個性的な練習生のラインナップと、彼女たちの行動や発言を通して伝えられる多様性や自己肯定のメッセージ、主題歌「YES! OK!」に込められた意味、視聴者に頭を下げず「和我一起吧(Come with me)」と手を差し伸べる姿勢…。

正直、「そろそろ“プデュ”はお腹いっぱいかなぁ」と思いはじめていた私も、上記のようなコンセプトと演出、リアリティーショーとしての質の高さに魅せられ、毎週視聴するようになりました。編集も練習生同士が椅子を奪い合うバトルではなく自分との戦いやシスターフッドにフォーカスしているので、視聴後の気分は“プデュ”を見たあとより、『Queendom』を見たあとに近いなと感じています。

主題歌センター決めの前にポジション別バトルをしたり、講師とのコラボステージのグループを面接で決めたり、ゲスト講師として登場する芸能人のトークセッションが素晴らしかったりと、細かいところまで拾っていくと語りたいことがあふれてしまいReal Soundさんの原稿も当初は1万字近くなってしまいました…。

記事では文字数の関係で残念ながら練習生について言及できなかったのですが、せっかくなので記録がてらここに残しておこうと思います。あくまで私(Ryoko)の主観と番組を見たイメージで書いているので、読む方のお気持ちを害してしまったらすみません。

なお、「9人をピックアップ」と題していますがデビューメンバー予想ではなく、個人的な推し&気になる練習生の記録です。また、紹介とともにおすすめのパフォーマンスや動画のリンクをつけていくので、これから見る方の参考になれば幸いです。ただし、文中には脱落してしまった子や順位も登場するのでネタバレにもご注意ください。

ちょっと長くなってしまったので、前後編に分けて投稿します。前編は以下の4名についてです。

①立てばそこがセンター! 刘雨昕(リュー・ユーシン)

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刘雨昕(リュー・ユーシン) 英語表記:Xin Liu
【順位発表式の結果】8位(第1回)→2位(第2回)→1位(第3回)
1997年4月20日生まれ。主題歌「YES! OK!」のセンターを務める完璧主義のオールラウンダー。どんな振り付けも鮮やかに消化し、LISAも「あなたはパーフェクト」とコメントするほどの実力派。華麗な身のこなしと佇まい、凛とした気品と風格をまとい、彼女が立てばたちまちそこが“センター”に。この道10年の苦労人で、過去に別のオーディション番組から誕生した蜜蜂少女隊というガールズグループに所属していたことも。回を追うごとに人気が上昇し、右肩上がりの美しいグラフを描きながら順調にランクアップ。第3回順位発表式ではついに1位に輝きました。

彼女に対して「ハンサムだから女子票が集まるのでは」というコメントをどこかで見かけたのですが、容姿だけでは票が集まらないのが“プデュ”なので、個人的にはそうは思いません。それだったら林凡(リン・ファン/Marco Lin)や陆柯燃(ルー・クーラン/K Lu)がもっと上位にいてもおかしくないですし。

刘雨昕が今トップに君臨しているのは、地道な努力で身につけた確かな技術紆余曲折を経たからこその経験値と人間力が、この番組で“カリスマ”となり光を放った結果なのではないかなと思っています。

プデュで分量(尺)を得るカギとなるのは“スキル”に加えて、“人間力”や“ストーリー”が大きいですよね。それは本人の生き方や性格がつまらないということではなく、番組との親和性の問題だと思います。人生のどのタイミングでこの番組に出演することになったかという“運”もあるでしょう。刘雨昕は満を時して『青2』に選ばれ、立つべくしたあの場所に立っているという感じがします。

おすすめステージ:「The Eve」
『青2』の人気パフォーマンスの一つです。グループ別バトルでのステージで、公開から約1カ月ですが、なんとYouTubeの再生回数が900万回を突破しました。6月には1000万回行くのでは…? センターは許佳琪(シュー・ジアチー/KiKi)なのです が、1:33と3:57の刘雨昕がイイ。

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②月光のように蒼く輝く 陆柯燃(ルー・クーラン)

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陆柯燃(ルー・クーラン) 英語表記:K Lu
【順位発表式の結果】12位(第1回)→13位(第2回)→15位(第3回)
1995年11月7日生まれ。私はもともとFanxy Redとして韓国で活動していた陆柯燃と林凡(リン・ファン/Marco Lin)が出演するのを知って『青2』に興味を持ったのですが、残念ながら林凡は第3回順位発表式で脱落してしまい…。先週からまだ傷が癒えていません(笑)。

とはいえ陆柯燃を語る上で林凡の存在は欠かせないので、まずは彼女についても少し触れたいなと思います。林凡は1998年10月2日生まれ。ラップ担当のムードメーカーなのですが、自分からガンガンみんなのテンションをあげにいくというより、そこにいるだけで空気が明るくなるタイプ。実はちょっとシャイなところもあって、番組ではその愛らしさが際立っていました。特技披露でいきなり人形劇を始める天然ぶりも最高で、猫か犬かで聞かれたら完全に犬。かわいい振り付けがうまくできなくてわんわん泣いてしまったり、ステージでのスタイリングも少年っぽく、どこかティーンを感じさせる“未完成”な部分が魅力でした。

しかし、これは「デビュー組としては頼りない」と判断される材料にもなるわけで。刘雨昕とのダンスバトルでも実力の差は明らかで、20位→25位→21位という成績で健闘しましたが、残念ながらファイナルに残ることができませんでした。

自己紹介動画でジャガイモになった林凡
「数カ月後、このジャガイモも私のように成長し大きくなります」と宣言していましたが、このとき植えたジャガイモは結局カビてしまったそうです(笑)。

一方、クールに見えて視野が広く、影からみんなを支えてリーダーシップを発揮している陆柯燃は林凡よりランクが高く、現在14位。このあたりに視聴者(というより番組かな)の傾向が見えてきて興味深いです。

緩急があってなめらかなダンスムーブと透明感のあるボーカル
が素晴らしい陆柯燃。刘雨昕はポッピンが得意でパワフルかつSWAGな感じなのですが、陆柯燃は艶っぽくて独特の余韻があります。

おすすめステージ:「不奉陪(No Company)」
The Eve」「MAMA -Chinese Vesrion(Group A)」と、どのステージも圧巻だったのですが、センターを務めたオリジナル曲「不奉陪(No Company)」では彼女の魅力が最も引き出されていた気がします。

韓国語でよく虚ろで美しいさまを“退廃美”と表現しますが、この動画に韓国のネットニュース風の見出しをつけるなら「No Company 루커란, ‘섹시미 + 퇴폐미 폭발'」(No Company 陆柯燃、`セクシー美+退廃美 爆発`)です陆柯燃にフォーカスしたチッケム(推しカメラ)もあわせてぜひ。

このステージにはLISAもうっとり。憧れの人や仲間に褒められてうれしそうな陆柯燃。张语格(Tako Zhang)のイスの蹴り方をアドバイスしたのも彼女でした。


頑張ってほしいのですが、番組の流れ的に脱落してしまいそうで胸が痛い…。月並みな表現ですが、林凡が犬なら陆柯燃は猫、林凡が太陽なら陆柯燃は月。二人セットで愛されているので、一緒にデビューできないのならもはや番組終了後にユニットでお願いしますという過激派になりつつある私です(Fanxy Redは?)。

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③表情豊かな溌剌ガール 虞书欣(ユー・シューシン)

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虞书欣(ユー・シューシン) 英語表記:Esther Yu
【順位発表式の結果】1位(第1回)→1位(第2回)→2位(第3回)
1995年12月18日生まれ。もともと女優として活動しており、Netflixで配信中のf(x)ビクトリア主演ドラマ「働く女子流ワタシ探し」にも出演していました。『青2』では初回から強烈なキャラクターで印象を残し、番組に欠かせない存在に。

序盤は正直、このまま“リアクション芸人枠”になっていくのかな…という懸念があったのですが、その心配は杞憂に終わりました。裏表がなくブレない性格で、知れば知るほどハマってしまう不思議な魅力がある練習生です。

技術面では決して実力派とはいえないのですが、演技で培った豊かな表情とオーラでカバー。キャラ通りの明るい曲だけでなく、しっとり系やクール系もこなしてみせ、いつもいい意味で視聴者に驚きをプレゼントしてくれます。スポットライトを浴びるのが何よりも楽しそうで、どんなときも物怖じせず堂々としている彼女の姿に惹きつけられます。

練習中もユニークな振り付けを提案したり、殻を破れずにいる仲間をグイグイひっぱったりと大活躍。逆境をものともしないポジティブ思考で、彼女のいるグループはいつも雰囲気が良くチームワークが抜群なのも特筆すべきところかなと思います。練習生が選ぶ「この人の人生を一度経験してみたい」部門、第1位。「スタンダードは私が決める」的なHapar’s Bazaarのコンセプトフィルムのナレーションも、ピッタリでした。

おすすめステージ:「我怎么这么好看(How Can I Look So Good)」
タイトル通り「なんで私ってこんなにイケてるの?」と歌う、虞书欣のためのような曲。2:02あたりで「Wow!」と入るのは虞书欣の御家芸リアクションが元ネタ。


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④『青2』のレジェンドメイカー 安崎(アン・チー)

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安崎(アン・チー) 英語表記:Babymonster Ann
【順位発表式の結果】4位(第1回)→6位(第2回)→8位(第3回)
1996年5月13日生まれ。ダンス歴は2歳半から。練習生の中では決して背が高いほうではないのですが、小柄な体から放たれるエナジェティックなパフォーマンスと豊かな表情でステージを掌握します。

セクシー、パワフル、ポップ、キューティ、ファンキー、ラブリー、ゴージャス…と、どんなコンセプトも自在に行き来し、参加するステージをすべて“レジェンド”にしてしまう怪物パフォーマー。英語での呼び名は“ベイビーモンスター”なのですが、言い得て妙なニックネームだなと思います。LISAが絶賛する練習生の一人で、ガールズグループ・Hickey喜祺(シーチー)のメンバーです。

ステージでは絶対的な存在ですが、素顔は食いしん坊の小動物系で、そのギャップもニクい! 重慶出身でしゃべり方にクセがあるようで、なまりをイジられているのもかわいいです。

もし練習生の中から「生でパフォーマンスを見たい人」を一人選べといわれたら、私は迷わず安崎を選択します。

彼女に関しては「百聞は一見に如かず」だと思うので、とにかくパフォーマンスをご覧ください。

レベル分けテスト:ソロパフォーマンス
パフォーマンスは1:35頃から。状況としては、後編の記事で紹介する上官喜愛が圧倒的なパフォーマンスを見せつけたあとに、MCが上官喜愛にチャレンジする練習生を募集。みんながたじろぐなか安崎が名乗り出たという場面。

ポジション別バトル:「PLAY」
『青2』のレジェンドステージの一つで、YouTubeの再生回数700万回突破。安崎がセンターでバチバチに決めます。練習室バージョンもどうぞ。

練習室ミニテスト:「十面埋伏2(AMBUSH ON ALL SIDES II)」
グループ別バトルの課題曲「十面埋伏2(AMBUSH ON ALL SIDES II)」は、中国の伝統音楽とポップスが融合したとってもカッコいい楽曲です。個人的に『青2』の課題曲の中でベスト3に入るお気に入り。安崎はグループ別バトルで「有点甜A Littel Sweet)」を披露したのですが、その後の「練習室ミニテスト」というミッションでこの曲に挑戦しました。照明や衣装の力を借りず撮影したにも関わらず、ステージでパフォーマンスをした2組に引けをとらない完成度。オープニングの決めゼリフを重慶弁にアレンジしたのもウケていました。

これはオマケですが、この曲はDREAM CATCHERのハンドンが参加したステージパフォーマンスもよかったのであわせてぜひ!

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以上、『青春有你2』 注目の練習生9人をピックアップ(前編)でした。残り5名については後編の記事で。
いよいよファイナルが近づいてきてさみしいですが、最後まで楽しみながらデビューの瞬間まで見届けたいと思います!

※ヘッダー出展:iQIYI


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