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【人事評価の未来(第10回)】サッカー選手のKPI:DF編(ワールドカップ日本代表スペシャル)

吉田麻也、板倉滉、冨安健洋・・・サッカーワールドカップでは日本のDF陣が大活躍しました。中心の彼らは190センチ近い身長、緒方なのにスピードもあり、欧州で鍛えた経験とその鋭い読み、日本のベスト16入りに大きな貢献をしたと言えましょう。この「守備陣」を想いつつ、DFのKPIを考えて行きます。

守備のKPIはゴールを許さないことが基本

守備の基本はなんといってもゴールを許さないということが大事です。そして枠内シュートを打たれない、決定的な場面を許さないことにあると思います。
なので、
・失点数
・決定的なゴール阻止数・率
・枠内シュートブロック数・率
あたりが重要なKPIになるところだと思います。とはいえ、ゴール防止は守備陣みんなでの組織目標みたいなものなので、KPIとして適切なのかというと疑問があります。GKとDF陣の最後の最後での成果ではありますが、シュートを打たれないようにする、打たれる「状況」を作られてはいけないのが守備陣です。シュートを打たれる段
階に追い込まれることは、DF陣としては望ましくないのです。また、シュートを打たれる、ゴールを入れられるにしても個人に責任が起因することが重要かなと思います。と言う意味で、

・個人のミスに起因する失点数
・個人の貢献による決定的なゴール阻止数・率
あたりが厳密なKPIになるでしょう。


ゴール前、筆者撮影

シュートを打たれる状況を作らない

やはり、DF陣としては、シュートを打たれる状況、いわゆる「決定的な場面」を作らないことが大事です。
なので、
・ゴールにつながる決定的な場面での突破を許さなかった数・率
・ゴールにつながる決定的なスルーパス奪取数・率
・決定的な場面でのクリア数

あたりが重要になります。決定的な場面という定義が難しいのですが、「攻撃枚数>守備枚数」という不利的な状況であったり、ここで交わされれば決定的なシュートを打たれる場面と言うイメージでしょうか。
とはいえ、シュートを打たれる状況に至るまでの守備活動も見ないといけなそうです。まずはクリアです。

・ゴール前・ペナルティエリア内での競り合い勝利数・率
・ゴール前・ペナルティエリア内でのボール奪取数
・バイタルエリア・ペナルティエリアへの進入数・進入阻止数

といった決定的ではなくても、重要な場面もあります。特に、攻撃を受け止め、跳ね返すことが大事です。競り合いに勝つ、ボールを奪取する、それができなくても進入を遅らせることなどが求められます。

ディフェンスラインでの役割

また、ディフェンスラインの一員としての役割もあります。オフサイドを狙って罠にかける必要があります。

・オフサイド成功数
などもDFとしては大事なものです。これはDFのみんなでの組織目標になります。というか、オフサイドは成功させなければいけないものです。個人レベルに落とし込むと
・自分に要因が起因するオフサイド失敗数・率
は義務的な指標になるかもしれません。

攻撃を受けた初期の段階ですと、ボールを奪う、競り合いに勝つ、守備の作業としての、
・ボール奪取・インターセプト数(タックルなど)・インターセプト数
・競り合い勝利率
・デュエル数

・クリア成功数・率

と言ったところが通常の業務になるかと思います。攻撃を受け止め、跳ね返す、逆に一気に攻撃につなげることが大事です。
その他、通常の場合とセットプレー(FK、コーナーキック)での場合もあります。

チームによっては攻撃の指標もあるかもしれません。特に攻撃選手へパスを「確実に」つなぐことは義務と言ってもいいかもしれません。
基本的な
・保持状態でのミスパス数
・保持状態でのボールロスト数

などは品質管理指標と言ったところかもしれません。特にDF陣のボールロストは決定的なミスと言ってよいものなので、DFにとって常に意識しないといけないものです。


ゴール前の攻防、筆者撮影

期待できる日本の「壁」

最後にまとめると、ミスが許されない、慎重に行動しないといけない、挑戦よりも、安定が求められる役割になります。KPIとなると
・個人のミスに起因する失点数
・個人の貢献による決定的なゴール阻止数・率
・ゴールにつながる決定的な場面での突破を許さなかった数・率
・ゴールにつながる決定的なスルーパス奪取数・率
・決定的な場面でのクリア数

・インターセプト数
・競り合い勝利率・デュエル数
といったところになるでしょう。日本代表のDF陣は今後4年は安泰です。世界的プレーヤーになりつつある板倉さん、名門アーセナルでも準レギュラーの冨安さん以外にも有望な選手がたくさん出てきつつあります。
鉄壁の守備陣が構築されるであろう今後に期待しましょう!

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