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コンプラ研修で大丈夫?~【解説】人的資本可視化指針(第24回:KPIシリーズ)

人的資本KPI。コンプライアンス関連では「コンプライアンス・倫理に関する研修を受けた従業員の割合」が推奨されています。IOS30414にて紹介されていることが理由のようです。

コンプライアンスについて

法令順守です。企業の立場で法律というと
・法律、政令、府令、省令、条例、通達
・業法
といったところです。ビジネスでは民法はもちろん、大手だと独占禁止法、下請法、働き方改革法あたりも目配りが必要でしょう。業務面はそれぞれな部署がそれぞれの法律を確認しないといけません。

もちろん明文化された法令を守るだけでなく、不文律、グレーかもしれないが社会通念上のルールや規範も含まれると解釈して良いでしょう。

不祥事発生したら・・・

よくある不祥事というと「偽装・隠ぺい・改ざん・捏造」といった問題が挙げられます。「形式上の不正」であって実質的な安全性、品質に影響がなくても、「データ改ざん」それ自体が厳しい批判非難の対象となるわけで、注意が必要でしょう。

事例を分析すると・・

・品質不良が発生したのではなく、その原因となりうる、法規や契約に対する逸脱行為が発覚したにすぎない
・おそらく経営上層部の指示や黙認ということではなく、当該の品質担当部署が「これぐらいの逸脱行為は品質問題を起こさないだろう」という判断をしたことから始まったのではないか

と推測されるケースがほとんどですが、なかなか難しいというのが本音のところでしょう。コンプライアンス順守を完璧にすると、時間や手間で余計なコストがかかる、個々の目標達成に阻害したりする、難しい永遠の課題のようなものです。
この難しい課題について、会社としてある程度示さないで、職員任せにするわけにはいかないでしょう。だからこそ、研修やトレーニングが必要です。

さて、可視化すべきか?

ただし、指標としての有用性は「〇」と言う評価です。「コンプライアンス・倫理に関する研修を受けた従業員の割合」で50%といった数値を見つけた投資家はびっくりするでしょう!大丈夫か?と思うでしょう。今後の経営リスクになりかねない、大丈夫か?と思ってしまいます。

もちろん、本質的には1日かそこらの研修・トレーニングでコンプラ意識が持てるようになるのか・・・と思いますが、最低限の知識があるかないかは大きな違いになります。
下の図、コンプラ意識でのレベル感を作ってみると、最低でも「知識を得る」くらいには行動を変革してもらうべきでしょう。

筆者作成

研修を受講する⇒必要な知識を理解する⇒対処方法を習得する⇒業務で活用しようと思う⇒現場で実践する⇒少しうまくいかなくて悩む⇒改善する⇒行動が徹底できるようになる・・・・というのが理想でしょう。時間もコストもかけられない中、最低でもオンライン研修くらいはしたほうがよいでしょうね。

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