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社員にどれくらい払ってる?~【解説】人的資本可視化指針(第27回:KPIシリーズ)

人的資本KPI。今回からISO30414のコスト関連に入っていきます。ISO30414では「総労働力コスト」が推奨されています。

総労働力コスト、または総人件費。組織が従業員に対して支出した金額になります。人件費の合計になります。構成は報酬と福利厚生等からなります。この指標は労働力の財務価値を測ることを目的としているようです。人への投資と言う意味で、どれだけ従業員に賃金を払っているのかは非常に重要なところでしょう。平均賃金、最大値、最小値、標準偏差でデータを見れば、賃金・報酬の方針やスタンス、「経営者もらいすぎじゃね?」とか「平等すぎない?」など特徴が見えてきます。経営貢献につながりそうか、バランスがとれているか、インセンティブになっているかが推察されることになります。数値としては、どちらかというと人件費の額より率のほうが投資家目線ではあると思います(面倒な計算をしないでいいので
)。

人的資本ROI?

人的資本KPIで「人的資本ROI」と呼ばれる指標も専門家から推奨されています。売上高ー(総経費ー人件費)を人件費で割って1を引く数値で出す指標だそうです。この指標は、人件費に対してどのくらい利益を出しているかということを測定するようです。で、何が言いたいかと言いますと、こうした「新たな」「独自」指標を会社にとって適したものを考案し、設定し、提示するというのも今回の可視化においては推奨されているということです。正直、この人的資本ROIについてはその指標の示す意味に疑問があります。なぜなら人件費をかける→利益を生むという論理的なつながりの薄さ、つながりの遠さを感じるからです。しかし、こうした指標を考案して考えるというのは意味があるのかもしれません。

人的資本可視化で必要?

評価は「〇」です。もちろん、当然でしょう。この数値を見れば、1人当たり人件費も算出できます。

とはいえ、個人的には労働分配率などの方も明確にされているとよい、というかこちらが知りたいところです。ちなみに労働分配率は(人件費/付加価値)×100で算出されます。

それではまた。

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TL

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