見出し画像

永守重信さんのような経営者になる方法⑤人財育成、7つの条件その1


NIDEC関連会社(東京)、筆者撮影


NIDEC、日本電産、永守さんの経営の凄さは、その人財育成にもある。個性が強いので「人財育成」というイメージを持たないが、人財育成についても深い知見を持っている。人的資本経営の時代においては、非常に示唆に富む。なぜなら、彼は買収した先の企業でリストラしないということにある。育てているのだ。というか、環境を整えることで、育ってしまっているといったほうが正確だろうか。永守さんは「登用される社員の7条件」を明確にしている。

7つの条件

①健康管理のできる社員
②仕事に対する情熱・熱意・執念を持ち続ける社員
③いかなるときもコスト意識を持てる社員
④仕事に対する強い責任感を持てる社員
⑤言われる前にできる社員
⑥きついツメができる社員
⑦すぐ行動に移せる社員

永守重信さん著作より

ひとつづつ見てみよう。

①健康管理のできる社員
これは当たり前である。健康を大事にするというのはビジネスパーソンにとって非常に大事なことである。体調を崩したりしたら、組織にとっても迷惑になる。条件として真っ先に住しているところが興味深い。

②仕事に対する情熱・熱意・執念を持ち続ける社員
これは前回にも示したが(ご興味ある方は以下を参照)、

https://note.com/omnimedia/n/n6d1143c0796f

「情熱・熱意・執念」という3つの価値を継続的に持つ社員としている。情熱・熱意・執念を仕事に持てる社員を持てと言うのはある意味、労働と対価に報酬をもらうという考えの社員にとっては厳しい。ただし、情熱・熱意・執念を仕事において持てる、持ち続けられるということはビジネスパーソンにとってはとってもしあわせなことでもある。永守さんが大事にする「価値観」を共有するということである。


NIDEC本社、筆者撮影

求められる仕事に対するシビアさ

③いかなるときもコスト意識を持てる社員

この点は、まさに永守さんといっても過言ではない。永守さんの厳しい点は、コストである。あらゆる費用においても、「最低額」を求める。ペン1つの価格においても、最安値なのか、本当にコスト交渉をし尽くしたのか、にこだわる。もしもっと安いものがあったら、ダメなのである。ある費用について「これは最低額か?」「あらゆる手を尽くして調べたのか」と問われていく。それに対して堪えられないと永守さんに怒られることになる。
社員も当然、コストに対して配慮や関心を払うこと、徹底的に求めることが期待されている。コストへの過度な徹底的なこだわりは、ある意味、ビジネスの厳しさ、1円でも無駄にできないという姿勢。その積み重ねが今の成功にあるのだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?