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【人財育成論16回】破壊的イノベーションを生み出す人材とコンピテンシー③

破壊的イノベーター、その定義をおさらいすると、破壊的イノベーションを起こせる人になります。より明確に言うと、破壊的イノベーターとは・・・・

・技術革新やアイディアによって、既存の事業の安定した状況を打破し、その事業の業界構造をガラッと変化させることができる人
・既存の概念にとらわれず、新たな発想を積極的に取り入れることで、新製品や新サービスを事業化できる人
・既存の市場で求められる価値を低下させつつ、新しい価値基準を市場にもたらすイノベーションをもたらせられる人

筆者作成

こういう人のことを言います。破壊的イノベーターとはいったいどういった行動をするのか、その能力を定義し、コンピテンシー、つまり優れた成果を創出する個人の能力・行動特性をさぐってみます。前回は

①Associating:アイデアを何かと関連づけることができる、そしてそのために幅広い知識を持っている

を探りました。今回は残りの能力
②Experimenting:
③Observing:
について見ていきたいと思います。

CES上海にて、筆者撮影

②Experimenting:実験に挑戦し、経験したことから、失敗から学ぶこと、それだけの勇気を意欲がある

アシックスの足測定、筆者撮影

「実験しろ」というと、めんどくさい、いや実験しても意味ない・・・など思ってしまうものです。
しかし、破壊的イノベーターは、何事についても、行動する前に実験をしてみて、自分なりの感触をつかんでいます。実験すれば、希望する、想定する場面でないとしても、そこで学べることが多いでしょう。プロせス、手法・やり方、物資の内訳、物量投入量、タイミング、切り替え、伝え方・文言、人の動かし方、人の現場対応など、実験してみれば色々学べます。
失敗も多いもの、というか、普通、何かしら失敗するものです。プレ実施・シミュレーションを通して色々な問題がでてきます。その失敗を踏まえて、本番環境でうまくいくように改善するのです。最近、実証実験、PoCと言われていますが、ああいった大きなプロジェクトというレベルではなく、身近な作業や自分で完結する取組みまレベルから実践しているのです。
そして大事なのは、上司に言われなくても、実験してみよう!という勇気です。

③Observing:丁寧に観察し、データを収集し、測定し、分析できる

現場で起きる出来事を見て、丁寧に観察し、数字を把握します。そこから、特徴は何か、数字で見るとどういった傾向があるのか、この数値の意味は何かを考察します。問題発生の要因があるのか、事象にはどういった要因が影響するのか、どこを改善すればいいのか、常に分析をしています。

筆者作成


経営の数字や利用者の満足度調査の数字を見て、そのデータを観察し、同様のことを行ったりもします。仮説→検証の思考プロセスを繰り返し、思考を深めていくのです。

これからも破壊的イノベーターのコンピテンシーについて考えていきましょう。

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