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気がついたらアミグルミ作家になっていた話

はじめまして。
アミグルミを作っています、omni-berry(オムニベリー)と申します。

初めてアミグルミを作った日から、かれこれ15年ほどが経ちました。

先日、これまでに売れた作品数を数えてみたらなんと1,600点を超えていて、よくもまあこんなにも作ったもんだと呆れ… いや本当にありがたいなと思っています。


アミグルミを作る前は中古のレコードショップで11年間 正社員をしていました。
レコ屋での仕事は大変なこともいっぱいあったけど、音楽活動をしたりクラブへ遊びに行ったり、まあまあ楽しい20代を過ごしました。

30代になりレコ屋を退職して、次は何をしようかなと思いあぐねていた頃です。
同じ短大の美術コースだった友人のAちゃんから一本の電話がありました。

「今度、名古屋港でやるクリエーターズマーケット(以下クリマ)に出店するんだけど、一人じゃブースが埋まらないから何か作って持ってきてよ」

… 意味が分かりません。

まずは作りたい、見てもらいたいものがあるからお店を出すのが自然の流れ。どう考えても順番が逆です。

私「ちょっと待って、作ってる物なんて何もないし、そもそも売り物になるような物なんて作れないよ」

Aちゃん「大丈夫大丈夫!何でもいいから。あ、OちゃんとSちゃんにも声かけたから、よろしく〜 (ガチャン)」

… 無茶苦茶です。
しかも数打ちゃ当たるみたいになってる。

作るものが見つからないまま数日経ったある日、同じく声をかけられたOちゃんから ある提案がありました。
当時 近所に住んでいたOちゃんが「これ、どうかな?」と言いながら見せてくれた切り抜き。

それが『アミグルミの作り方』でした。

私「あ〜聞いたことある、毛糸で編んだぬいぐるみだよね?材料もすぐ手に入るし、それにしよう!」

とにかくAちゃんからの無茶ぶりを早くやっつけたかった私は、その日のうちに100円ショップへ行って毛糸を買い、Oちゃんが持ってきた『アミグルミの作り方』をコンビニでコピーして持ち帰りました。

それから数日、最初こそそれを見ながら作ろうとしたものの、編み図が読めないのと決められた段数通りに編むのがめんどくさいのとで、基本の編み方だけ参考にさせてもらい、オリジナルの作品を作ることにしました。(子供の頃に編み物の経験はあります)

編み始めが少し難しかったけど、慣れるとどんどん形になっていくのが面白くて、クリマ当日までに20cm〜30cmほどのフニャフニャのアミグルミが数点(確か カエル×2、ネコ×3、サル×2)出来上がりました。

ちなみに記憶が定かではないのですが、当日アミグルミを作って持っていったのは私一人だけだった気がします。
(私にアミグルミを提案してくれたOちゃんは結局 何を作ったんだっけ?今度会ったときに聞いてみます。)

こうしてクリマ当日、私はアミグルミ、Aちゃんはイラスト、Sちゃんはアクセサリー、Oちゃんは…?(私の記憶がポンコツですみません)、という何だかよくわからないお店が出来上がったのでした。

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ちなみにこれはそのとき出品した作品の1つ。(ピンク色のは舌です)

何でもいいから持ってきてと言われて付け焼き刃で作ったフニャフニャのアミグルミ。
フニャフニャ過ぎて座ってるというよりぐったりうなだれてるアミグルミ。
それはもう絶対に絶対に売れるわけがない。

誰も買うわけがないけど、結構作るの大変だったし、これくらいなら怒られないだろうと付けた値段は、1,500円と2,000円でした。(サルが一番手間がかかったので2,000円、それ以外は全部1,500円)

もしもこの時 一つも売れてなかったら、私はこのあとアミグルミを作り続けるどころか「あー楽しかったね〜」なんつって、この日以降キレイさっぱりアミグルミのことを忘れていたと思います。
そう、売れたんです。フニャフニャのアミグルミが。3つも。


あーそっか。
これまであまり意識したことがなかったけど、クリエイターってのはお客さんによって作られ、育ててもらうものなのかもしれないな。

その時のお客さんがいなかったら、アミグルミ作家の私は生まれなかったし、作品を買ってくれたたくさんのお客さんがいなかったら、15年も続けることは絶対になかっただろう。


これまでにお客さんのもとへ旅立っていったアミグルミたち元気ですか?
私は相変わらずマイペースで、最近noteを始めました。

アミグルミを作って送り出すまでが私の仕事だけど、そのあと君たちがたくさんたくさんお客さんを楽しませてくれてるとうれしいな。


omni-berry
https://omni-berry.com

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