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北園現代史 編集後記

編集後記というタイトルですが、北園現代史という自主制作のドキュメンタリーの感想とか意見とかを書きなぐるだけのものです。まだご視聴でない方はこちらから御覧ください。感想や意見等は「#北園現代史」で呟いていただけると制作陣が喜びます。尚、本編のスクショをSNSで上げるのはご遠慮ください。

軽く自己紹介

本作では主に3Dと編集を担当していました。もとは高校の映像研究部に所属していて柊祭(文化祭)では舞台監督とか司会決定ビデオの編集とかをやってました。
今回の企画者とはその伝手(?)でお声が掛かったわけです。

制作過程とか

先程述べたように自分は3DCGと編集のお手伝いをしていました。

本作の制作は3年生が主だったので受験が終わってから制作が始まりました。他の制作陣は私立文系とかで2月下旬から本格的にスタートしたんですね。自分は国立組な上、前期落ちたので後期まで参加できませんでした。(後期に受かったとは言っていない)

実は計画自体は受験勉強が本格化する前からあって3年に上がる頃にはもう聞いていた気がします。曰く「髪染め問題のドキュメンタリー作りたいよね~」くらいのノリで。実際自分もその時はここまで大きなプロジェクトになると思ってなかったです。
企画者のMくんは当時既に5分くらいの学校側の規制に関する映像を作っていたので、この話を聞いた時は精々30分くらいの、生徒と教員のインタビューくらいだと思ってたんです。受験が終わって、ひろゆきさんのインタビューの話や津田大介さんにインタビューする予定をきいて驚きました。津田さんもひろゆきさんも卒業生だとは聞いていたんですがある種の雲上人だったのでまさかと思いました。

自分は生徒の声でも出ているんですけど、インタビュー受けたのは前期終わってすぐで、後期の赤本を見に学校に行った時に受けました。もともと自分の考えをTwitterとかで書きなぐるタチだったのでMくんに喋ってよと言われてホイホイインタビューに答えたわけです。(後に編集で自身のインタビュー映像を見て悶絶することになるのでした…)

実際に制作に参加したのは3Dの制作からでした。北園紛争のCGを作って欲しいと言われて60年代の学校とかいろいろ調べてみて… Mくんが編集手伝ってと言うんで自分も編集に入るようになりました。編集とは言っても字幕入れがメインでしたが。字幕入れも聞き取って文字に書き起こしてタイミング揃えるのでなかなか手間なんですがまぁ単純作業です。取材と内容の編集は関わっていません。なのですごいのはMくんともうひとりのメンバーだと常々言ってるんです。

3DはBlenderを使ってます。最初はcycles renderで書き出すつもりだったんですが時間がかかり過ぎるので結局eeveeでレンダリングしました。受験で一年近く触ってなかったのでなかなか思い出すのに苦労しましたね。


 ※公開直前になっての延期は盗撮(法的には撮影だそうです、しらんけど)部分が問題になって、モザイクを強くしたりボイチェンしたりして更に機材トラブルで書き出しエラーが出たせいです。

 ※黒幕がいるんじゃないか とか 大人が入ってるんじゃないか とかたまに見ますが、制作に現役生(3月で卒業したけど)以外は関わっていません。

ホンへの感想

本当にすごいと思う。(小並感)
ここまでのものを作り上げることが出来るとは思わなかった。そしてこの作品に関われたことを誇りに思う。

構成的には一章では自由の歴史から紐解き、各者の意見(教員側は不十分だけど)を聞いて、卒業生の有名人に取り上げてもらう。校則の問題の専門家にも意見を貰ってた。2章ではかつての北園紛争に焦点を当てて自由の闘争の歴史を掘り下げ、最後に「自由」とは何か取材した全員の意見を持ってくる。
「自由」とは何か、「自由の北園」はどういうことか、生徒に考えさせ、社会にアピールするいい作品だと思う。

本作はずっと生徒側の「自由でありたい」ということに焦点を当てていて、生徒側の問題、例えば修学旅行で立入禁止のプールに飛び込む馬鹿がいたり、ハロウィーンの仮装して大騒ぎしながらガ○トに入った奴らだったり、自分の代ではないけど髪染め規制強化の発端となったらしい体育祭実行委員長が授業抜け出して髪染めした人だったり、枚挙に暇がないが、そういうものには触れていない。
この作品は北園の自由とは何か考えるいいきっかけとなると思うけど、生徒が自由を求めるだけだと「自由の北園」はただの北園動物園になってしまう。津田さんもおっしゃっていたけど、自治をしようという気風、そういうものもかつては自由とともにあったのだろうなと思ったし、それ抜きに自由を求めても認められるわけがない。

「自由の北園」は伝統だからといって無条件に認められるわけじゃなくて、それを守ろうと戦後脈々と続いてきたその時々の生徒の運動の成果だと思う。北園闘争然り、津田さんのおっしゃっていた自治のあり方然り、「自由」とは決して楽な方向ではない。


自由とは何か。自由を守るにはどうすればいいのか。もう卒業した自分達に出来ることは少ないです。ここからは在校生のターンです。学生内で自由について、北園の自由のあり方について十分に議論してもらって、行動を起こしてください。行動を起こした中で、つまずいたり我々OBOGの助けが必要になったら是非頼ってください。自分を含めて多くの卒業生は協力してくれるはずです。

この「自由」が伝統に昇華されるまでに長い間受け継がれてきた「自由の北園」の今のあり方を決めるのは在校生の皆です。応援しています。

本編の名言など

自粛の要請っていう、日本語として崩壊してますけど
  本編18分頃 安達桃子さん
すごい上手い言い方ですよね。近頃はよく聞きますけど本来おかしいじゃないですか、「自粛の要請」って。生徒に自分の理想を押し付けるけど形上は生徒がそれを選んだ形にするっていう。ずるいやり方ですよね。

「数で決まるのかなぁ?」
  27分頃 教員A
生徒会って生徒の多数意見を吸い上げる組織だと思ってたのでびっくりしました。

問題を先生-生徒だけじゃなくて社会を巻き込んで
  34分頃 ひろゆきさん
開いていくってことが重要
  39分頃 津田さん
思想的には対局にいらっしゃるお二方が同じようなことをおっしゃっていたのが印象的でした。生徒はやはり弱い立場なので社会という教員 学校より強い味方をつけることで「交渉のテーブルに引きずり出す」必要があるわけです。

自由ってのを自治で守っていかないと
  35分 津田さん
本作では触れてないけど生徒にも問題があることは忘れてはいけない。それを忘れてしまったらただのワガママなガキの集団になってしまう。

教育者としての心の問題なんだよ
  1時間7分頃 加藤さん
面白い言い方ですよね。心の問題。なるほどなぁ。

世の中には言っていいことと悪いことがあるって言うけどあれは嘘だよね、世の中には言っていいことと言わなくちゃいけないことのどっちかしか無い
  同10分頃 飯野さん
いやーカッコいいなぁ…。まさに名言ですよね。

自分が自分でいれるようにいる
  同12分頃 安達桃子さん
本当にこれ大事だと思う。取材の時に安達さんがおっしゃっていたけど体育祭の女装も「性的マイノリティの子が年に一度本当の自分でいられる機会だったのかもしれない」。いろんな見方があるのだなぁと自分の視野の狭さを再認識しました。

自分の中で矛盾を抱えないこと
  同13分 津田さん
安達さんと同じことですね。高校の間に、社会に出る前に「自由」な環境にいられるってすごい得難いことなんだなって。

いつでも物事を主体的に解決する
  同14分 金さん
文科省も主体性大事って言ってるのにね。

別に無秩序だっていいじゃないか
  同15分 飯野さん
ほんとこれ。秩序なんてものは自己を殺してまで守らなきゃいけないような大事なものじゃない。

名言ありすぎてめちゃくちゃ長くなってしまった…。拾いきれなかった言葉も沢山あるし是非皆で話してみてください。

自分の考える「自由」とは

自由というのは責任を背負うということだと思っています。自己を他者によって決定することなく選択を行い、自己の為したことの結果を言い訳することなく自身の行為の結果と認め、それを貫くことだと思います。

自由という言葉はもともと「自らに由る」からきているそうです。原因は私にある ということです。自らの芯を貫き結果を背負う そういうことが自由なんじゃないでしょうか。

現状でも髪をピンクに染めて授業に出ても自由です。その代わり教員に呼び出され怒られたり、あるいは規制が厳しくなったりするわけです。その結果まで背負う覚悟をもてる生徒はいないから普段は精々茶髪止まりですが。

(ひろゆきさんの「クラスの全員で髪染めしたらいい」というのはこの責任を分散する方策です。しかしなんの戦略もなくこれをやっても、クラス全員に処罰が下されることはなくても規制が強化され主導した数人に何らかの処罰が下されて終わるでしょう。)

学校はその生徒の自由を出来るかぎり認め周囲の謂れなき批判から生徒を守ってきた、それがかつての北園高校だったのでしょう。生徒と教員の間にある種の信頼関係があった、それは学生闘争の時代であってもそうあったのでしょう。

時代とともに社会規範も変わってきて昔のようにいかないことも多いでしょうが、かつてのように教員 学校と生徒の良き信頼関係が北園高校にまた戻ってきてほしいものです。



追記(4/11)

卒業生で北園高校の卒業生でもある津田大介さんのネット番組「ポリタスTV」で北園現代史を取り上げていただきました。既に有料になっていますが”Mくん”が制作秘話なんかを語っているので是非御覧ください。(取材には関わっていなかったので初耳だったことも沢山ありました。)



追記(1/7)

未だにぼちぼち閲覧者がいるのが謎です。皆様のおかげで再生回数は合わせて5万回を超えました。映画館で上映もされたようです。
さて、本題ですが、製作委員会のN氏が自分の言いたかったことを自分よりうまく言語化していました。良かったらこちらからお読みください。自分も受験終わったら一年後の整理としてそこら辺含めてまた書いてみようと思います。取り急ぎ。


大学生のおやつ代になります。

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