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さゆり奥様ストーリー【1】

休日、俺は和泉和希はいつもより早く起きた。

 寝室からリビングに出ると、妻がソファに座って本を読んでいた。

 昨日、紙袋と一緒にテーブルに置いてあった、流行りのドラマ原作のものだろう。

「おはよ」

 俺は妻に声をかけた。

「朝ごはん食べる?」

 俺が起きたのに気づいた妻は、本に栞を挟み、朝食の支度をするため、ソファから立ち上がろうとする。

「いや、子供たちが起きてからでいい」

 俺は立ち上がろうとする妻を止める。

「あらそう」

 妻はソファに座り直し、読書を再開する。

 読書に集中している妻をソファから立たせるのも悪いので、俺はインスタントコーヒーを淹れる。自分と妻のマグカップにそれを注いだ。

「ありがと」

 コーヒーと妻がよく食べているお菓子を一つテーブルに置くと、お礼の言葉を言われた。

 だが、これが夫婦喧嘩の発端になるとは思いもしなかった。

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