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2023年11月21日、日常

私は、いつも主語が「私」である。
自分のことをベラベラと話す。
これまで書いてきたnoteだってそうだ。

プライバシーなんて全くもって考えていないので、知り合いは読み終わったら知らなかったことにしてほしい。

今日もそんな私の日常の話をしよう。

弟(三人兄弟の末っ子)が帰省してきている。
推薦入試で大学が休みらしい。
弟は、実家が、地元が、大好きである。
サークルも授業も多少休んで、無理やり1週間の休みを作って帰ってきたらしい。
まだ大学に入って1年も経っていないのに、もう都会の暮らしは飽きたようだ。

そのため、私も実家に帰ってきている。父親は未だに鬱陶しいので、あまり実家には帰っていない。今住んでいる母方の祖母の家と車で10分も離れていないのに。

今日は朝から、弟と一緒に父方の祖母の家に行った。着いたよ、と電話すると、畑にいた祖母がわざわざ家まで戻ってきてくれた。

24歳にもなって、2000円の小遣いをもらった。
目の前で引いたばかりの大根、高菜と、みかん、柿をもらった。

その後、母方の祖母の家に行った。
祖母は相変わらずパチンコに出かけているので、私と弟で畑を耕した。石や根を取り除いて、肥料を撒いて、また耕して、均した。
母方の祖父が死んでから8年間、死に土地だった庭の畑は、みるみると蘇った。

太陽にあたりながら慣れない重労働をした私たちは、すっかり昼寝をしてしまっていたようだ。

そのため、本来行く予定だった父方の祖父のお見舞いに行けなかった。コロナがきっかけで誤嚥性肺炎が発覚し、一時危篤だったがどうにか息を吹き返した祖父は、それ以前から少しボケつつある。前回行った時は私のことを覚えていたが、その前は誰だかわかっていなかった。次もどうだかわからない。暫く会っていない弟のことは、すっかり忘れてしまっているかもしれない。

弟は、仕事を一瞬抜けてきた父親に連れられてインフルエンザの予防接種に行った。私は予防接種を打つと必ずインフルエンザになるので、毎年受けていない。

父親に「15:30には家にいて欲しい」と言われて15:00すぎには帰宅していたのに、迎えに来たのは16:00だった。予防接種の受付が16:00以降からだったらしい。父親の「良すぎる」段取りが、どうも私と生理的に合わない。そんなに焦らなくてよかったなら、父方の祖父のお見舞いにも行けたのに。心の中で悪態をついた。

父方の祖母にもらった野菜たちを調理する元気がなく、親子丼を食べたいという弟のリクエストに応えようにも肉も卵も家になかったので、また母方の祖母の家に行った。

野菜を預けて炊いてもらっている間に、私はシャワーを浴びた。私は実家の水圧の弱いシャワーが嫌いなので、実家で風呂はほとんど入らない。

髪を乾かしてキッチンに行ったら、ちょうど祖母が調理し終わったところだった。大根の煮物と、高菜の炊いたんをタッパーに入れて持たせてくれた。

少し回復したので、帰りがけにスーパーへ買い物に行った。弟は、「知り合いに会いたくない」と一緒に買い物に行くのを渋ったが、欲しいものをまとめて買っていきたかったので、無理やり付き合わせた。

案の定、高校時代の先生とバッタリ会って話し込んでいた。「もう転勤でこの辺の学校におらんらしい。会いたくない人ではなかったからよかった。」とホッとする弟に、田舎はしゃーないよ、と心の中で毒づいた。

親戚が毎年くれる手作りの味噌で作った味噌汁、父方の祖母がつくった大根と高菜を、母方の祖母が調理してくれてできた大根の煮物と高菜の炊いたん、そして私がつくった親子丼。

弟と2人で早めに夕飯を食べた。

弟とは一日中一緒にいても苦にならない。常にご機嫌という訳でもないが、適度に話しているし、適度にマイペースに過ごしている。

全くそんな必要はないのに、1階で一緒に夕食を食べたあと、同じタイミングで2階に上がり、各々勉強し、新しい炊飯器の使い方を教えるために一緒に1階に降りた。

明日の朝用のパンをつまみ食いして、また一緒に2階へと戻った。

しばらくして、会議で遅くなっていた父親が帰ってきた。

いつも勝手に部屋に入ってくる父親が、珍しくドアをノックしてから開けた。

「明日、お母さんの病院行ってくる。おばあちゃんと。」

母親は先週から遠くの病院に入院していた。本人は体調は良さそうだったが、妊婦のように腹だけ出っ張っていた。その検査入院のはずだった。

木曜日の祝日に、母親の退院祝いで少し高級な寿司屋の予約をとっている。

母親が今、どんな様子かはわからない。

ただ、主治医は今の詳細を教えてくれず、父親と母方の祖母を呼んだ。

弟が帰省している間に、母親は帰ってくるのだろうか。

以前、「内臓からの出血がみられる場合、延命治療をするかご家族で相談しておいてください」と主治医に言われたことを思い出した。

明日は、いつもより少し大切な仕事がある。

弟は、地元で就職した友達と食事に出かけるらしい。

弟は、少し小さな音でただひたすらTikTokを流し見している。

私は、ひたすらにnoteを書く。

1階から、父親がベランダのゴミ置き場にビールの缶を捨てに行く音がする。

弟は、「コンタクト外してくるわ」と言って1階に行ったきり、父親と話し込んでいる。

「お母さんの病院まで近いから、いつでも電車で行けるで」

そんなことが漏れ聞こえてきた。

私は明日の予定を手帳に書き込む。

「心配いらんよ」という父親の声が聞こえる。

母親から「大事な用事が木曜日にあるから、帰らせて」と主治医に頼んだと弟にLINEが送られてきた。

弟は、「お母さん大丈夫そうやよ。元気そうやし。」と言いながら2階に上がってきた。

私は、寝転がったまま「なるようにしかならんよ、」とだけ言った。

弟は、「うちの家族はほんまにようわからんなあ」と、苦笑いで言った。

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