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一人でも立ちたい

求めていた試練はこんなんじゃない。


今朝は特にひどい朝だった。いつもより少し早く起きて、朝食の準備。最近の定番化されたメニューはゆでたまご2個とコーヒー。部屋のケトルでお湯を沸かしながらキッチンでたまごをゆでるのはほとんどルーティンと化していた。今日もお決まりの軌道にのって一日を始める。

はずだったんだけどなあ。突然けたたましく鳴り響く鋭いベルの音。住人たちが部屋部屋からなんだなんだと出てくる。激しく耳を叩くその音は不快で不安をあおる。そういう風に作られているのだから当然と言えば当然だろう。人々に危険と非常を報せるもの。火災報知器が作動していた。

まさかと思って自室の報知器を確認してみる。信じたくないが、赤いランプが点灯していた。嘘だろ…電気ケトルを使っていただけだぞ…。窓は開けていたし、言われた通りの使い方しかしていない。しかし駆け付けた消防隊や大家、ほかの住人と話し、この部屋だろうという結論にいたった。

なんだかもう書きたいんだか書きたくないんだかもわからない。かなり落ち込みました。いや今も落ち込んでいます。自分に非がなかったとは言えないけど、でも別に悪いことはなにもしていない。

顛末をざっと書くならば罰金を払わなければいけない可能性がある。大家の話によれば、原因はやはり恐らくケトルのスチーム。これは自分の証言をちゃんと信じてくれたし、状況やCCTVを確認した結果からもそうだろうということになり、まあ不幸中の幸いというべきか。報知器自体は具合がよくないだろうということで近いうちに交換するとのこと。少なくともそれまではケトルは使わないでということ。言われなくも使わないよ!トラウマだもん!そして、罰金が発生する可能性があること。これはたぶん消防隊を出動させてしまったから。はっきり言ってかなりきつい。生活がギリギリな今の状態で、10万まではいかなくともそれに近い数万円相当が一気にとんでいく。実際払うかどうかや具体的な金額については通知がきたら知らせると言われた。判決を待つ被告人はこんな気持ちなのだろうか。せめて弁護人はつけてくれよ。


終始暗い気持ちで書いてしまっているのでここまで湿気がすごい文章になっていると思う。ここから晴れ間を見せられるほどカラッとした人間でもない。

ただジメジメ人間なりに、やっぱなんというか腹立つ。理不尽そのものに対する憤りみたいなものもあるがそれは言い出したらキリがない。そりゃあ生きてりゃ理不尽なことには何度だって遭遇する。なによりも、今折れそうでめそめそしている自分の心に腹が立つ。こんなもの求めてないって言ったら道は舗装されるのか?ちょうどいい塩梅の欲しい課題だけをこなしていたら強くなれるのか?都合のいい妄想を見に来たんじゃないだろ。今一度問い直してみろよ。どうひっくり返っても現実は現実なんだよ。目を背けるな。直視しろ。正面からぶつかっても倒れないたくましさが欲しかったんじゃないか。折れるな。戦え。投げ出さないでくれ。奮い立て。笑い飛ばせ。頼むよ。完璧じゃなくてもいい。泥臭くていい。かっこつかなくてもいいからさ。せめてくらいついてくれ。諦めないでくれ。なにもしないで萎れていく僕を見るのが一番嫌なのは僕だったじゃないか。


今日は鼓舞。負けたくない。

でもやっぱり、今日ははやく寝よ。



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