見出し画像

クリスマスキャンプ2

この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには、いっさい関係ありません。
大人な表現ありです。気をつけてください。

これまでのお話

知里やレンを含む若者のボランティア団体の仲良し約15人がクリスマスキャンプに行く。

知里とレンは同い年の幼馴染だ。
レンは知里の事が昔から大好きだったがお転婆な知里はそれに全く気づいてなかったが、キャンドルファイヤーの司会進行役で出て来たレンの姿を見て知里は雷に打たれるがごとく恋に落ちた。

その後風呂場にて2人は鉢合わせになり…。

知里サイド
まさかまさか、予想外の事ばかり。

私は風呂場の引き戸に手をかけながら固まっていた。

これまでの事が鮮やかに甦る。

レンとの何気ない、無邪気でいられた楽しい時間はもちろん、友達からいろいろ聞かれていた事も。

私は男女問わず生脚が綺麗なアイドルが大好きで、コンサートにもよく友達と行った。ちなみに私も時々ミニスカートや短パンをはく。

レンも思春期を超えてからは肌の露出はかなり減ったが、2人で会う時にごくまれに膝上30cmくらいの短パンをはいてきた。
その時は、「あれ?最近あまり見かけてなかった服装だな。」
くらいにしか思っていなかった。

ところが先程の彼のミニスカートのサンタクロースを見て魔法にかけられてしまうなんて。

美香子や佳に、
「レン君とは本当に何もないの?あなたの好みだと思うし、お似合いだと思うけどなあ。」
と何度も言われていた。

私は
「そう?」
と返していた。

ところが2年前から何かが心に棲みついてモヤモヤしてきたのだ。
大学受験が終わる頃
レンとお茶をしていた時、彼から緊張した様子で、
「知里って…好きな人いるのか?」

と聞かれたのだ。正直言ってドキリとした。
「えらい唐突やね。分からない。だけど多分…居ないかな?でも好きな人か…これまで全然興味無かったけどな…。でも将来はお互い好きになった人と結婚したいな。」

「そうか。良い人が現れれば良いな。」
「うん。あなたにも是非現れると良いね。」

という会話をしたのだ。

レンとその日バイバイした直後、何故か雪の降る中泣けて来たのだ。

その日、夢の中でレンから結婚式に呼ばれる夢を見た。綺麗なウエディングドレスを着た女性の手を引きながら私に手を振り、光の中に消えていったのだ。

私は必死に引き止めていた。
「行かないで!」
と叫びながら。

朝目が覚めて、なんか変な夢を見たなと感じたのだ。でもマジで涙で枕がびしょ濡れだったのだ。
レンと?
いや無い無い!アハハ
ととりあえず明るく笑い飛ばしてみたがモヤモヤは消えなかったのだ。

そこからも私はレンと友達同士だった。

我に帰り、私は風呂場の中に入って行った。

レンがこちらに背を向けて体を洗ってシャンプーもしている。

私はガチガチに緊張しながらも申し訳無さそうに湯船につかった。レンとはかなり離れた場所で。

すぐにレンはキョロリと私を振り返ってゆっくり近づいて来た。そして隣、至近距離で湯船につかられた。

「どうした?待っていたぞ。」
彼はハキハキしながらも少し熱っぽい声で話しかけて来た。

もうきっと今までの2人には戻れない…。

レンサイド

知里が風呂場前の扉で5分くらい固まっていた。

そりゃあそうか…
やはり風呂を誘ったのは悪かったか?
このまま寝る部屋に帰られたらどうしよう…。

この後気まずいだろうな…。

きっとこれまでのようには仲良く出来ない気がする…。
しかし俺が蒔いた種だ。
何とか挽回するしかない!

その場合まずはちゃんと非礼を詫びよう。

半ば俺は諦め、かえってスッキリしていたが、神様は見ていたのか?
風呂場の引き戸がゆっくりと申し訳無さそうに開いたのだ。

そして知里が入ってきたのを確認出来た。
ゆっくり近づかないと警戒されるな。

俺は2年前、告白に失敗している。

「あなたにも是非素敵な人が現れると良いね。」
とあっさりかわされたのだ。

そして時期尚早と判断し、告白の言葉を飲み込んだ。
進展し無さ過ぎてイライラした事もあった。

知里のバカ!なんて鈍感なんだ!
俺の気持ちに気づかないにも程があるだろ!

と何度か思っていた。

しかしながら今夜は絶好のチャンスが来ている。

裸の付き合いなんて何年振りだろう。

「どうした?待っていたぞ。」
少し俺は近づき過ぎたのか?
知里は後退りした。

これ以上押すとマズいな。

作戦変更で、俺は先に上がる事にした。
「後で良ければホールのクリスマスツリーの近くに来てくれ。待っている。ゆっくり入っていてくれ。」

知里サイド

レンのお尻を間近で見た。
プリケツで申し分無く、やはり御御足も最高だ。

レンが居なくなり、私は広いお風呂に1人入っていた。

何だか寂しく、オレンジ色のライトも少し古いのか、あまり明るくないのだ。

ブロロロロ…
大きなグレーの換気扇が容赦なく激しく回っている。

何だか不気味だし、それ以外は静か過ぎた。

私はちゃっちゃと体を洗い、シャンプーを終えてパジャマに着替え、急ぎ足で風呂場を後にした。


行かないと。2階の風呂から階段を降り、彼が待つ1階のホールのクリスマスツリーの所に私は急いだ。

近くに行ってみると暗闇の中、床に置かれたランタンが優しい光を放っていた。

ミニスカートのサンタクロース姿のレンが光を受けて見えた。
色気が溢れていた。

「レン…お待たせ。」
「知里…来てくれてありがとう。呼び出してすまない。君と一緒に居たい。ダメか?」
「良いけど寒くないの?」

私は彼の姿が好きだが、風邪を引かないで欲しいのが一番だった。

「大丈夫。毛布、持ってきてるぞ。」

レンはクリスマスツリーに隠れた大きな毛布を出して来た。

「準備良いね。」

レンはクリスマスツリー前に座り、
「横に座ってくれ。」
と、手で隣の床をトントンと軽くたたいたのだ。

彼は自分と私に大きな毛布をかけた。

心臓が破裂しそうなほどガンガン鳴っている。

私、どうなるの?

他の人なら私、怒鳴ってしまうか手が出るだろう。
「何をするんだ!」
と。

しかしながら怒りどころか、素直に従ってしまったのだ。

レンはクスッと嬉しそうに、セクシーに微笑んだ。

ゆっくりゆっくり2人の思い出話をしたり、未来を語り合ったり。

この時間、終わって欲しくなかった。

少しずつ少しずつ私の身体の中心が甘く痺れ、下着がしとしとと濡れて来た。
彼も同じか?赤くなりとろけそうな表情をしている。私もかな?エッチな気分になっていった。

ムラムラする…
だけどこんな所でやるわけにはいかないし、私は結婚するまではそんな事しない。

だけど凄く幸せだった。
2人の熱が合わさってぬくぬくぬくぬく…
こたつの中みたいだったし心も満たされていった。きっと私はこれが欲しかった…。

レンサイド
知里とは学校も同じで毎日のように会っているし、やり取りもしている。

今夜は凄い進展だ。
奇跡だ。神様はいるな。

知里はホールのクリスマスツリーまで来てくれた。
話題は尽きなかった。
次から次へ時間を忘れて喋った。

だんだんお互いの熱で毛布の中が熱いくらいになり、我に帰ったのだ。

俺も男だ。
知里には恋愛を始めても結婚するまでは最後の行為はしないようにする。

知里の両親は鋭く怖いから昔から苦手だ。
知里は優しい子だが嘘をつけないのだ。
それが良いのだがな。

そんな事で知里が怒られるのは可哀想だし、ましてや交際を反対されたら大変だ。
知里とは真剣に将来も考えているからな。

だがいつまで理性が持つか。
「レン…触っても良い?」
知里は案外スケベで俺の尻や脚を触って来るのだ。

「うふふ…」
知里の聞いた事のない妖艶な笑い声。

俺も
「触って良いか?」
と知里の身体に触れたが。

大事な所が固くなり、限界を超えている。

ついに知里を押し倒し、覆い被さってしまったのだ。

「きゃあっ!」
しまった…

知里は軽く俺の胸を押し、
「ごめんね。」
と言ったのだ。
確かにこんな所でやるわけにはいかない。

「こちらこそごめん。」
知里は許してくれた。

大事な所は勢いを失わなかったがコントロールしたのだ。

そして極力落ち着いて、
「ずっと昔から好きだった。お付き合いしてくれますか?」

「はい。もうこんな事してるもんね。もちろん私もあなたが好きです。幸せです。」

何と知里から熱いキスをして来たのだ。
そこから何度も何度もキスを繰り返した。

俺の大事な所も完全に限界を迎えてしまったのだ。

その後2人は密着したまま眠りにつき、気がつくと朝だった。

「おはよう!」
口々に声をかけられる。

「わっ!」
俺は知里を起こし、知里も驚いたのだ。

一緒にクリスマスキャンプに参加したメンバー一同が笑顔で集まっていたのだ。
みんな拍手で祝福してくれたのだ。


20年生きて来て一番嬉しくて恥ずかしいクリスマスプレゼントをもらった。

エピローグ

やがて時間が来て、帰路につき、解散。

テンも
「お前ら仲良くやれよ!」
と。

美香子や佳も
「おめでとう。」
と。

知里もレンも帰宅したが、寝ても覚めてもお互いの事が離れず。
夕方になり1番星を見て、知里はたまらなくレンに会いたくなり、家を出た。

何とレンも近くまで来ていたのだ。

昨日は入浴後で冷えたくないから諦めたが2人で星空を見たかったのだ。
近所の山にある展望台に星を見に行く事にしたのだ。

いつまでも同じ道を歩けますように。
お互いに流れ星に祈りを込めた。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?