小道碧音

小説家になることが夢で初めて見ました。よろしくお願いします

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死にたがりの君と殺したがりの僕 1

二〇二四年四月 「これから先の未来にな。男と女という性別とは別に生きたがりと死にたがりという人間が出てくるからな。」 「それはみんな、わけられるの?」 「皆かもしれんな。」 小さな男の子の問いに対して、にこやかに答える老人。はるか先の未来の話を五歳の男の子に話している。 「お爺ちゃん、またその話?飽きないね。」 キッチンの方から話すお母さん。 「瑛太に話したのは初めてだ。飽きないよな。瑛太。」 「おじいちゃん。もっと聞かせて!」 無邪気に祖父の言ったことを純

    • 記憶違いの恋

      記憶喪失なんて、物語だけに存在すると思っていた。この日までは。 二年前。高校二年生のこと。幼馴染の長塚美愛は交通事故にあった。運転手は飲酒運転だったそうだ。正直、運転手の状態なんてどうでもいい。今、気になるのは美愛の状態だ。美愛は夜の九時に塾が終わり、その帰宅途中で事故にあった。美愛は、脳の損傷が酷く、目を覚めないかもしれないといわれたいた。もし、目が覚めても後遺症はあるだろうと。俺は、美愛の両親と幼馴染そして、美愛の彼氏である笠原駿太と美愛の手術が成功することを祈っていた。

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