教師が教師のために送り続けたメッセージ

はじめに
私が中学校の教師として初めて就職したとき、職員室に二十代の教師はほとんどいませんでした。採用の倍率も高く、同じ職場に同期がいないのは当たり前。さらに三十代、四十代の教師も十人いればよい方といった状況でした(全職員で三十人強)。五十代の教師に囲まれた二十代の若手教師は否が応でも学ぶことが多く、悪戦苦闘しながらも気づけば様々な知識や経験が身についていました。
あれから十数年。私に様々なノウハウを伝授していただいたベテランの教師たちはみな現場を去り、数少ない当時の三十代、四十代の多くは管理職(校長、教頭)になりました。現場に残った教師の多くは大学卒業したての初任者や教師経験5年程度です。私は三十代前半で学年を任される立場となり、今は学校全体の教務を任されています。団塊の世代が現場を去り、OJT(On the Job Training)が叫ばれる中、私自身の知識と経験が少しでも役に立てばと、メッセージを送り続けました。
本内容は現役の中学校教師が現役の中学校教師に向けて二年間メッセージを発信し続けてきたものです。一人でも多くの先生方の役に立てばと思う一方、学校関係者以外にもぜひ手に取って読んでいただきたいと思っています。学校という社会は案外閉鎖的で、先生方が何を考え思っているのか分からないという保護者や地域の方も多いと思います。学校の先生が日々どのような問題を抱え、何を感じているのか、読んでいただければきっと、学校や先生たちがより身近に感じられるはずです。教育に関わる全ての人たちに、この記事が一助となれば幸いです。

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