百合絵

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百合絵

*essays✳︎ ✒︎日記エッセイ・・日々の雑記 ✒︎ゆりエッセイ・・美術展感想、ニューヨーク、旅、食べものについて、考え、気づき色々…🖋️

マガジン

  • ミルクコーヒーを一つ《日記エッセイ集》

    人に言うまでもない日々の営みや、とりとめなく考えたことや感じたことを記録に残しておきたいと思い日記を始めました。日記を書く時間が、毎朝のミルクコーヒーのように大切な習慣となりますように。

最近の記事

【アート感想】雨の日の室内みたいな~アレックス・カネフスキー「The Battle of Shahbarghan-シャバーガンの戦い」

 どうしてだろう。ここは不思議に居心地が良い。  「不思議に」というのは、ここに展示してある絵画は、一般的に綺麗だとか癒されるという類の絵画ではなく、静寂の中にどこか不穏な空気を纏っているからだ。  仮にそれぞれの絵が映画を構成している何万コマもある画像の内の一つだとして、普通ならこの後に何かしらのハプニングや変化が起きそうなものだが、これらの絵はこの先物語が展開していく雰囲気があまり感じられない。途切れる気配のない分厚い雲のようにずっと同じような場面が淡々と続いていきそう

    • 4月21日【続】豊洲の焼き肉屋でお金について考える

       前回の焼き肉屋での注文時。そこでの一幕をお話したい。 *  事前にネットでリーズナブルな店であるということを知り、ただ漠然と(焼き肉屋の相場もよく分かっていないまま)安いと思い込んでいたせいであろう。席に座りメニューを見るやいなや、あれ・・思ったより高いかも・・と内心ざわざわしだした。  そんな私の胸の内など知る由もなく「お腹すいた~。とりあえずこれとこれとこれは頼むとして~・・あとは~・・・」とサッサと注文を決めていく焼肉大好きマンの夫。思わず、「え?そんなに頼むの?」な

      • 4月21日 豊洲の焼肉屋

         例の焼き肉屋に行ってきた。  豊洲駅からバスで5分くらい。豊洲駅とほんの目と鼻のさきなのに、橋を渡った先は全く別の街のようだった。ずらりと都営住宅が立ち並んでいるが人気はほとんどない。降りたバス停の目の前は朝鮮学校だった。    そして本命の焼肉。本当に本当に美味しかった。まず驚いたのがタン塩のぷりぷりさ!歯の治療中でも噛める!私は焼肉が好きなのだが年々量を食べられなくなってきている。特にカルビだとか脂が多いものはうっ・・と気持ち悪くなってしまう。だから一番好きなタン塩を一

        • 4月16日 春は臭いよ

           散歩から戻ると何やら臭う。服や髪の毛からほんのりと。そして何より自分の肌から・・。きっと外のにおいが染み付いてしまったのだろう。「自分が臭いよ~」と嘆く私をくんくん嗅いだ夫が”YOU GO BATHROOM!”とデタラメな英語をふざけて、でも重々しく言い放った。  最近暖かくなってきた。  空気がぬくぬく緩んできて気持ち良い半面、春ほど外気が臭う季節もないと思う。  以前ニューヨークに住んでいた頃、アパートの前が犬たちのマーキングスポットになっていた。暖かくなった途端に

        【アート感想】雨の日の室内みたいな~アレックス・カネフスキー「The Battle of Shahbarghan-シャバーガンの戦い」

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        • ミルクコーヒーを一つ《日記エッセイ集》
          29本

        記事

          4月11日 豊洲は広いな大きいな

          昨日たくさん歩いたからか、朝から足が痛い。 昨日は用事があり豊洲へ行った。 割と近所に住んでいるものの普段はららぽーとくらいしか行かない上、バスでそこまで直行してしまうので実は駅前に降り立ったのは昨日が初めてだった。 豊洲でよく見るニョキニョキ竹のように伸びている高いビルもマンションも鳴りを顰め、駅前はラーメン屋や飲み屋がまばらにある程度。ららぽーと界隈のカフェでおしゃべりに興じている犬連れのご婦人方も見かけないし、たまたまだったのかもしれないが道を歩いている人もまばらで、

          4月11日 豊洲は広いな大きいな

          ゴッホと静物画展—伝統から革新へー【ふたつのアイリス】

          【ふたつのアイリス】  1890年5月、まもなくサン=レミ=ド=プロヴァンスでの療養生活を終える頃、ゴッホは2点の《アイリス》を描いた。 ひとつは1月21日までSOMPO美術館で開催されていた展覧会「ゴッホと静物画展」目玉のひとつである黄色を背景とした《アイリス》である。 そしてもうひとつはニューヨークメトロポリタン美術館所蔵の淡いピンク色を背景とした《アイリス》だ。 同じ花が主題の絵画にも関わらずその印象は随分と違う。  ひとつめの《アイリス》は、凛々しく男性的だ。

          ゴッホと静物画展—伝統から革新へー【ふたつのアイリス】

          Interface of Being 真空のゆらぎ《感想》

          《12月21日》 ダンサーによる展示空間のパフォーマンスを見てきました。 前回訪れた際は、壺のようなボーリングのピンのようなつかみどころのないこの作品をうまく咀嚼できなかったのですが、作品の前でパフォーマンスをするダンサーを見て、イメージが踊り出すような、様々な思考が頭の中を駆け巡り始めたのです。ダンスの力はすごい! それはダンサーが空気をパンパンに入れたビニール袋を紙ふうせんに見立てて遊んでいたシーンで、急にパンッ!と袋を破裂させた時でした。その瞬間ふと、作品が原爆投下

          Interface of Being 真空のゆらぎ《感想》

          新たな生 : チェジェウン展

          この無数の白い物体、一体何だと思いますか? ・ ・ ・ ・ 答えは死珊瑚です。 全て沖縄から運ばれてきたものを消毒して展示しているそう👀‼️ 一見すると白っぽく見えますが、近づいて見るとまだ茶色のものもあったり、個体によって茶色の濃さが違うことに気付きました。珊瑚は亡くなると時間をかけて徐々に茶色から白色化してゆくのだということも、この日初めて知りました。 上野写真で何やらキラキラ反射しているのは、砕け散った鏡です。エルメスフォーラムの担当者の方曰く、鏡は実際にアーティ

          新たな生 : チェジェウン展

          横尾忠則 寒山百特展

          〈横尾忠則 寒山百得展〉 ・東京国立博物館 ・会期12月3日まで ※以下感想です。 ————————————————————————— 「この絵、どこかで見たことあるような👀??」 エドゥアール・マネの「草上の昼食」(※写真2枚目)に少し似ているような気がしませんか😊? 私には、彼らがラグの上で秘密のピクニックをしているように見えます。画面奥に見える桃色の空がここが現実ではないことを示唆しているようです。光溢れる草原や青の花畑(池かも?)は桃源郷のようにも、アダムとイブ

          横尾忠則 寒山百特展

          横尾忠則 寒山百得展

          〈横尾忠則 寒山百得展〉 ・東京国立博物館 ・会期12月3日まで 伝統的な絵画主題である「寒山・拾得」と呼ばれる2人の詩僧を独自の視点で再構築し描いた絵画102点が公開されています。 ※以下、感想です。 —————————————————————————— ゴンドラに乗る寒山拾得 悪ふざけする寒山拾得 女性に甘える寒山拾得 ゴッホに会う寒山拾得 etc… 自由な解釈が面白くて、思わずくすっと笑ってしまうような絵もたくさん🤭 横尾さんの描く寒山拾得を見ていると、彼

          横尾忠則 寒山百得展

          百合は夜

          百合には夜が似合います。 暗闇の中にぬぅと現れる白い肌に、蜜で濡れそぼった突起。俯きがちな視線も腰をくねらせたような茎も、さながら女体のように見えます。 その官能的な様子から、以前は百合が娼婦のように見えていました。どうして聖女の象徴なのかしら?なんて疑問に思ったり。 感じ方が変わったのでしょうか。今は娼婦ではなく、健気な市井の娘に見えます。切実に誰かとの愛の交わりを求めているただの女に。そのために彼女は自身の蜜をつまびらやかにみせているのではないかと。 娘が切なげに蜜

          【アート感想】DAWN〜kind of blue〜山崎美弥子展

          山崎さんはハワイのモロカイ島に住むアーティストだ。一昨年だか昨年か前回日本で個展をされた際(hpを拝見すると毎年個展をされているとのことでした)に私はニューヨークにいたため行くことが叶わず、残念な思いをした。念願叶って今回の個展に来ることができてとても嬉しい。 表参道のビルの中だというのにまるで自然に抱かれているような心地の良い空間。ひっそり忍ばせてあるスピーカーから波の音が聞こえリラックスするからなのかつい長居してしまう。 【感想】 山崎さんの描く自然風景は色あいがとて

          【アート感想】DAWN〜kind of blue〜山崎美弥子展

          日記 9.30.2023 【祝】一ヶ月!

          今日で9月も終わりですね。 コツコツ日記のようなものを書き始めて今日でちょうど一カ月になりました。 実を言うと、一ヶ月前、本当はエッセイを書きたかったのです。書きたいネタもあった。けれども全く筆が進まない状況が続いていました。それは、「しっかり書かないと」や「人からの評価がほしい」等の意識が大きくて、エッセイを書くことに対してかなり自分の中のハードルが高くなってしまっていたのです。頭も心もガッチガチだったのです。(そりゃ書けんわ。) なので、三日坊主でも良いからともかく人

          日記 9.30.2023 【祝】一ヶ月!

          日記 9.28.2023 1日の終わりには自分をホメホメして眠ろう

          今日のホメホメ日記(自分で自分を褒めていくスタイル!) ・自分を守るために嘘をついたことを許すことができた ・家族に感謝の気持ちを伝えることができた ・あー眠い寝落ちしそう…と思うほど今日はよく働き、社交をした あぁ、よく眠れそう。 おやすみなさい。

          日記 9.28.2023 1日の終わりには自分をホメホメして眠ろう

          日記 9.27.2023 彼岸花

          彼岸花は種でなく球根から生えるのだと、今日初めて知りました。 球根には特に強い毒性がありますが、同時にデンプンも多く含んでいるため何度も水にさらせば食べられるそう。そのため昔この辺りでは(祖父の家は福島)休閑地に非常食として彼岸花を植えていたのだとか。 また、彼岸花の毒性を利用して田んぼのあぜ道に植えることで、モグラやネズミから米を守っていたそう。 お墓の近くによく彼岸花が咲いているのも、モグラから墓を守るための知恵なのだとか。特に昔は土葬だったので墓に彼岸花というのはとて

          日記 9.27.2023 彼岸花

          【旅行記】十勝・池田町のワイン

          日本最北の地、北海道の東に位置する十勝地方。 冬はマイナス20度にもなるという極寒のこの地が、今や全国でも指折りのワイン生産地となるなんて当時誰が想像できただろうか。 ✴︎ 1952年、十勝沖地震発生。そこに追い打ちをかけるように、その後度重なる冷害が池田町を襲い税収が激減。町は破綻寸前まで追いこまれました。 そこで立ち上がったのが 当時37歳の新市長・丸谷金保氏と6人の青年たち。 ある日、野山に自生するヤマブドウを見た丸谷氏。「ヤマブドウが実る土地ならばきっとブドウも

          【旅行記】十勝・池田町のワイン