食わず嫌いはもったいない!真面目×エロのキャラ設定が光るコメディ【武士スタント逢坂くん!】
【あらすじ】
今回ご紹介するマンガは「武士スタント逢坂くん!」。最近読んだコメディ作品の中で、ピカイチに笑えました!
作者のヨコヤマノブオ先生は、本作が初の単行本化作品だそう。
主人公が江戸時代から現代にタイムスリップしてマンガを学ぶというコメディーで、あらすじはざっくりこんな感じです。
↓
【魅力①安心してください!女性でも読めるエロですよ!】
本作のテーマはマンガですが、逢坂君の本来の専門は「春画(Hな絵)」です。なので作中でもお色気要素がバンバン登場するんですが…
淑女の皆様、どうかご安心ください!
この作品に登場する下ネタは生々しくないので、女性も抵抗なく読めます!
だから、食わず嫌いせずにぜひ読んでみてほしいのです!!!!(全力)
なぜ生々しくないかというと、じつは逢坂君、春画師というエロのプロにも関わらず童貞だから。
女体やエロに興味はありまくりだけど、未体験ゆえ、その欲望はあくまで妄想(ファンタジー)。
例えるなら、中学生男子が河原で拾ったエロ本を読みながら女性の裸に淡い夢を抱いている…
そんなピュアっピュアなエロなのです。
だから、個人的には女性の立場から見てもあんまり気持ち悪い感じはない。
むしろ、「あんなフィクションで盛り上がっちゃって、男子って子供ね…。ふっ、かわいい。」みたいな、ほほえましさすら感じます。
(まあ逢坂くんはこれに加えて妙な性癖をこじらせている節はありますが、全力でこじらせすぎてて、そこももはや笑えます。)
【魅力②成長物語×笑いのバランスが秀逸!テンポよく読み切れる】
コメディー作品は笑いに走りすぎるとストーリーがなかなか進まず中だるみしたり、逆にストーリー展開に寄せすぎると笑いが物足りなくなったりしますよね。
でも本作はそのバランスが絶妙で、笑いをたっぷり盛り込みながら、逢坂くんの成長を軸に物語が軽快なテンポで展開されていきます。
(作品自体も全6巻と程よい長さなので、ハマると余裕で一気に読み切れちゃいますよ!)
この成長物語と笑いという要素を両立させるカギは、逢坂くんの絶妙なキャラクター設定にあると感じました。
まずキャラの土台としては、逢坂くんは江戸時代の武士らしい、芯の通った真面目な男です(変態だけど)。
だから、マンガや仲間に対していつも全力。
作中でも、効果線やパースといった作画の基本技術を身につけるべく体を張って試行錯誤したり、マンガで周囲の人の恋路や人生を助けるべく奔走したりと、彼の成長過程がしっかりと描かれています。
そこに笑いをもたらすのが、
「江戸から現代にタイムスリップ」
「童貞をこじらせたがゆえの、女体を描くことへの異常な憧れ」
というパンチ力ありすぎな設定。(作者・ヨコヤマ先生がこの神設定をどう思いついたのか、マジで知りたい…‼︎)
土台の真面目さにこのぶっ飛び設定が重なることで、彼にとっての全力の頑張りが、周囲からすると仰天行動のオンパレードに…‼︎
結果的に、成長物語と笑いが見事に両立されていくのです。
粗相があればすぐ切腹でお詫びしようとするわ、
絵に夢中なあまり女性編集者の前で本人をモデルに春画を書き出すわ…。
成長したいという純粋な気持ちが産む、1ミクロンも狙ってないからこそ出る予想外のボケの数々。嗚呼、無知って、純粋って、笑いにおいて最強の武器なのかもしれません…。
加えて、そんな暴走列車・逢坂くんに放り込まれるツッコミや重ねボケが全てキレッッッキレで、笑いのスピード感をさらに加速させてくれます。
さらにさらに、普段は逢坂くんに隠れているほかのキャラもなかなかのクセ者ぞろい。
逢坂くんにツッこんで終わりと思いきや、予想外のところから新たなボケが放り込まれてきて、
コンビ・トリオ・ガヤ芸…と色々なスタイルの笑いが小気味よく重ねられていくのがたまらない!
絵柄も、初見だと「ちょっと劇画調でクセがあるかも?」と思う方いらっしゃるかもしれませんが(実は私もそうでした笑)、
読み進めていくと、躍動感あふれる絵柄がテンポの良いストーリー展開と逢坂くんの全力突っ走り具合に絶妙にマッチ!
読み終わる頃には、この絵柄以外の逢坂くんって考えられなくなってしまいます。
(ちなみにドラマ化された際、実写版の再現度が高くて震えました…!気になる方はぜひ実写版もチェック!)
いかがでしたでしょうか?
頭をカラッポにして笑えつつ、逢坂くんの全力さにしっかり元気と勇気をもらえる、とっても読後感の良いマンガです。
ぜひ読んでみてください!
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