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当たり前って、なんじゃろな

ふと思い出しんだけど。

高校生のとき、私が所属していた部活のA先輩に彼氏がいた。彼氏さんと私は知り合いでもなんでもないけど、部活が長引いた日は部室の前で静かにA先輩を待ってるような人で、私も一応、顔だけは知っていた。

ある日、部活のメンバーたちとの雑談の中で、A先輩と彼氏さんについての話題になった。なんでも、2人のデートの予定はすべてA先輩が考えていて、彼氏さんは毎回ついていくだけらしい。

「先輩ばっかり準備させられてかわいそうな気がするんですけど……文句とかないんですか?」と、同級生の1人が尋ねると、A先輩は「全然ないよ」と答えた。

先輩によると、2人が付き合い始めるときに、彼氏さんから自分はリードするのとか得意じゃないんだけどそれでもいいかと言われ、A先輩が私がリードするから大丈夫! と答えたそうで。そのときにデートなどの予定もA先輩側が考えるという決まりになったらしい。

同級生は、何それひどくないですか!?とますます怒ってたけど、A先輩は、計画立てたりするの好きだから楽しいしこれでいいんだ~、と笑っていた。たぶん、心の底からの笑顔だったと思う。

実際、私が端から見ている限りは、2人はとても仲が良さそう。

その様子を見ていた私は思った。

男がエスコートしなきゃとか男がリードしなきゃとか、当たり前だと思われてるそういうのって都市伝説なんじゃね? と。こうあるべきとか、普通はこうしたほうがいいとかを、私は信じすぎていたのかもしれない。

だって先輩と彼氏さんは2人なりのやり方でうまく付き合えてるし(もちろん他人の私が知らない喧嘩とかもあったかもしれないけれど)。

それから私は世の中の当たり前をとりあえず一度は「本当にそうか?」と考える癖がついた。「普通の人は」とか「女は」とか「男は」とかもあまり言わなくなった。

なんだかんだで恋愛に限らず生活のあらゆることにおいて、「当たり前は当たり前じゃないかも」とつぶやきながら生きている。

もう連絡先もわからんけど、私にこんなに影響を与えたA先輩…改めて考えるとマジすげえっす。

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