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私の創作徒然記

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写真・絵画・版画・コンピューターグラフィックス・・・これら素材と技法を横断しつつ出現していった作品の軌跡をその想いと共に辿り語る。
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竹林

竹林

千葉県北部、下総台地に生まれ育った私の身近なフィールドには竹林が沢山あった。竹林はあって当たり前ながら、特に竹に纏わる色濃いい思い出という程のものでも無く、やがて故郷も離れ時々目にすることがあれば、あっ、あるね、ぐらいのものだった。

東京を経て、その後長く長野県蓼科高原に住むがそこは標高1500mの高地、竹が自生している訳もない。あるのは熊笹、葉が竹よりは大きいが似ているので、お前も同じ仲間かよ

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紫陽花

紫陽花



私は今まで花の絵を描いたことが殆どない。カメラを様々な被写体に向けても花に向けるのは稀であった。何故か、しかし単に物の好き嫌いを述べて、お花愛好家の方には聞く耳持たぬで終わってしまうが如きつまらぬ文章になるのは避けねばなるまい。

薔薇・チューリップ・菊・カーネーションなど、どれもお花屋さんの代表選手だし、その美しさは一目瞭然&天下一品だ。どれも派手で目立つので、それ以上表現で何かを付け加える

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木の葉

木の葉



枯葉と呼ぶか、落ち葉と呼ぶか、それによって人々が抱く情景はそれぞれ趣が微細に変化するであろう。風に舞う枯葉は可憐さと儚さを誘うように・・・散策で踏みしめる落ち葉はまるで伴奏者の肌触りのように・・・

新緑と紅葉はどちらがお好きですか? と尋ねられたら、私は嬉しい悲鳴を挙げるに違いない。どらも感動ものだが、人の心に二通りの感情を懐かせる。それはわざわざ私が言葉を費やさなくても、春と秋に木の葉から

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最後の輝き

最後の輝き



日本古来の美術には、水墨画など侘び寂の系統と、琳派など金色極彩色の系統のものがあるように、否、そういう対局の概念もあるとしよう。千年も昔の仏像も最初は極彩色だったようだが、今日では侘び寂の佇まいを呈するものも多くある。ここで経年変化の科学的な話しなどをするつもりはないが、正直言って、今作られたような極彩色の仏像よりも、経年変化後に魅せる美に惹きつけられてしまうのは何故だろう。

枯葉や人物をモ

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