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「ベテランの上司がクソ」だと感じている人。クソじゃない理由教えます。

今日もお仕事お疲れ様です!アトツギ3代目の経理兼人事のおまゆです。現在弊社の経理として、上司(78歳!元気なおばあちゃん(祖母))から、みっちり仕訳を習いながら、日々勉強をしています。

もともとは人材系平均年齢26歳(か25歳か忘れたけどとにかく激的に若者集団)での採用のお仕事→教育委員会関連で18歳~65歳という多様性豊かな集団とのお仕事
をさせて頂いてました。
※社歴や葛藤が気になった方は是非こちらの自己紹介を見てくださると嬉しいです!

こういう経緯もあり、いわゆる『ベテランの社員』さんと仕事をさせてもらうことが前職でもありました。

私が心から尊敬する上司K根さんは65歳で、当初私は25歳。もう一人の上司は61歳。世代間ギャップを通り越して、お互いに時空を超えております。

かつての若おまゆは「なんでこんなことまだ紙に書いてんだよおお、、、!」「いちいち電話しなくてもメールでええやろお、、、!」

みたいなことをいちいちご本人に伝えるようなタイプで、先日の退職に当たる壮行会の時、たくさん頭を悩ませていたことを再認識させていただいたりと、、それはそれはお粗末な出向社員でございました。

でも、K根さんは、そんな私を見捨てずに向き合ってくれ、☝このようなことについても、ブイブイしてたよね~笑と笑って流してくださり、おかげで引きずらずに生きております。

今この記事を読んでいる人は、ベテラン社員に悩んでいる方が多いでしょう。私も仕事が思った速度で進まなかったり、悩むことがあります。
なんか怒られることが多かったり
そんなん’普通やろ"とか言われたりして
普通じゃねえし!!!!
と思っているうちに、人間は尊厳を守るためにどんどん自分の意見に固執するようにできています。

ちょっと相手の置かれていた歴史的な背景が分かると、言葉の意味がわかったり
ちょっと心が広くなれたりもするので、
そんなきっかけになったら嬉しいです。

なんて思っていただけるきっかけになれば嬉しいです。

おばあちゃんと働いていて感じたこと

色々ありますが、ここ数週間で感じたことを箇条書きにしてみるとこんな感じです。


<加齢による変化>
・つい昨日話したことに対して忘れている
・身体的に衰えてきていることについて、本人は傷ついている
・大したことではなくても、「ここ違うんじゃない?」と言われると怒る
・私にはできない、というけど結構できる。笑←60歳手前の母もそうです。
・私が突然話しかけると、ほぼ100%「は?」と言われる。

<社会人文化の中での育成方法>
・なんで?と理由を聞くと、「そういうもんなのよ、、」と言われる。
 祖母が若かりし頃は(1960年代の若手次代)どう学んだのか聞くと、育成をされた経験はない。見て覚える
という文化の中で育った。「なぜ」は問わず、見て自分で理解して体にしみこませる という育成スタイルだった。ということがわかった。

<加齢しても変わらないこと>
・身体にしみついた専門的知識
・長らく会社にいることで得た社員からの厚い信頼
・人間関係を重視し、多少の実費負担もへっちゃら


こんな感じです。一見大変そうだと思うかも知れませんが、やっぱりすごいところいっぱいあるんです。
「こんなの時間たてば覚えられるわよ」と言われたことについても、私は物覚えいい方ですが理由もなく覚えられる量ではないのです。まるで日本史を頭の中にぶち込んでいるような知識量です。

でも、期末の忙しい時期にベテラン社員に「ちょっと聞いてみた」ことがパッと出てこなかったり
聞いたことを何度も聞き返されたりすることでこのベテランの凄さを忘れちゃうんですよね。

”自分よりできない”と脳がラベリングするわけです。

根拠のない”平均以上”な自分に陶酔していませんでしょうか

ちょっとここで☝の感情にまつわる一つの心理効果について、
お話させてください。

今から、平均以上効果 という心理効果について説明します。平均以上効果とは

人間は「平均以上効果」といって何の根拠もなく自分を平均以上だと思っている。同様に定性的に何の根拠がなくとも「平均以下であること」を知ると、他責にし、自分を守ろうとする特性がある。

という効果です。
この、『平均以上効果』について、TEDで流れてたのですが興味深い実験があります。

実験内容

大学の被験者に対し、とあるテストをさせた。
同じ点数の被験者たちを2つのグループにわけ、テストの結果を以下の通りつたえた。

グループA:
あなたたちのグループのテスト結果は平均以上でした!
グループB:
あなたたちのグループのテスト結果は平均以下でした!

この2つの被験者に対し今回の結果について、どれくらい納得感があるか
質問すると
グループA(平均以上だとつたえたグループ)は
「今回の結果は自分たちの実力の結果です」と答え、
グループBは
「システムそのものが不正操作されているように感じる」
と答えました。

無意識的に他責マンを量産するのは、自分自身かも

つまり、同じ点数をとった被験者でも、
自分の能力を平均以上だとつたえた(思っている)人は「当然の結果だ」と感じ、平均以下だとつたえた人は「自分のせいではない、システムがおかしい(自分が平均以下なはずではない)」と感じたということ。

これは、会社内のコミュニケーションでも言えることで、
どんな結果があるにせよ
「君は他の人よりも仕事ができません!」と言われ続けている社員は、
「いや、会社の考えがおかしい」「昇給制度が不当だ」「●●さんは俺のことが嫌いだからそのように判断しているのだ」
と考えます。

もう一つ面白い結果があります。

人を見下しているときは誰もが無意識かも。

先ほどの実験グループA(平均以上ですよ、とつたえられた人々)は
富裕層への税金カットと貧困層への給付金の減額を求め、
「懸命に働き、自分のことは責任を持て」
と言いました。

どういうことかというと、
「平均以上だ」と感じている人は「平均以下だ」と感じている人に対して
見下すような意見を、無意識的に持ってしまう、ということです。

怖いのは、「無意識的に」ということ。誰も自分がそのつもりでは思っていない、と思いますが、実際に心理的な効果として、そう感じてしまう、
という結果が出ているのです。


こちらの結果を先ほどのベテラン社員との仕事でのやり取りに置き換えるならば、ベテラン社員の変えられない部分に対し指摘し続けることは
彼ら自身のモチベーションを下げ、新人育成に対して後ろ向きになってしまう。
それだけではなく、ベテラン社員が指摘を真に受けず、環境や人のせいにしてしまいやすくなる。

ということになります。若手社員は何十年生きてきたベテラン社員に比べてスキル面では劣っておりますので、育成してもらわない限りは
自分で学ぶしかなく、「だったらこの会社におる意味ないやん、転職しよお」となってしまいます。

平均以上効果を理解し、良好な関係を築くには


なので、一緒に働く側は自分がまだスキル的に劣っている、
平均以下であることを謙虚にうけとめること。

言い換えると、ベテラン社員に対して尊重できる部分をしっかりと見つめ、自分から感謝をつたえること。


その上で、変えられるものと変えられないものを冷静に分け、
変えられるものに注力すること。

その上でベテラン社員に変えてほしいところは、自分と先輩の間に信頼関係が出来てから、変えてほしい部分をどう変えればいいかを明確にした上でお願いしよう。


また、会社の社内で、「●●さんはだめ。」「●●さんはできない」というコミュニケーションは取らないこと。取っている人がいても、絶対に信じないようにしましょう。

なぜなら、この人は自分より劣っている と認識すると、先に説明した効果により、今度は自分自身が●●さんとコミュニケーションを取るときに、無意識に見下すようになります。

何度も言いますが、ベテランこそ専門知識に長けている人
変わりゆく時代を支えた人はいません。

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高度経済成長期を盛り上げた彼ら抜きでは日本は語れません。
あなたは生まれてこれていないかもしれません。(極論)

加齢による身体の変化は「誰もが抗えないもの」です。
そういうものは、笑い飛ばしてあげて「まだまだこれからですよ~!」
と勇気づけてあげたい。私はそうされたいです。笑

そして、どうしてそうなったのか、彼らでは説明のつかない部分は、
ググる。ググれば出てきます。基本的に若手のスキルが追いついてないだけです。


そのことを肝に銘じ、引退する前にしっかりと日本の宝を引き次いでいけたら
と感じております。

それでも、ここまで考えても、自分自身がつらくて、
苦しくてたまらないときは、是非私にDMをください。

https://twitter.com/omayu_note


環境としては私も同じなので、一緒に語りましょう。
待ってます!




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