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今年の一冊、これからの学び

「目指すはピースフルなエレガンス」

昨夜参加した読書会で印象的だった言葉。
アフリカのイケオジ集団「サプール」に見る、平和や非暴力の象徴としての「パブリックなエレガンス」。それは、エゴイスティックな自己主張としてのスタイルや消費されるファッションとしてではなく、平和への灯火となるようなもの。

エゴではない美意識って、生き方や仕事における自身の「美学」みたいなものかもしれない。茶の湯の所作にある気遣いの美みたいなものにも通じる磨いていきたい感覚だと思った。

THE SAPEUR コンゴで出会った世界一おしゃれなジェントルマンhttps://amzn.to/2IXQ36e


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「今年の1冊」と題して、zoomで各自本を持ち寄るスタイルの読書会。
それぞれがバラバラに持ってきたものの根底に、共通するものも見え隠れした。それは行きすぎたアメリカ的自由主義や消費スピードへの抵抗であったり、新しい時代をどう作っていくか生きていくかのエッセンスであったり。

私が紹介した本は「アートとお金」。
今年よく耳にした「不要不急」なものたちが、度を超えて排除されていくとミヒャエル・エンデの「モモ」みたいな世界になっちゃうと思うんだ。
でも苦しい時に心を救ってくれるものは文化やアートといった一見無駄なものであったりする。私は不要不急も愛したいし、守りたい。
そのためには、アートの価値がプレゼンテーションできるよう知識をつけて戦わねば…そんな独りよがりな思いで読みはじめた本だったのだけれど、読み終えると思いの外ピースフルな気持ちにもなった。

それは、商売における道徳性やアートの公共性についての話の部分が印象的だったからかもしれない。アートは時に宗教のように人を癒すし、励ます。
去年企画展に出かけて胸を打たれた、松方コレクションや原三渓のように自分たちの時間と財を投じて作品を手に入れ時に命がけで守り、最後には人々の心の傷を癒す(当時は震災や戦争による傷)ためにと公開した人々もいる。
今の時代だと個人というより企業こそそれを担うことができる立場だと思うんだけど、「無駄をなくして生産性を上げる」スタイルだとなかなか難しい。でも切実に必要なこと。
だから、現役のビジネスマンたちと一緒に学んでいきたいし、実践していきたい。(いま、そんな企画に携わっている:Creative GINZA )


そんな思いを後押ししてくれる時間にもなった読書会だった。

ラジオ放送と連動した月1回の読書会。面白いのでご興味ある方はぜひ!


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※以下、私が紹介した本。
概要だけ読むとゴリっとしてそうだけど、実際は結構人間味溢れてて初心者に優しく手を差し伸べてくれる内容だたよ!

教養としてのお金とアート 誰でもわかる「新たな価値のつくり方」
著者:田中靖浩、山本豊津 https://amzn.to/3nJ62nT

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アートと会計をつなげて学べば「新たな価値のつくり方」が見えてくる――

世界と比較してみても、日本人の中でアートとお金が苦手な人は多い。
けれど、時代はすでにグローバルになり、苦手を克服し、教養として身に付けておく必要がある。
それに、今やビジネスパーソンの間で話題になっている「アート思考」。
ビジネスパーソンでも絵画を学ぶことが大切であり、反対にアーテイストでもお金を勉強することが大事になってくる。
そうやってアートと会計をつないで学ぶことで、これまで日本人に足りていなかった「正しい知識」が身につくに違いない。

本書は、『名画で学ぶ経済の世界史』『会計の世界史』の著者であり、公認会計士の田中靖浩氏が、ビジネスパーソン代表として、東京画廊代表の山本豊津氏へ絵画を勉強しにいく。
アートと会計という一見関係のなさそうな両者が、つないで学ぶことでこんなにも共通点があった!

・アートを知るとなぜ「価値のつくり方」がわかるのか
・なぜお金を知らないで会社を経営する人が多いのか
・ビジネスパーソンにもアートの知識は必要なのか

お金とアートの専門家が語る異色の対談、ついに完成!


目次
第1章 なぜアートは日本に浸透しなかったのか
第2章 簿記という芸術的なプラットフォーム
第3章 日本で会計の礎をきずいた福沢諭吉と渋沢栄一
第4章 価格から考える「アートの問題点」
第5章 これから絶対に必要な「価値と評価」の話
第6章 「未来の資本主義」の話をしよう
https://www.kadokawa.co.jp/product/321910000313/


●田中 靖浩:田中公認会計士事務所所長。1963年生まれ、三重県四日市市出身。早稲田大学商学部卒業後、外資系コンサルティング会社などを経て独立。経営コンサルティング、会計セミナーといった堅めの仕事から、 落語家・講談師との公演など柔らかい仕事まで幅広く活動中。経営・会計の基本から最新動向を真面目にポップに、ときには笑いを交え変幻自在に解説する。著書に『名画で学ぶ経済の世界史』(マガジンハウス)、『会計の世界史』(日本経済新聞出版)。
●山本 豊津:1948年東京都生まれ。71年武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。元大蔵大臣村山達雄秘書。2014年から4年連続でアート・バーゼル(香港)、2015年にアート・バーゼル(スイス)へ出展。アートフェア東京のコミッティー、全銀座会の催事委員を務め、多くのプロジェクトを手がける。現在、東京画廊代表取締役社長。全国美術商連合会常務理事。著書に、『アートは資本主義の行方を予言する』(PHP新書)、『コレクションと資本主義』(水野和夫氏との共著、角川新書)がある。

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