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投げたボールペンが・・・。怪談・逢魔が時物語「教室の奇跡」

高校三年のときの不思議な出来事。

進学校だったので、みんな必死で志望校合格に
向けて励んでいた。

いきおい教室の雰囲気は重くなる。
クラスメートのF君は、息苦しさを和ませようした。

休み時間に教壇の前に立ち、先生のモノマネを
始めたのだ。

お世辞にも似ているとは言えなかった。
しかし、みんなF君の心遣いに、しばし愉しい時を
過ごしていた。

「お~い、全然似てないぞ~!」

誰かが満面の笑顔で茶化した。

そして、手に持っていたボールペンの透明の筒を
ポイとF君めがけて投げた。
もちろん、体に当てるつもりなど無い。
 
しかし、ボールペンの筒はまっすぐF君の顔に
向かって飛んでいった。

あっ! 顔に当たる! 誰もがそう思った。
その瞬間だった。奇跡が起きた。


当たる寸前、ボールペンの筒は、
縦に真っ二つに裂けたのだ。


ミリ単位で、F君の顔の両側を分けるようにかすめる。
それは全員の目の前で起きた。
F君はかすり傷も無く、みんな胸を撫で下ろした。

不思議な出来事を全員が目撃し、呆気にとられた。
しばらく教室は沈黙が支配した。


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       投稿 ユーアさん(男性・埼玉県)


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