奇妙なヘビがいた。怪談・逢魔が時物語「神社の白蛇」
まだ小学校の低学年の頃。
1歳下の従姉妹と近所の友人と3人で遊んでいた
ときのこと。
すぐ裏が山で、いつも神社への坂道を登って遊んでいた。
その日、いつもとは違う別の道から登った。
競争みたいに走り上がる。
みんなの中で、私がいちばん脚が速かった。
悠々の差で神社に着くと、壁に立てかけられた板が
目に入った。
板の上に白い何かが乗っている。
私がじっと見ていると、やっと2人も追いついてきた。
2人もそれに気づき、「蛇だ、蛇!」と騒ぐ。
ただの蛇なら私でもわかる。
その蛇は、全身が雪のように真っ白だった。
不思議と怖いとか、危ないという感情は無かった。
しばらく3人で見ていたが、奇妙なことに気づいた。
その蛇は、なんと『瞼』を閉じて
ピクリとも動かないのだ。
蛇の目はいつも開いたままのはず。
『瞼』のある蛇なんて見たことが無かった。
私は2人にその奇妙な蛇を見張っているように言って、
母を呼びに行った。
その間たった数分、3分にも満たなかったはず。
戻るともう蛇はいなくなっていた。
2人に聞くと、蛇はパッと目を開いて
板から下りたという。
あの白い蛇は夢だったのか?
蛇なのにどうして『瞼』があったのか……?
※怪談・逢魔が時物語select
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・投稿 巴さん(女性・北海道)
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