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電車で寝てはならない。怪談・逢魔が時物語「電車の眠気」

私は息子と娘と住んでいる。

じつは、わたしは少し霊感めいたものがあり、
娘もかなり霊感が具わっている。
ただ、息子はまったく無い様子。

この霊感ゼロの息子が体験した奇妙な話。

息子が電車に乗ったとき、ヘンなことが起きた。
その日、小田急線に乗り、新宿を出て箱根方面に
向かっていた。

途中の「相模大野」という駅が大きな分岐点に
なっている。

この駅に差し掛かったとき、
息子はいきなり猛烈な眠気に襲われたらしい。

本人の言によると、ほんの数分ウトウトしたとか。
重たい瞼を開くと、車内の雰囲気が一変していた。


視界に入ったのは、座っている生気の無い人々。


まるで死人の群れだった。
えっ! と思うと同時に眠気は吹っ飛んだ。

正気に戻ると、座っているのは普通の乗客たち。
異変はそれだけではない。

息子が乗っている電車の進行方向がおかしい。
出発したはずの新宿行きだった。
いつの間にか、電車は始発駅に向かっていた。

後日、これとよく似た事象がもう一度起きる。
それは通勤に使っている常磐線でのこと。

その時もシートで、一瞬ウトウトしてしまった。
息子によると、やはり数分の感覚だったらしい。

ところが、時間が一時間も過ぎていた。
こちらは時短なので、ありがたかったというが……。

        投稿 Y・Мさん(女性・東京都)



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