人間でないものも泊まる。怪談★逢魔が時物語#10「心霊スポホテル」
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━━ 2023 ━━
★ 怪談 逢魔が時物語 ★
4.20号 #10
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★ 逢魔が時物語へ、ようこそ ★
ここは、あの世とこの世の間にあるユラユラとした境界です。
今宵も、ゾッとする怖い話、不思議な話をお届けしましょう。
さて、今号は『心霊スポ:ホテル』という話です。
逢魔プロジェクト主宰・雲谷斎
ーー 目 次 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■oma-kwaidan『心霊スポ:ホテル』
・逢魔怪談「予備の部屋」
・逢魔怪談「お持ち帰り」
■Information
イベント 出版物 逢魔が時チャンネル 売店
■oma-column
・黄砂迷惑放送があるぞ
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■cafe逢魔「黄砂迷惑放送」4月25日(火)21~23時生放送
https://www.youtube.com/watch?v=_eq7fzHk0mo
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逢魔怪談
~~~~~ 「予備の部屋」 ~~~~~
何度も山形には泊まりがけの仕事で行っていた。
週に一度ぐらいの割で、馴染みのビジネスホテルに泊まる。
これまで満室になることはなかったが、その日は違った。
「申し訳ないです。本日は予備の部屋しか空いてなくて……」
団体が入ったらしく、フロントは申し訳なさそうに言う。
何の躊躇もなく、その部屋でいいと答えた。
だが後で聞いた話だが、その部屋はよほどのことがない限り、
客を泊めないという曰く付きの部屋だった。
確かに、その部屋に入った途端、真夏なのにヒヤッとした。
もちろんその時点で、私は何も知らなかった訳だが。
普通の人なら、よく冷房が効いているとしか思わないだろう。
だが、生憎私には少し霊感らしきものがある。
部屋の中に『何か居る』という直感があった。
廊下から部屋に入った途端、重苦しい雰囲気に襲われる。
全身にゾワッと鳥肌が立つ。
困ったが、チェックイン時間も遅かった。
今さら他のホテルへという訳にいかなく、覚悟を決めた。
缶ビール三本を一気に飲み干す。
(私は何も見えません。私は何も感じません)
小さな声を出して自分に呪文をかけた。
何かが起きる前に眠るしかなかった。
しかし、恐怖の中で眠ろうとしても、逆に頭が冴えてくる。
そして。やはり……。
ベッドの回り、部屋の外の階段を何かが歩き、走る音。
異様な雰囲気の中、目を開けて確かめる勇気はない。
遅かった酔いがまわってきて、いつのまにか寝たようだった。
じつはそのホテル、心霊スポット本に現役営業ホテルとして
紹介されているらしい。
・投稿:さそりさん(男性・宮城県)
《雲谷斎のイッチョ噛み》
訳アリ部屋っちゅうのは、ほんまに知らぬが仏やなぁ。
正体探しに行って、同じように走ったったらよろし。
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逢魔怪談
~~~~~ 「お持ち帰り」 ~~~~~
新しい職場は大分県湯布院町。
そこで初めて行われた学会の帰り道のこと。
時間は夜の十時頃だったか。
その日、なぜか体調がすぐれなかった。
気分を晴らそうと、いつもは通らない道を音楽をかけながら
車を運転していた。
国道から薄暗い県道へ曲がり、古い橋を渡る。
橋から少し走ったところで、異変が起きた。
フゥ~ッ……という感じで、勝手に音楽が途切れたのだ。
えっ、どうして? と思った瞬間だった。
『…………』どこかから声が聞こえたような気がした。
しかし辺りは真っ暗、人がいる気配はない。
一気に怖くなった。
事故らないよう気をつけながら、スピードを上げて帰った。
じつはこの辺り、昔から厭な噂がある。
橋を造るときに人が死んでいるとか。
先日も飛び降り自殺をした人がいたとか……。
それを慰霊するためか、道路脇には地蔵が祀られている。
それを見た瞬間、思い出さなくていいことを思い出した。
学会が行われた会場。
今はきれいなホテルになっているが、元は大きな病院だった。
元病院を全面的にホテルに改装したという。
そのせいかどうかはわからないが、ホテルにいる間、
原因不明の肩凝りと頭痛が続いていた。
もしかして、だが、このホテルから『何か』を連れて帰って
しまったのかも知れない。
そして、その『何か』が橋のところで離れていったのでは?
・投稿 みちるさん(女性・大分県)
《雲谷斎のイッチョ噛み》
元病院をホテルに改装するやなんて、まぁSDGSやけど。
病室がそのまま客室やと思うとイメージ膨らみすぎるわ。
もっと怖い、もっと不思議な話、ありますよ。
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三日後に生放送するcafe逢魔。毎回ユニークなお客を招いて
イジってますけど、4月25日(火)『黄砂迷惑放送』はなか
なか社会性のある人が来よります。ちょっとイジリにくいけ
どイジリます(笑)。怪談もします。初めて聞いてくれた人
が常連になってくれるのも嬉しい放送になってきましたよ。
■cafe逢魔『黄砂迷惑放送』4月25日(火)21~23時生放送
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