また、肩を叩かれた。怪談・逢魔が時物語「学年集会」
これは紀沙さんが埼玉県のとある高校に通っていた
ときの体験。
その怪異な現象は、二年生のときに起こった。
仏教系の学校ということで宗教的行事が多く、
校内の至る所に仏像が置いてある。
特に仏教の興味はなかった。
しかし、学校行事の多くで読経をさせられることが多く、
門前の小僧のたとえのように、念仏を唱えられるように
なっていた。
その日、学年集会があり、友人と一緒に体育館に
向かっていた。
廊下を歩いていた時、不意に肩をポンと叩かれた。
誰かなと思って振り返ったが誰もいない。
友人の悪戯だと思い、「今、肩叩いたでしょ~!」と、
隣を歩く子に問い詰めたが、友人は知らないと首を振る。
気のせいだったのかと、歩き出すとまた肩を叩かれた。
今度はそれだけではなかった。
遠くから『ふふふ……』と含み笑いをする女の子の声が
だんだんと近づいて来るのだ。
そのときも私は反射的に振り返ろうとした。
後ろを振り向こうとした瞬間だった。
突然、私の頭の中に、
水色に輝く仏様がふっと浮かび上がった。
それと同時に『振り返ってはいけない!』という言葉が
強く頭に響く。
振り返ろうという気持ちが無くなり、そのまま体育館に
着いた。
何かタチの悪いものが居たのかも知れない。
だが、私はそれを怖いとは思わない。
だって、それから守ってくれている存在を感じるからだ。
※怪談・逢魔が時物語select
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・投稿 紀沙さん(女性・埼玉県)
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