外食にいけなくなったから、死ぬ気でサイゼイリヤの「やわらか青豆の温サラダ」再現してみた
サイゼリヤの「やわらか青豆の温サラダ」を食べたことがありますか?
グリーンピースにパンチェッタ、温泉卵が乗ったサラダです。
見た目から敬遠している方も多い一方で多くの強固なファンもいるメニューです。ちょこちょこ入れ替わるサイゼリヤメニューの中で私が知る限り(たぶんはじめてサイゼリヤ食べた10年前くらいから)ずっと存在し続けるメニュー。
今回はタイトル通り本気でこの「やわらか青豆の温サラダ」を再現しましたので、私の想いとともに文章に綴りたいと思います。(長いですので、レシピだけみたい人はスクロールしてください)
グリーンピースへの想い
私はもともと、グリーンピースが好きだ。
避ける人も多い中、給食のピラフの中のグリーンピースは拾うように食べていたし、シウマイの上に乗っている姿は、その鮮やかな緑と白い皮のコントラストまでまるごと愛しく思っていた。
口に入ると柔らかく、皮と身が分離するような唯一無二の食感がたまらなく好きだ。
ただ、あくまでもグリーンピースへの好きは、「脇役として」の好きだ。
決して主役になることはない、すべての人に好かれることはない、それでも確かにそこにあって、鮮やかな色をしていて、枝豆にもそら豆にも置き換えられない唯一無二の存在...
わたしはそんなグリーンピースに自分の人生を重ねていたまである。
目立たなくてもいい、邪魔に思われてもいい、ただ、「確かにそこにいる」という主張だけはしていたいんだ...
そんな私のグリーンピースに対する感情を真正面からぶち壊してきたのが「やわらか青豆の温サラダ」だった。
高校生ではじめてサイゼリヤにいったとき、あまりの衝撃に言葉を失ったのを覚えている。むしろ、狂気を感じたくらいの方が正しい。
「グリーンピースが、サラダの主役になっている...?!?!?!」
『パンチェッタ、オメーラは脇役だから引っ込んでな』とでもいうような圧倒的なグリーンピースの量と眩しい緑。真ん中にそびえる温泉卵でさえ、破られてしまえばあくまで引き立て役だ。
ピラフの中から器用にグリーンピースを除いて食べていた小学校の同級生の原さんがみたら卒倒するぞ..と、グリーンピースに関する思い出が走馬灯のように蘇えるくらい興奮した。
しかし、食べてみたい気持ちはあるものの、そこまで大量のグリーンピースを食べたことがなく「食べきれなかったらどうしよう」と手を出すことに不安になった。
また高校生の多感な時期に「ミラノ風ドリア」「カルボナーラ」を差し置いて堂々とグリーンピースを貪る女にはなりたくなかった。だから、高校時代にはどうしても「やわらか青豆の温サラダ」を食べることができなかった。ちっぽけな、わたしのPRIDEだった。
時は過ぎて大学時代、サークルの練習終わりに当時の彼氏とサイゼリヤに寄って、「やわらか青豆の温サラダ」コンプレックス(と名付けた想い)を打ち明けた。
「食べきれなかったら僕が食べるから、頼んでみたら?」
(当時の彼氏は菩薩)
その言葉に甘え、はじめて「やわらか青豆の温サラダ」と初対面を果たす。
そして、一瞬で1皿食べ終えたのを覚えている。
感動的だった。
やわらかいグリーンピースと塩気の効いたパンチェッタ、とろける温泉卵。
卓上の黒コショウを削ると、それはもう、これまで食べたことのない特別な、すこし大人な味になった。
イタリア人が本当にデイリーにこれを食べているのかはしらないが、そうだとしたらこれまでの人生を「やわらか青豆の温サラダ」と過ごせなかった自分に腹が立つくらい羨ましいと本気で思った。
そこから私は、サイゼリヤにいったら「やわらか青豆の温サラダ」しか食べない人間になった。
引き裂かれる、私と「やわらか青豆の温サラダ」
しかし、実は大学時代を過ぎてから、私は「やわらか青豆の温サラダ」と遠ざかることになる。
まず1点が社会人になり、そもそもサイゼリヤと距離ができたこと。サイゼリヤは基本的に誰かと行くものだと思っているが、大学を卒業すると、外食自体が会社のメンバーとの仕事終わりか、休日にわざわざ人と会ってするものになる。
となると、居酒屋や、少しおしゃれなカフェなどにいくようになる。わざわざ「サイゼリヤいこう!」とはならないのである。
2点目は、潔癖症が加速して外食が苦手になったこと。
おそらく社会人1-2年目の過ストレス期のせいだと思うが、当時急に潔癖症が悪化した。
人との外食の時は『楽しい>>>>潔癖症』という感じなので大丈夫だったものの、1人の外食の時はTHE潔癖症!!!!!!という感じだった。
この時は人が多い環境が特に苦手で、駅中や駅前のパン屋のパンやビュフェ、ファミレス、大きめの店舗のファーストフードは想像するだけで地獄。つまりファミリーや学生が多く常にざわついたサイゼリヤは当時の私にとって宿敵だったのだ。
そんなこともあって、約2年半ほどサイゼリヤにいけない日々を過ごした。
「やわらか青豆の温サラダ」との再会
2021年、コロナで飲食店に営業制限がかかっていたときだった。どうしてももう一度「やわらか青豆の温サラダ」が食べたくて、閉店間際のサイゼリヤに駆け込んだ。
そこには変わらない「やわらか青豆の温サラダ」があった。
環境が変わってストレスが減り、潔癖症も落ち着いていたころだったが、今度は仕事から帰る時間が遅くなったことと、時短営業の影響で「やわらか青豆の温サラダ」と距離ができた。
そして、社会人4年目にもなると、「サイゼリヤ行こうぜ!」なんて会話はほぼ皆無である。みんなこうして大人になっていくんだね。
というわけで、この時から私の興味はもっぱら
「家でやわらか青豆の温サラダを完全再現する」
ことに移り変わっていった。
以下に、私がほぼ完全再現と呼べるまで仕上げた「やわらか青豆の温サラダ」のレシピを記載する。
やわらか青豆の温サラダ再現レシピ
【ポイント】
・本家サイゼリヤではベーコンではなくパンチェッタを使う。なので、本来はパンチェッタを使うことを推奨する。私は家の近くにパンチェッタが売っていなかったのでベーコンを使用する。
①お湯を沸かし、塩、味の素を加えてグリーンピースをさっと茹でる。
味の素なしに成立させることができないので、アンチ味の素の方には回れ右をしていただきたい。
実は、「やわらか青豆の温サラダ」はサイゼリヤ店員による再現レシピがネットにアップされている。そこには茹でるときにコンソメを使うレシピが多い。
ようするに、シンプルなグリーンピースの味わいに「うまみ」であるコンソメを足すわけである。
しかし、本家サイゼリヤの「やわらか青豆の温サラダ」にはコンソメの香りはまったくしない。グリーンピースの甘みと香りで真っ向勝負しにくるのだが、やみつきになるようなうまみがたしかにある。
これ、サイゼリヤの店員に聞いたら口封じのために消されるかもしれないけど、たぶんうまみ調味料使ってるでしょう?ということで、私はコンソメではなく、味の素を使う。
沸騰したら冷凍のグリーンピースをお湯に入れ、30秒ほどゆでてザルにあげる
②お湯をきったグリーンピースを冷蔵庫で冷やす。(1時間以上)
ここ、実は一番重要なポイントなのではないかと思っている。
おでんや肉じゃがは一度冷まして食材に味を入れる。グリーンピースにも和食の技法を使うわけだ。
ちなみに何かのブログでみかけたが、やわらか青豆の温サラダにつかうグリーンピースは、一度に大量にゆでたものを1人前ごとに温め直して使うらしいので、本家サイゼリヤとも同じ工程を踏んでいる。
これによって、まんべんなくうっすら塩味がついたサイゼリヤの青豆を再現できる。
この間にトッピング用の温泉卵を室温に戻すor次の行程に入る10分前くらいに水道のお湯で温めておく。温泉卵が冷たいと、グリーンピースとの馴染みが悪いからだ。
③冷やしたグリーンピースにベーコンを加え、再度茹でる。
水400mlに小さじ1の塩、味の素7振りを再度入れ、お湯を沸かす。
そこにグリーンピース、ベーコンを加え一緒に茹でる。(1分ほど)
※ネットに上がっているレシピではベーコンを炒めるものが多いが、サイゼリヤのパンチェッタには焼き目も香ばしい香りもない、すなわち茹でている可能性が高い。実際脂のとろけるようなやわらかい食感は、茹でると再現できる。
④皿に盛り付け、温泉卵をトッピング
完成!!!!!
本家サイゼリヤよりもグリーンピースの粒が大きいが、見た目はほぼ完全再現。
温泉卵を割り、全体に混ぜる。塩気が足りなければ塩、そして黒胡椒をふりかけて食べると完璧です。
おわりに
正直手間とか材料費とかいろいろ鑑みるとサイゼリヤで食べた方が圧倒的に割安感があります。
ので、少数派の作りたい人以外は店でサイゼリヤいって食べてください。
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