不可知論者
神が存在するのか否か。
まず、人は信仰を選ぶ自由と権利を持っている。この自由を絶対的に守らねばならないことは言うまでもなく、自説をもとに他の信仰を無効にせんとし、侮辱するような言説や態度は一切許されないと考えている。
私自身は、特定の宗教の神を信仰しているわけではないが、神がいないとも思っていない。時に、神が存在するのではないかと感じる瞬間がある。すなわち、神は心の中に宿っているのかもしれない。自分を守るのも自分自身、神を感じるのも自分自身であるからだ。生きている以上、神が存在すると思う方が良い、というふうに考えているふしもある。
ただ、誤解してほしくないのだが、不可知論者を嫌っているわけではない。確固たるアイデンティティとしての「不可知論者」であるならば、リチャード・ドーキンスのような極めて聡明な人物もいるだろう。
しかし、一方でどのような学問や技術の進歩があろうとも、哲学的な神の問題(スピノザやゲーデルが証明しようとした問題)が解決されるとは思えない。現実的な宗教問題についてはなおさらのことである。そのため、不可知論者さん、あなたはとんでもないチャレンジャーだ!等々と、ややシニカルに眺めている自分がいる。20世紀で最も知能が高かったと言われるノイマンも不可知論者だったという。あのレベルの人物がそう言うのなら、そこそこは納得できるか。
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