15歳はなぜ言うことを聞かないのか?|脳発達の観点から
本屋でなんとなく手に取った脳科学本がとっても面白かったので、ポイントだけ掻い摘んでレビューしようと思います。
■15歳はなぜ言うことを聞かないのか?
/ローレンス・スタインバーグ
15歳というと「疾風怒濤の時代」という感じではないでしょうか?
とにかく大人に反抗しまくり!な思春期は、誰しもが通る道ですが、ワタクシに関しては、ちょっと度が過ぎており、高校生のとき2年くらい家出をしてたくらいなので、
めちゃめちゃ身につまされるのです。(その後、父が末期がんで危篤となったことをキッカケに和解したのですが)
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おもえば脳の発達の仕組みと、学校や社会の制度がどの程度リンクしているのか、というかそもそもリンクしているものなのか?
よく分からないところがありました。
たとえば戦国時代は、13歳で元服して10代前半でも、立派に戦死することが「美徳」とさえされていた。
今の基準でいえば、おそろしい世の中ですが、そのような時代だからこそ、織田信長や太閤秀吉のごとき英傑が輩出された、ともいえる。
なにも戦国にまでさかのぼらなくとも、日本の戦前の「教育」の苛烈さは、現在とは比較にならないといわれています。(福田和也の伝記シリーズとかの受け売りですが)
厳しい鍛錬と伝統があってはじめて、岸信介や山下奉文や鈴木貫太郎といった人物が輩出されたのであります。
対して、人物らしい人物がいなくなった現代日本を鑑みた際、やはり根本的に社会制度や教育制度が間違っているのではないか?
と、話が飛躍しすぎですが、そんなことをよく思っていたのです。
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J-ステージの論文に目を通すと、
一般的に脳は、8歳くらいから15歳くらいにかけて、急激に増大して、表面上は成人と変わらない状態になるようです。
ですが、「15歳はなぜ言うことを聞かないのか?」で示されている最近の研究では、いったんそこから「刈り込み期間」というのがあって、静かに脳の神経回路を整備するタイミングが、ある。
そして10代の後半から20歳くらいにかけて、また急激に発達するというパターンが確認できる。
なので15歳ころの脳(とくに前頭葉)は、まだまだ未発達ということです。そりゃあ聞き分けが無いはずだ。
我々の社会では、10代は学生として勉強をしたり恋愛をしたりアルバイトをするなど大人になるための準備をして、
学校を卒業して新卒として社会人になって、さらにおよそ数年かけて大人になるわけですね。
これまでなんとなくですが、10代後半から20歳あたりというのは、大人になるためにいろいろ経験を積むべき大切な時期とされてきていたので、
世間の常識でいわれてきたことが、科学的に裏づけされただけ、ともいえる。
言い換えれば、私達が生きている現代社会は、
まあまあ脳の発達の道理にもかなった構造をしているのではないでしょうか。その逆もしかりで、卵が先か鶏が先か、という議論にもなりますが。
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結論から述べれば、10代後半の期間は、勉強ばかりしているのも、ダメなのかもしれませんね。
アニマルスピリッツに溢れた有望な若者になるには、
やっぱりガンガン社会と関わって、いろんな目に遭うべき(いい目にも痛い目にも)でしょう。
18歳とかでのーんびりぼーんやりしていると、あとで取り返しのつかないことになるかもしれないよ...と、今の若い子達に教えたい。
本書を読みながら、そんなことも思いました。
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