街の裏山に住んでいるクマさん
さっき、たまたまニュース(報道ステーション)を見たのだけど、国内の熊害が深刻になっているらしい。今年になってすでに百数十件もの被害が出ており、内5名は死亡している。
熊害と聞いてパッと思いつくのが福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件。クマの凶暴さをこれでもか!と詰め合わせたような事件。
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クマは北海道や東北の山奥に出没するイメージがあるが、最近では住宅地にも侵出し、家の庭先にも出没するようになった。そのため、都市部でクマとの遭遇が懸念されるようになり"アーバン・ベア"という言葉が生まれた。このような状況下では、子どもたちは、おちおち登校もできない。もはや他人事ではなく、すべての人に影響が及ぶ蓋然性がある。
これまで対策はおもに山間部など非居住地での実施が中心で、市街地の人々の生活を脅かすという想定はあまりしてこなかったはずだ。このような新たな現実を受け、最近ではクマを人里から遠ざけることを目的とした取り組みが行われている。
その一環として、まずは捕獲したクマに追跡装置をつけて監視する。これにより、その行動範囲を把握することができる。もし市街地に近づきすぎた場合は、追い払うなどの施策がなされる。クマも徐々に順応し、山の方へ退いていく。命がけの仕事である。
VTRの後、スタジオにいた大学教授が、共存のあり方について議論し、人間の生活圏とクマの生息域を棲み分ける「ゾーニング戦略」を立てる必要性を説いていた。人里に近づきすぎないように緩衝地帯を設けるのである。
もっとも、すべての個体にこのような「行動療法」を実施するのは容易なことではないし、クマだって、山の自然生息地が減少すれば、餌がなければ、必然的に都市部に下りてくるだろう。そのため、このような”なまあたたかい”やり方の有効性には若干の疑問が残る。山にもっとドングリの木を植えたほうが手っ取り早いと思ったりもする。
あと個人的なことだが、ここ1、2年、この「ゾーニング」というパワーワードに妙に敏感になっており、テレビジョンの前でくつろいで見ていたのに、突如現実に引き戻されたような生々しい感覚があった。てか、この話、SNSの「ゾーニング」と何が違うんだろう…
※追記
後日、いろいろ知ったのだけど、熊害が激増した根本原因は、生態系の破壊であり、ドングリの木を増やせば解決する云々という単純な話ではない(そもそもの話、ドングリの木を植えるのも生態系の破壊)
解決策は、生態系を壊さないバランスで、山野の維持管理を徹底することしかないが、いずれにせよ、途方もないリソースが必要になるだろう。