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1「スカラムッツァの足跡をたどって」はじめに、第1章その1

音楽で人と世界をつなぐ!ピアニストの岡田真季です。

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アルゲリッチの幼少期の先生で名ピアノ教師のスカラムッツァが、弟子たちに残した教えを書いた本「スカラムッツァの足跡をたどって」(原題 Sur les traces de Scaramuzza / Marie-Christine Calvet著)を日本語に訳してお届けしています。

スカラムッツァは自らの教えを著書に残さなかったため、弟子たちがレッスンや、それぞれの言語で著書にして教えを伝えています。日本語で読める本は今のところありません。

この「スカラムッツァの足跡をたどって」はフランスで1993年に出版された本です。私自身がその教えの効果に驚き、著者のカルヴェ氏に突撃ラブコールのメールをお送りし、翻訳とメルマガでのシェアの許可をいただき実現しました😍

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はじめに

第1巻には5つの章があります。どれもピアノを弾く上での動作の基礎になるものです。

それは何?

なぜ?

どうやって?

という質問に答えていき、

知ってるよ、できるよ!

の項で、要約をします。

生徒がひとつずつステップを登るために、指導者やご両親が導いてあげられるよう、説明していきます。

そして章の最後では、

よくある間違い

として、これをやってしまってはせっかくの学びがムダになってしまう、よくあるエラーを解説します。そして生徒が1人でできる、学びを深めるためのエクササイズを紹介します。


第1章 落下

落下?それは何?

誰でも本能的に落下ってものが何なのか、知っているはずなんだよ。とても個人的なことで、少なくとも人生に一度は経験したことがあるはずだ… そう、つまづいたりして地面に転げるってことだ、残念ながらね。

落下とは、なんの抵抗もなく、自らの重みによって、地面に向かって運び去られてしまうことだ。


ピアノにおいては、筋肉による抵抗がない状態に当てはまるね。高い位置から腕をポトンと落とすこと、どんな小さな抵抗もしないでね。

なぜ?

初めてピアノを弾くとき、簡単で自然で、楽器と友達みたいな関係になるのが1番だ。だから初めてのレッスンから、生徒には自信を持ってピアノに向かい、自然な動きができるようになって欲しいんだ。

まず最初の道しるべになるテクニックがこれだよ。

しなやかさ、自然な感覚、どんな動きでも自由であること

とは言え、こんなに堂々とした楽器の前じゃ、怖い気持ちも出てくるよね。怖さをなくすために、とてもシンプルな練習から始めてみよう。簡単だけど、「落下」をモノにするためには必要なテクニックなんだ。

どうやって?


まずはじめに、右腕を左手で持ち上げる。逆に、左腕を右手で持ち上げる

このエクササイズは、ピアノがなくてもできるから、1日の間に何回でもやりたいだけできるよね。道を歩きながら、もしくはバスの中でだって、乗客はビックリするかもしれないけど、できるね。

自分の腕がリラックスして、脱力を感じるのは簡単なことじゃないよね。腕が完全に脱力して、もう片方の手に委ねられているのが感じられるまで、このエクササイズを続けてごらん。寝ている時と同じ状態になるまでね。

ここまでできるようになったら、今度はピアノの前に座ろう。

腕を顔の高さまで持ち上げて、準備ができたら、腕を脱力させて鍵盤の上に落とすよ。腕の重みをそのまま使ってね。痛いかもしれない、ピアノが痛がるかもしれない、なんて怖がらないで!
筋肉で加減したり抵抗せずに、腕の重みをそのまま委ねて落とす。これができていると、1音だけ、もしくはいくつか音が鳴るかもしれないけど、フォルテで、同時に自由でゆったりした音が出たでしょう?大きな音だけど、キツくない、攻撃的でない音が出るはずだよ。

もしピアノの鍵盤の上でできなければ、太ももの上に、顔の高さから腕を落とすことから始めよう。その後でもう一度、鍵盤の上に落としてみるといいよ。


本内容は、Marie - Christine Calvet氏の著作「Sur les traces de Scaramuzza」を、本人の許可を得て岡田真季が日本語に訳してお届けしています。無断で内容を改ざん・コピーするなどの行為はご遠慮ください。挿入イラストは「いらすとや」から拝借しました。

次回に続く

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