2「スカラムッツァの足跡をたどって」第1章「落下」その2
こんにちは。音楽で人と世界をつなぐ!ピアニストの岡田真季です。
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アルゲリッチの幼少期の先生で名ピアノ教師のスカラムッツァが、弟子たちに残した教えを書いた本「スカラムッツァの足跡をたどって」(原題 Sur les traces de Scaramuzza / Marie-Christine Calvet著)を日本語に訳してお届けしています。
スカラムッツァは自らの教えを著書に残さなかったため、弟子たちがレッスンや、それぞれの言語で著書にして教えを伝えています。日本語で読める本は今のところありません。
この「スカラムッツァの足跡をたどって」はフランスで1993年に出版された本です。私自身がその教えの効果に驚き、著者のカルヴェ氏に突撃ラブコールのメールをお送りし、翻訳とメルマガでのシェアの許可をいただき実現しました😍
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今回は2回目のお届けです。
落下、知ってるよ、できるよ!
「落下」できるようになったかな?
まずはどの音でも、偶然に落っこちた音で良いんだよ。
それができるようになれば、次は指1本で1音を狙ってみよう。まず左手だけ、右手だけ、片方ずつ。それから2音に増やして、3音もやってみようか!
3音の和音は、できるだけ聴いて心地の良い和音を選ぼう。腕が自由で自然な状態であることが、美しい音と結びついているのを感じてほしいんだ。
片手で和音の落下ができるようになったら、次は両手一緒にやってみるよ。はじめは右も左も1音ずつ、それから和音にするよ。
片手ずつから両手で、何度か落下の練習をして、高い位置から音を鳴らすことができるようになったね。1音だけじゃなく、和音もできるようになった!高いところから腕を落としても怖くないし、筋肉もこわばっていない。無理やり頑張って落とすのではなく、自然に、なるがままに腕を落とすことができるようになったね。ブラヴォー!
よくある間違い
・腕を落とす時、腕はひとりでに落ちているかな?
まるで枯葉が落ちていくようにスピードを緩めてはいけないよ。また投げるように落とすのもいけない。高いところから、腕の力を放すんだ。ただそれだけなんだよ。
・腕はどんな方向に持ち上げても良いわけではないよ。自分の身体の前に持ち上げて、そのまま落とすまで何秒か待とう。
・腕を落としたあと、指が鍵盤に深く入りこむね。指を離さずに、そのまま音を伸ばしておこう。そして近くにいる君の弟、お姉ちゃん、誰でもいいから、君の腕がしなやかかどうか、確認してもらおう。鍵盤に乗った指を支えに、腕はブラブラ動くだろうか?力まないで、自由になっているかな?
・どんな手の形で鍵盤に乗っていれば良いのか、それはまだ気にする必要はないよ。いま大事なのは、腕をリラックスさせること、脱力することなんだ。1度に考えることはひとつだけで良いんだよ。
・ある1音を狙って落とす時、外してしまったからといって苛立つことはないよ。もう一度、狙いを定めてやってみよう。
・高いところから落ちることを怖がらないで。例えば天井を見ながら、または電気を消して、何も見ないで鍵盤に落とす練習をしてごらん。できるようになったら自分を褒めてあげよう!
・いつも同じ落下ばかりでなく、鍵盤のどこでも旅して落としてみよう。低いところから、高いところまでね。
ここまで来れば、君も第1章をやり遂げたことになるぞ。ここまで連れてきてくれた、僕らのピアニスト、ウラディミール・ジグワングワンに感謝の意を述べよう。そして君にも、ブラヴォー!
次章へつづく…
本内容は、Marie - Christine Calvet氏の著作「Sur les traces de Scaramuzza」を、本人の許可を得て岡田真季が日本語に訳してお届けしています。無断で内容を改ざん・コピーするなどの行為はご遠慮ください。挿入イラストは「いらすとや」から拝借しました。
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