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お寺でビブリオバトル オンライン⑪

第11回 お寺でビブリオバトル オンライン(報告)

2021年11月27日(土)20時~22時

参加者8名

5分で本を紹介して、5分で感想戦。

最後にチャンプ本を決める。

これだけなのにどんどん深くなっていく。その本を自分の経験を通して読み、響いた言葉は相手に伝わるのだと感じた。

【紹介された本】

『ここに来るまで忘れてた。』

吉田靖直

株式会社交通新聞社

各エッセイのタイトルを読むだけで、自分にもこんな経験があったと深く頷ける。

『こんな夜更けにバナナかよ』

渡辺一史

文春文庫

筋ジストロフィーの鹿野さんと彼のひとり暮らしを支えたボランティアスタッフとの日々は、一般的に介護やボランティアという言葉についてまわる`善意‘とか`思いやり‘とかいうものを排除した、筆者曰く、人と人とが生きる喜びと悲しみ。フツウに生きること、ワガママって何?自分のことが自分でできない生き方には尊厳がない?高齢化社会にも通じる問題が凝縮されている。

『やさしい訴え』

小川洋子

文春文庫

生活を逃れた林の中、チェンバロ作りの男女とそれを見つめる女の不思議な関係。硬質の文体が抉りとる愛と孤独、聖域と日常の迫間。

◎『イキガミ』

間瀬元朗

小学館

イキガミ(逝紙)が配達されたら24時間で死を迎えねばならない。「明日死を迎えるならどう生きるか」人生の最後の一日が圧倒的密度で描かれる。しかし、感動して良いものか。不条理な法律の中でのものだから。

『黒板とワイン』もう一つの学び場「三田の家」

熊倉敬聡 望月良一 長田進 坂倉杏介 岡原正幸 手塚千鶴子 武山政直

「三田の家とはどんな所ですか?」と尋ねられる時、私たちは現場にいながら、いつも答えに窮してしまうのです。立ち尽くしてしまうのです。相手によって、状況によって、様々に言葉を変え、意味づけを試みようとするのですが、三田の家は、いつも、指先から空しく零れ落ちていく。やるせなく、「こんなところです」と、その空虚をさししめすことしかできません。(書中より)

◎『ことばハンター 国語辞典はこうつくる』

飯間浩明

ポプラ社ノンフィクションシリーズ

三省堂国語辞典の編纂に携わる著者が「次の辞書に載せる必要があるか」という視点でことばをハンティングする日々を描いています。

「どのことばも、理由があって生まれてくる」「国語辞典は『正しい日本語を決めるもの』ではなく、人と人とがことばをやりとりするための、手助けをする」

言葉は生き物で、変わり続けるものと考えている私にとって、とても腑に落ちた本です。

『もし僕らのことばがウイスキーであったなら』

村上春樹著

新潮文庫

ウイスキーをテーマとしたスコットランド、アイルランドの旅行記。

ほんのわずかな幸福な瞬間に、僕らのことばはほんとうにウイスキーになることがある。そして僕らは、いつもそのような瞬間を夢見て生きているのだ。

『嫌われた監督』

鈴木忠平

文藝春秋

見渡せば、落合のチームにいるのは挫折を味わい遠回りをしながらも、自分の居場所を勝ち取った男たちばかりだった。

◎は今回のチャンプ本



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