見出し画像

お念仏とインターネット①青空応援団

今回は『ほぼ日刊イトイ新聞』に掲載されていた「青空応援団」の活動を通して感じたことを書きたいと思います。

青空応援団とは

青空応援団とは、東日本大震災を機縁として、東北各地の応援団OBらが中心となり結成した社会人応援団で、現在全国に80名近くの団員が所属している日本一の大応援団です。
これまで、個人や学校をはじめとする教育現場やスポーツや冠婚葬祭など、 ざまざまな場面で、全国各地、または世界中の頑張る人へエールを送り続けておられます。

この応援団は、特定の団体を応援するのではなく、頼まれたら誰でも応援されるのだそうです。夢を持つ人全てを応援するのが、青空応援団の存在意義なのです。プロポーズ前の男性を応援されたこともあります。
どんな場でも決して手を抜くことなく、力の限り、汗を流して、時に滂沱の涙を流されながら必死に応援されるのです。

団長の平了さんは言われます。 

人は誰しも、誰かの応援があってこそ、普段以上のチカラを発揮できるものと思います。
それは、大切な人からの「がんばって!」という一言かもしれません。
家族の応援、友人の応援、恋人からの応援。
様々な応援という心のやりとりが、この世を常に明るく、強くしているような気がしています。

この平了さんがおっしゃるお言葉「嫌いなやつも、応援しなきゃなんない。」が心に残りました

応援団で教わったことはとにかく認め合うことだそうです。試合前に敵を応援し、試合中にも敵にエールを送って、試合後は、結果のいかんを問わず、「いい試合ありがとうございました」とエールを送るのです。

嫌いな人も応援する訳


なぜ、嫌いな人も応援するのか?それの答えは団長、平さんが応援団を始められたきっかけにありました。
15歳の時、仙台一高に受験された平さんは、お友達と合格発表を見に学校に行くのです。そして、その時自分の番号を見つけて、喜んだのだそうです。

まわりにも「万歳」「やったー」という声があがっていました。
その時です。応援団の先輩たちが出てきて突如一喝しました。

「隣で泣いている人間がいるのに、
自分のことで喜ぶな。
自分だけのことで喜んでいる君たちを認めない。
そもそも人間としていかがなものか。」

そして、今度は、落ちた方に向かってこう言われたのでした。

「我々は、今回、残念ながら
落ちてしまったあなたたちにエールを送ります。
いつかまた大学で、いつかまた社会で、
時間を共有するそのときまで、
達者で、がんばってください」

私はここを読んで、平了さんにとって、汗臭くバンカラで時代遅れの応援団の男達が輝いて見えたのではないかと思いました。

「そういってエールを送る先輩たちがかっこよくて、自分が情けなくて情けなくて。
そのまま俺は入団して自分を叩き直してもらおうと思った。

いっしょに発表を見にいったのは、本当に大事な友達だったんです。
なのに俺はよろこんだ。」

平さんはそこで恥ずかしさを感じたそうです。そして応援団に入ることを決意されたのです。

後に平さんが「青空応援団」と名付けられたのは、先輩たちの隔てなく包み込む青空のような心に出あわれた経験からだと思うのです。

そしてその「青空」は、平さんだけではなくて、どこまでも自分中心で、大事な人の悲しみさえも見えなくなる私をも、包み込んでいる広い心空なのだと知らされました。

平さんが「嫌いな人も応援する」というのもまた、自分の都合を越えて包み込む青空に出あわれたからだと思いました。
これは人に対して言われているのではなく、自分の都合の良しあしで応援するのであれば、自分中心の自分が決してすくわれることがないという思いがあったのではないかと私は思うのです。

アミダ様の願いは青空のように


また、この青空は、仏様の心のように味わいました。
浄土真宗の宗祖親鸞聖人はアミダ仏さまのお徳を称えられて、このようにおっしゃっています。

悲願はたとへば太虚空のごとし、もろもろの妙功徳広無辺(みょうくどくこうむへん)なるがゆゑに
『顕浄土真実教行証文類』「行文類」

アミダさまのお慈悲の心による願いは虚空のように、かぎりなく広大で、私達がどのような心であっても、そのまま包み込んでくださっています。

失敗して惨めな心が起きる時も、卑怯な心が起きる時も、アミダ様のお心はこの私に向かっているのです。

仏様の青空のように隔たりのないお心に出あったその時に、私自身、自分中心のものの見方に気づき恥ずかしくなります。同時に私もその道を歩みたいと思わせていただくのではないでしょうか。
平了さんの「青空応援団」のご活動を通して感じたことです。

画像2

娘y氏が初めてタブレットで描いた絵。

画像1

最後までお読みくださり、ありがとうございました。南無阿弥陀仏。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?