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終ワル 短編 隣にて

この小説は昔書いたものを蘇らせています。

独自設定、捏造、クロスオーバーあり。

一人の魔王がいた。

名はアノス・ヴォルディゴード。

世界を滅ぼす力がある強力すぎる力を持つ彼は頭を冷やそうとして水仙の花を摘もうとしたところ、大地が避け、謎の年老いた男に連れ去られた。

年老いた男の名は神であり、冥界の王ハデスである。

白いオールバックの髪に銀縁眼鏡を掛けたハデスの素顔は骸骨の仮面に隠れて見えなかったが。

ゼウス「兄ちゃん、その魔王は?」

好色で有名なゼウスが好奇心旺盛で魔王アノスをじろじろと見つめるが。

そんなゼウスをハデスは威圧的な冷たい目つきで睨んだ。

ハデス「愚弟よ、わしの妃を見るでない」

妃だと?アノスは不思議な表情でアダマスに聞く。

アダマス「ハデスはどうやらお前をペルセポネーと間違えたらしいぜ」

アダマス、ポセイドンが魔王アノスを不思議なものを見るかのように眺めていたが。

夜になると魔王アノスはハデスの居城へと案内された。

ハデス「わしが何故、ここに連れてきたか、分かるな?アノスよ」

アノス「冥王ハデス、お前は世界の秩序を守るために俺を拉致したのか?」

アノスの問いかけにハデスが笑い出す。

ハデス「魔王アノス、まさにそのとおりだ!わしが欲するはお前の魂だ」

気づけば‥‥冥界の王ハデスと魔王アノスは全裸になっていた。

愚弟の仕業か?

ゼウス『ハデス兄ちゃん、そこにおったか?なあーに、最近どうもわしの魔法の効果がなくてのう‥‥』

爺さんの裸と若い魔王と名乗る男の裸が並ぶとは、とゼウスは思ったが。


全裸に王冠と眼鏡だけを身に着けていたハデスは烈火のごとく怒る。

ハデス「ゼウス、お前、許さんぞ!」

アノス「確かにゼウスのふざけた魔法が俺たちの服ごと消すとはな」

ハデスは着るものはないか、と服を探して裸足でペタペタと床を歩く。

アノス「着るものなら俺が調達しよう、ハデス」

ハデス「アノス、ならば魔法で」

全裸のアノスとハデスは魔法で服を出して、それを着た。

魔王アノスと冥王ハデスはアダマスとポセイドンの協力でゼウスを捕えることに成功した。

ゼウス「助けてくれんか!」

ハデス「アノス、ゼウスの処遇はどうするのだ?わしらは弄ばれたんたが」

アノス「お前の弟だ。赦してやれ」

こうしてゼウスはデコピン百発の刑で済んだ。

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