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せっかく同じ星に住んでいるんだし、感覚の話でもしようよ

空がまるいなと感じたことはあるだろうか?
あるいは、地球が球体だと、ここが北半球だと、自分がドームの中にいるようだと、実際に感じたことはあるだろうか?


新月の夜はいつもより星がよく見える。
私の住む街はそれなりに田舎なので、すこし歩けばひらけた場所にでる。

空の低い位置にある星を見て、ぐるっと首をまわして反対側の星を見る。
この時、空のまるさを感じる。すごく、感じる。
反対に、私は満月の夜には、そのまるさを感じない。

これにはちゃんと感覚としての理由がある。

星がよく見える夜は、たくさんの星座(星の集まり)を見ることができるのだけど、私にはそれらが星座(星の集まり)ごとに一枚の紙の上に並べられているように見えるのだ。つまり、「夜空」というものが、星の乗ったたくさんの平面によって構成されているように思えるのだ。
面が増えれば増えるほど球体に近づくように、
星が広範囲に見えれば見えるほど、空のまるさを感じているのだと思う。

では、満月の夜。
ひとつ問いかけさせて欲しい。

月が、丸や円ではなく、球体であることを直に感じたことはあるだろうか?

私は、ない。

いつか直接感じ取りたいと思っていることのひとつではあるが、先は長そうだし、この地球から月の裏側を見ることができない時点でお察しだ。
なので、月が球体であるかどうかを確かめるにはいよいよこの星をでなければならない。そんな気がする。

話を戻す。地球から見る月がどうしても球体に感じられない私は、満月の日は、「夜空」というひとつの平面に「満月シール」のようなものがぺたっと貼られているように見えるのだ。だから、満月の夜は、空のまるさを感じられないのだと思う。

平面に宇宙は感じないけれど、空のまるさには外側に広がる宇宙を感じることができる。あの感覚が、私はたまらなく好きだ。
そして何より、この感覚を共有できたひとがいるという事実に、嬉しくなった。きっと生まれ変わっても同じ星の人間なんだと思う。


昨日は夏至だった。
昼と夜の時間が等しいとされ、なんとも不思議な気持ちになる。
(朝が来るのが早いのか?夜が来るのが遅いのか?その両方?…ぐるぐるぐるぐる…)

「太陽が、西じゃなくてもはや北、北に沈むんだよ!」

中学生の頃、理科の時間に、透明なドーム状のものに線を引いて、太陽の日周運動を学んだことを、また別のひとと話して思い出した。

自分を世界の中心に置いて、遠い天体の動きを観測する。
弧を描くその動きで、地球が球体であることを感じる。空がまあるいと感じる。

自分を地面に固定して、ぶわあっと意識を外に向けるということをよくやってしまう。一気に宇宙空間まで思考を飛ばすのだ。
今日もまた、そうやって風を感じている。


ところで、月の裏側がどうして見えないのか知っていますか?

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