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Uberの魅力はライド(タクシー)にある

 アメリカでの目からウロコの経験のひとつが、Uberのタクシーです。日本ではウーバーイーツ、食べ物のデリバリーしか利用できないので、そこまでのメリットを個人的には感じていませんでしたが、ウーバーライド(タクシーのことですが、既存のタクシー会社と区別するためライドと呼びます)はあまりに便利でびっくりしました。アルバイトドライバーが白ナンバープレートの車を運転する、白タク配車サービスです。

 アメリカに到着した日、空港からホテルまでタクシーを利用しました。外国でタクシーを使うのは、勝手がわからずドキドキしますが、空港からの利用は市が目を光らせているので、不愉快なこと(ボッタクリとかぞんざいな対応とか?)はないよと、タクシー乗り場の案内のお兄さんに言われました。確かに、とても感じのいいドライバーさんでした。空港から12kmのホテルでしたが、チップと合わせて43ドル強払いました。その後、ウーバーで11kmくらいの距離を利用した時は20ドルくらいでした。ずいぶん違うでしょう?

※コロナで事情が変わったのか、2020年8月に利用した時は少し単価が上がっているように感じました。

 アパートが決まり、ホテルから移動する段になりました。フロントでタクシーは呼べるかと聞くと、「呼べるけどウーバーの方がいいと思う」という答え。アプリを入れればめちゃくちゃ簡単だから。すぐ来るし、安いよと。

 アプリ入れて、クレジットカード情報入れて(支払いはカードでしかできない)、車呼んで…という慣れない行動自体はハードル高かったですけどね。2、3度使うと、こんな便利なものがあるのかと感動するようになりました。

 ウーバーのアプリで自分の位置情報と目的地を設定すると、このような画面になります。アプリに位置情報を許可しておくと、出発地を設定する手間も省けます。

※その場で呼ぶだけでなく、「スケジュール」という予約機能もあります。

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次に乗りたいタイプの車を選びます。荷物が多い時は大きな車を選んだり、ここには表示されていませんが、安く上げるため乗合い設定を選んだりもできます。ルートの黒い線の側に見える車のマークは、近くを走っている車の位置情報です。

 タクシーのタイプを選び、配車を決定するとあっという間にドライバーとマッチングされ、下のような画面が表示されます。

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ここでは客のもとに車が4分で来ると言ってます。ドライバーの情報も出ます。この人は星5つの内、平均4.88の評価を受けているので、安心できそうです(と言っても、私は低いドライバーとマッチングされたことがありません)。塗り潰してありますが、名前や車種も表示されます。途中で「あと◯分で着くよ」といった連絡が頻繁にスマホに入ってきます。うまくいけば呼んでから4分で車に乗れてしまうのです。便利すぎる!支払いはクレジットカード登録してあるので手間なし。

 ドライバーが途中で気を変えて来るのをやめる、という事もよくあります。その場合はドライバーとマッチングし直しです。そうしたことがあっても、大抵は10分も待てば乗れました。数分でタクシーが拾えてしまうのは、候補ドライバーがたくさん走っている都市部ならではですが、この手軽さ、素早さ、安さを考えると、ウーバーライドなら気軽に使おうという気になります。これに比べると日本のタクシーは、ハードルが高いと感じます。拾いづらい、短距離だと運転手さんに怒られないかと気になる、高い…。 

 車を降りてからでもできますが、残りの作業は、ドライバーさんの評価と、チップをどれだけあげるか(近距離だと2〜5ドルくらいの幅)の入力です。評価システムがあるので、ドライバーは客に感じ悪く思われないよう努力しています。逆に客もドライバーに評価されるので、あまり迷惑な振る舞いはしたくないものです。(特に悪いことしなくても高評価つけないドライバーもいるので、あまり気にしすぎないでと、注意書きにはありました。) チップというやつは、プロのタクシーに乗ると気が重い要素で…地域にもよると思いますがチップが少ないと真っ向から怒ってくるドライバーもいます。よーわかってへん外国人やねん、勘弁してくれんかと思いますが、容赦なしです。1ドル違うだけで態度が全く違います。2ドルも多めに払えばニコニコです。彼らの生活がかかっているから下手なことはできないとは思うものの、態度をむき出しにされることが多いので、以前は、アメリカでもタクシーは積極的に乗りたいものではありませんでした。ウーバーはチップの額が3択になっていて(それより多く払うのも可能)、ドライバーと直接やり取りもしなくていいので、本当に気楽。知らずに不当に少なくしてしまう危険も回避できます。

 ドライバーはフリーランス契約をしています。要するにアルバイトのようなもの。西アフリカから出稼ぎに来ているというドライバーのお兄さんは、昼間は別の仕事、夜はウーバーと掛け持ちで働いていると言っていました。そんなに働いて体は大丈夫?と聞くと、母国で映画を作っていてその費用を稼ぐためだから苦にならないよと言っていました。夢があるって眩しい…。

 ドライバーのバイトって、副業の範囲でやる分には悪くないかもしれません。車があって運転に自信があったら、私もお小遣い稼ぎにやりたいかも。でもこれがメインの収入源だと、不安定で大変なのではと推測します。ウーバータクシーに負けじと、少し安い単価で提供するLyftという競合会社もあります。どれぐらい稼げてるのかな、と自分が搾取の加担をし過ぎてないだろうか、ふと不安になります。日本のウーバーイーツの仕事も、いい副収入になるという話がある一方、報酬があまり良くないとか、就業中の怪我などの補償は?とかいった問題も耳にします。本家アメリカでも、ドライバーにフリーランス契約をさせている、既存のタクシー会社を崩壊させつつあるといった非難があるようです。

 日本でウーバーライドが導入されるようになったら、やはり同じような問題が生じるのは容易に想像されるのですが…その辺の問題をクリアーして、日本でも導入してくれないかなと思います。激安でなくていいけど、今のタクシー会社のお値段よりは少しリーズナブルに、距離関係なくドライバーに遠慮せず使えるようになってほしい。ウーバー白タクライドの導入を願うくらい、日本のタクシーは私には身近に感じられません。

※日本にもウーバーライドのサービスはありますが、複数のタクシー会社の配車サービスに留まっているようです。価格は変わらないか、むしろ高いという印象です。目からウロコというほど便利なサービスには感じられません。

※聞きかじりですが、韓国のタクシーはめちゃくちゃ安いです。国民の足にするべく国が援助しているのだとか。これも羨ましい。

 

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