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2023.5.20 未来創造ユースチーム 第二回レポートby yoda

2023年5月20日(土)に未来創造ユースチームの第二回ゼミが開催されました!

私、olly大学生メンバーの依田が今回、第3期ユースチームに参加しているので、リアルな内容と感想を綴っていこうと思います!

北海道の積丹半島に行った時の依田
もう一回行きたい!!

サクッと解説!未来創造ユースチームって?
持続可能で幸せな未来を創り出したい意欲のある29歳以下の若者に、環境ジャーナリストとして活動されている枝廣淳子さんが中心となって、ビジョンを立て実行するまでの考え方や、SDGsの目標を具体的な事例を取り上げながら「望ましい未来」を創り出すために行動する若者を育てるプログラム。

本記事では、第2回ゼミの「プログラム内容」や「考えたこと」をご紹介していきます。

環境問題やSDGsに興味のある方だけに関わらず、目標の立て方や達成にむけての考え方など、自分あるいは組織で成長したい方には、絶対に損にはならない内容となっています!

是非、気軽に読み進めて下さいね。


未来創造ユースチームとは

画像引用元:未来創造ユースチーム公式HP


目的:共に学び合いながら、未来を「変える力」を身に着けること
内容:全6回のゼミ(6カ月)

スケジュール:
4月15日(土)バックキャスティングでビジョンをつくる
5月20日(土)「システム思考」でつながりから構造を考える
6月17日(土)創り出したい変化の連鎖をデザインする(変化の理論)
7月15日(土)プロジェクトを進めるための効果的なコミュニケーション
8月19日(土)社会的合意形成の進め方
9月16日(土)振り返りと今後に向けて

約束:
・積極的に参加・発言
・年齢も背景も違う仲間が参加しているので、配慮する
・ゼミをみんなで良くしていこう!

メンバー:約30人、小学生~29歳、日本各地から海外からも参加

会場:熱海・オンラインでも可能

費用:大学生以上は6,600円(小学生から高校生までは無料!)

第2回ゼミ概要


①前回の振り返り(バックキャスティングについて

・例)冷戦時代の宇宙開発戦争はアポロ11号で終結
なぜアポロ11号で月に着陸できたのか=「調整能力
今自分たちはどこにいるのか、どうすれば目標に近づけるのか
ビジョンにはまっすぐには行かないが、調整する能力があれば辿り着く!

②第2回テーマ:「システム思考」(つながり思考)について
第1回サブゼミ(0510)の報告(よだ出席済み)
→別途まとめたものを公開するので、少々お待ちください!
④SDGsの実際の取り組み事例紹介:
ゴール8「働きがいも、経済成長も」

⑤本日の「力をくれる言葉」:「論語」の一節
学ぶことと考えることのバランスが重要!

主テーマ:「システム思考」

対症療法原因療法を区別することが大事
そもそも「システム思考」って?
③「構造的貧困」
:貧困になってしまう構造
そもそも幸せってなんだろう。
④「比べること」
の威力
⑤未来は地域にしかない。
<まちづくりの3ステップ>
⑥「システム思考」
における二つのポイント


①「対症療法」「原因療法」をはっきり区別することが大事

対症療法:今起こっている症状を何とかする。短期的な結果
問題を繰り返すことにもつながる。

原因療法
:症状を起こしている原因に働きかける、長期的な結果

例)奄美大島の天然記念物クロウサギが絶滅危惧種になった原因とは
~「システム思考」がないとどうなるか?~

ハブ

ハブ(蛇の一種)に沖縄の住民が脅かされてる!
=<対処法>としてハブの天敵であるマングースを大量に島に放った

マングースはハブではなくて、ウサギ(黒うさぎ)などのより小さな動物を襲う。

結果:ハブ減らないし、マングースが増殖。
天然記念物(クロウサギ)が危険な状態に
副作用がないかを考えていなかった。

例)「ジグソーパズル」と「ルービックキューブ」の違い
→ルービックキューブは全部つながっている
すべての課題については、制約の中で揃えなきゃいけない

②そもそも「システム思考」って?

=問題が生み出される構造を広く深く理解し
構造を変えることで、根本的な解決を図ること
(今行ってることは何に繋がってる?)

システム・レンズ(つながりを見る力)を身に着ける練習
【グループディスカッション】
例題:ジャングルの奥に自給自足の貧しい暮らしをする村があった
先進国が貧困対策として町までの道路を建設したが、結果この村の人々はかえって不幸せに。なぜか。

原因は?
・車の排気ガスや音が迷惑なものに(木や建物は音を吸収するらしい!)
・野菜で売れたとしても、ガソリンや車など、ほかに費用がかかる
・生活の拠点であるジャングルが壊された
・その地の伝統が壊される
・木をまた育てるのに、時間がかかる、作っても戻すのが大変
・過疎化。悪者も入ってくる
・売上競争で助け合い精神がなくなる
・野菜の栽培地を増やし、元の生活(自給自足)には戻れなくなる
・自分たちの貧しさへの自覚

③「構造的貧困」:貧困になってしまう構造、誰かが悪いわけではない

例)地方でのショッピングモール誘致
→地元に根差したお店の廃業
→過疎化でショッピングモールも潰れる
⇒何も残らない

例)企業城下町=工場が移転したら、働き口がなくなり暮らせなくなる

③そもそも幸せって?

先進国から貧困に見えても、実際にはお金にとらわれない幸せな生活を送っていることを忘れないことが大事。お金が幸せなのか。


例)書籍:「懐かしい未来」
ヒマラヤ辺境ラダックにグローバリゼーションの波が襲い掛かる。
今まで貧しさを感じたことがなく幸せに暮らしていた少年が、泣きながらお金がないとねだるようになるお話。

④「比べること」の威力

a)「比べること」には破壊的な力がある。
使い方を気を付けなければいけない
(改善や自己成長の原動力にもなるが、「自分はダメ」ともなってしまう)

自分の評価は自分で下す」ことがすこぶる大事。
過去に比べて自分が成長しているかどうかだけ気にすればよい。

b)「比べること」は幸せに大きく影響する

長続きしない幸せ」とは
地位財(所得・社会的地位・物的財)
周囲との比較によって満足を得るもの、個人の進化・生存競争に関わること

長続きする幸せ」とは
非地位財(良質な環境・健康・自主性・人間関係)
他人との相対比較とは関係なく、幸せが得られるもの、個人の生活(安全)に関わること

⑤未来は地域にしかない。<まちづくりの3ステップ>

今、二極化が進んでいる!
「元気と勢いの感じられるイキイキとした町
:新しい動き、移住者がどんどん入ってきている

「よどみ感の広がる活力の感じられない町
:「どうせ自分の世代でおしまいだ」

いま地域にはいろんな問題に囲まれている、、。
・「温暖化の影響」
・「エネルギー供給途絶」
・「高齢化」
・「財政逼迫」
・「人口減少」、、、。

この問題に囲まれて、「折れる地域」と「折れない地域」がある。

→何が違うのか?

折れない力をレジリエンス(しなやかな強さ)という
それに必要なものは主に以下の二つ。

①「ぶれない芯」:地域の未来の共有ビジョン
②「持続可能な地域経済」:外部に依存しない

<まちづくりへの3ステップ>
1:バックキャスティング
どんな街にしたいかを、いろんな人に聞く。
2:システム思考
ありたい姿のループ図、構造図を考える
3:変化プロジェクトを考える
沢山の矢印が集まっているところがキーポイント!
悪循環を断ち、好循環を強める施策を考える

【グループディスカッション】
ループ図を描いてみよう!(※名詞形で)

①真ん中=変えたいもの(増やしたい・減らしたい)
私:渋谷のポイ捨て(がひどいから)を減らしたい

②左=それに影響を与えているもの
私:ゴミ箱を置かない、コンビニが多さ、喫煙所の少なさ

③右=それが影響するもの
=街がきれいになる、ゴミ箱を置く、コンビニ減る、喫煙所増える
⇒テロの危険性が高まる、利便性が減る、煙の量が増える

<実際に私が書いたループ図(殴り書きですが、、)>↓

ループ図に正解はない!
世界観を表すもので、常に「仕掛」であることを目指せばよい!

「システム思考」のポイント二つ

1:「ちょっと待てよ」のシステム思考
目の前の問題や思いついた解決策に飛びつかない。
まずは構造を考えてみよう。それが症状なのか原因なのか。
2:「人を責めない 自分を責めない」のシステム思考
犯人捜しをしない、構造を変えない限り人を変えても何も変わらない。

SDGsゴール8「働きがいも、経済成長も」


<ターゲット5>
ディーセントワーク」(decent work)とは
働きがいのある人間らしい仕事、より具体的には、自由、公平、安全と人間としての尊厳を条件とした全ての人のための生産的な仕事」
ILO(国際労働機関)の定義
→誰であろうと、同じ給料をもらうべき

<ターゲット9>
観光を促進することも、目標8に!

世界情勢

・世界の失業者は増加傾向(雇用者は減少傾向)
1992年:1億2千人→2022年:2億人

・ワーキングプア「働く貧困者」が多い
極度のワーキングプアは減っているものの、2023年時点で世界では2.3億人もいる。

・「現代奴隷」は世界で5,000万人
「現代奴隷」とは:自分の意志に反して働くことを強制されたり、結婚を強制させられている人
主に貧困層や社会的に排除された人々、非正規雇用者、移住労働者などの立場が弱い人々が被害を受ける。
また新型コロナウイルスの感染拡大や武力紛争、気候変動といった危機で現代奴隷になるリスクが高まっている。

・「児童労働」は世界の10人に1人
児童労働に従事する5歳~17歳の子どもは2020年時点で、約1億6千万人
「最悪の形態の児童労働」に従事する子供の数は7900万人。

日本情勢

・「女性管理職の少なさ
女性管理職がいない会社が45%、10%未満が26.5%

・「男性の家事労働と家族のケアに使う時間が少なすぎる
男性:女性=2:8、先進国の中ではかなり出遅れ
(スウェーデン=4:6)

・「ひとり親家族の貧困
子供がいない世帯の半分以下の所得。

国外の取り組み

・国際協力NGO「ACE」の事例(児童労働の撤廃と予防に取り組む)

先進国の新しい働き方

イギリス:「給料据え置きで週4日労働」
2022年6月から半年間で、61企業・団体が実施。
企業収入が前年の同時期と比べ、平均35%増加
不安、疲労、睡眠障害の度合いも減少傾向に。

・オランダ:「労働時間調整法」
労働者が自分の勤務時間を短縮・延長する権利を認める権利を認める法律で、2000年に成立。
1年以上勤務している従業員で、2年に1度を上限にフルタイム・パートタイムを自由にカスタム可能に。

アメリカ:「スモール・ビジネス・サタデー」
2010年に米国で生まれた「11月の第4土曜日は、地元の個人店で買い物しよう!」というムーブメント。
※ちなみに前日の金曜日は「ブラックフライデー」と呼ばれる安売り日で、大型店に買い物客が殺到する日。

・スペイン:「モンドラゴン協同組合企業」
働き手は誰かに雇われるのではなく、自分たちで組み合いに出資し、労働や経営を行う組織。
約102の協同組合によって10万人以上が雇用、スペインが25%の失業率に苦しんでいた際にも、失業者いなかった。

国内の取り組み

・「労働者協同組合法」2022年10月施行
株式会社とは違い、出資・経営・労働のすべてを組合員は担う。
組合員には、議決権や役員の選挙権が平等に与えられる

島根県浜田市:「シングルペアレント就労人材研修生制度」(現在終了)
浜田市内の労働者不足を、一人親世帯の移住と就労を支援することで緩和する施策。

・マザーハウスの取り組み「途上国から世界に通用するブランド」
バングラデシュから活動を開始。
「良いモノづくり」には、働く環境を整えることが第一の考えとし、健康診断や福利厚生を整備し、安心安全な工場を目指す。

・「久遠チョコレート」
全国59拠点40店舗を展開するチョコレートメーカー
全国のスタッフ570名のうち、430名以上は子育て中のママやLGBTQの方で、その中の308名が障がい手帳保持者

久遠チョコレート公式HP
※東京に店舗ないみたい、、。

「半農半X」、「半官半X」という新しい働き方
農業に携わる人が、自分や家族が食べる分の食料は小さな自給農で賄って、残りの時間は「X」、つまり自分のやりたいことに時間を使う。
島根県でも公務員の人が多様な仕事に携われるように、新しい働き方を推進。

多様で新しい働き方、経済のあり方へ
基本的な権利侵害に注意、消費者としても労働者としても

最後に(本日の学び)

しっかり時間をかけて、問題の根本的原因や、ビジョンに向かって自分たちが行動することでの何に影響を与えるのかを考えることが「システム思考」であり、その重要性を本ゼミで理解できました。

従来の私は、何か目標を立てた時に突っ走りがちで、それが自分の生活や周りの人に影響を与えているのかを、何かを失わないと気づけませんでした。

しかし本ゼミを終えて、何かを始める前や壁にぶち当たったときにはループ図を使って、すべての繋がりや構造を理解することで、自分が失うものを減らし、得るものを増やせるよう実践しようと思います。

また本ゼミで特に印象に残ったことは「そもそも幸せとは何か」というお話です。

私は「グローバリゼーション」自体は、人々の視野広げることであり、良いことであるだと短絡的な考えを持っていました。

ですが「システム思考」で考えると、それが「幸せ」なのかという疑問符を消すことは出来ず、お金では買えない日々の生活について、また「幸せ」についても考えさせられる機会となりました。

これからも幸せが長続きする非地位財を追い求めるのと同時に、私が皆さんに提供できる「幸せ」のヒントを探していきたいです。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました!!!

ollyについて


ollyのビジョンは
社会課題をテーマに、人を豊かにする経験を通じて、未来の創造力が育つ"やや自律分散型組織"の形成」です。

主に環境・まちづくりに関する社会課題をテーマに、楽しくて持続可能な、社会的に価値の高いプロジェクトをつくることを目指しており、

学生~若手社会人を主体に、現在は42名のメンバーが活動、7つのプロジェクトを運営しております。

渋谷が拠点ですが、組織はオンライン上で機能しているため、プロジェクトによっては、世界中どこでも活動が可能です。

このNoteでは、ボランティアの組織形成に役立つ内容や、プロジェクトの内容などを公開し、社会課題への取り組み方のアップデートをしていきます。

Instagram: https://www.instagram.com/olly.shibuya/
メンバー募集:https://activo.jp/articles/87315




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