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モンテ国際カンファレンスに参加してみて

海外のモンテッソーリカンファレンスにご招待いただく機会がありまして、情報収集がてら聞いてきました。(オンラインでしたが時差+全5日間もあったので若干寝不足です…)

その中で私の一番心に刺さった話と感想を載せておきます。


テーマは「貧困街から始まったモンテの子どもの家が、今やお金のかかる教室になってしまった状況について」

社会的に弱い立場にある子どもへ正しく教育をすることで世界の平和に繋がるとして始まった教育が、いつの間にかお金を持つ比較的豊かな子どもに優先的に受けられるものとなっている状況についての話でした。

決して平和であるとは言えないこの世界に、必要なのは平和教育ではないのか。そのために誰もがモンテッソーリ教育にアクセスできるべきではないのかと。

同じように考えるモンテッソーリ教師はもちろん世界中にいて、たくさんの情報を共有しよう、低価格でカリキュラムを提供しようとしてくれているおかげで今の私がいます。

教室を開くために、高額の教師トレーニングや高価な教具を揃える必要があることはもちろんわかります。質の高いものを提供しようとすればするほどに教室運営にお金がかかります。子どもが教室に通うための費用が高くなるのは当たり前かもしれません。

ただ、この講演者の方は何年も貧困街で教室を開いています。
子どもは費用も払えません。
その環境ではすべての教具を揃えることはできません。

それでも紙とペンだけで教室を始めたそうです。
その環境でも子どもは変化し自立していく、それがこのモンテッソーリ教育のすごいところなのだと。

すべてが揃った環境設定が大切なのではない。
必要なのは完璧に揃った教具ではなく、教師の心である。
やれるものから、始めましょう。

そんなお話でした。


モンテッソーリ教育のリソースを、柔軟性を持たせた上でこのnoteに載せていくことを続けることへの意味が見えてきた気がします。

このnoteが誰かの役に立てていますように。


※来週中に物理テーマを一つup、プレートテクニクス回もupしようと思っています。



他の方の講演に関しても少し感想メモを!

・「家庭内では礼儀の教育が欠けやすい」

これはティム・セルダンさんという有名なモンテ教師の方の講演で思わず頷いてしまったところです。

特にホームスクールをする家庭に向けてのお話だったので普段学校に行っている場合はまた違うのかもしれませんが、家庭の中だけでは人間関係における礼儀を教えることは難しく、子供同士で礼儀を学ぶ場が必要だという意見でした。

それでも家庭内でできることとして、挨拶等の基本的なことはもちろん、それ以上の礼儀、相手によく思われる方法やコミュニティーのメンバーになる方法などまで話し合っていけるといいとのことです。


・「私たちはとっっっても意図的です」

これはあるモンテッソーリ教師が「どうしたら子供が自主的に学びますか」という質問に答えたもの。どんなに素晴らしいモンテッソーリ教具でも置いておくだけでは子どもは興味が続きません。子どもに学んでほしいことは”めちゃくちゃ意図的に”子どもに興味を持たせるのが教師の仕事だと。笑

ただ幼児期から小学校の低学年にたくさんのおしごとを”さも完全に子供から興味をもったように”みせて取り組んでいくことで段々と抽象的な思考に繋がって、小学校高学年以降に本当の自主性が出てくるのだと。

ここまではっきりとお話しされていて思わず笑ってしまったのですが、とにかく興味の種をまき続けなさいってことなんだと思ってます。


・「モンテッソーリ警察はいない」

世界中のあらゆる場所でモンテッソーリ教育が行われていますが、その全てを取り締まるモンテッソーリ警察はいない、つまりモンテッソーリという名前があればどの園も教室も素晴らしいわけではないということです。教師には考え方の違いがあります。

よく問題視されるのは宗教色を強く出しすぎてしまうというもの。イスラエル系の教師の方が運営されているモンテ園では毎朝ハマスへの攻撃的な言葉を子供達に言わせているとか。。これは正直驚きましたが。。

ここまでは日本にないとは思いますが、モンテ園のいうこと、モンテ教師の言うことの全てを正しいと思うのではなく、自分で自分の子供を見て正しいかどうかの判断をすることも必要かもしれません。


それでは!

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