仏さま、マジ卍! 第3話「恋愛成就? それは執着では?」(3/3)#創作大賞2024 #漫画原作部門
「し、執着…?」
アイムの言葉に、太郎は戸惑いを隠せない。
「そうだ。お前は、その子と付き合いたい、自分のものにしたいという、強い執着心にとらわれている。しかし、真の幸せとは、執着を捨て去り、ありのままを受け入れることから生まれるのだ」
「あ、ありのまま…? そんなこと言ったって…」
「いいか、太郎。よく聞くんだ」
アイムは、優しく語りかける。
「その子は、本当に、お前のことを好きでいてくれるのだろうか? もしかしたら、それは、お前の思い込みではないのか? ブラック企業で疲弊し、心の隙間につけ込もうとしているだけなのかもしれないぞ…」
「そ、そんな… そんなはずは…」
太郎は、必死に否定しようとするが、心のどこかで、アイムの言葉が引っかかっていた。
「大切なのは、その子と向き合い、お互いの気持ちを確かめ合うことだ。焦らず、ゆっくりと、関係を築いていくことが大切なのだ」
「た、確かに… アイム様の言う通りかもしれません…」
太郎は、深くうなずいた。
「よし、分かったのなら良い。では、私はこれで…」
アイムは、光に包まれながら、姿を消そうとする。
「あ、アイム様! 一つだけ、聞きたいことがあるんすけど…」
「なんだ?」
「その… もし、その子が、俺の思い込みじゃなかったら… その時は、どうすればいいんすか…?」
太郎は、赤面しながら尋ねた。
アイムは、ニヤリと笑うと、こう答えた。
「その時は… 菩薩パワー全開で、全力で応援してやるよ!」
(つづく)
この度のご縁に感謝いたします。貴方様の創作活動が、衆生の心に安らぎと悟りをもたらすことを願い、微力ながら応援させていただきます。