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株式入門

次の記事は、以前、友達のお子さんが株に興味があるということで、そのお子さんに向けて書かれた株入門記事です。積み立て投資の勧めのようになっています。今書いたらまた別の記事になりそうですが、いまは睡眠不足のため、新しい記事は書かない方がいいと思ったので、過去の記事を掲載します。それではどうぞ。

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全く株をやったことがない人のための株入門の記事を書きます。株よりちょっとひろい金融商品の紹介もします。
まず株とは英語でstockといって、これは「蓄え」などという意味を持ちます。株の起源は大航海時代のオランダで、太平洋や大西洋を横断する大きな船の運営をする会社が、自分の資金だけでは足りなくなって、広くお金を集めたことから始まりました。お金をだす出資者は、船がもたらす利益の一部を見返りに受け取りました。このようにして、ある大きな事業を行うための資金を少しずつ集めるために発行されたものが株です。
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これは現代でも変わっておらず、会社が大きな事業を行うための資金を集めるために、株という形で証券を発行し、それを買った人に利益を配当金という形で分配するのです。その株式を売買できる場所が証券取引所で、ここで株の売買が行われます。株の値段は、買う人が多ければ上がっていき、売る人が多ければ下がっていきます。
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株を買う立場になってみると、どういった理由で株を買うのでしょうか?王道は、株の起源に書いた通り、順調に利益を出している会社の株を買い、多くの配当金を長期間にわたって受け取ることです。コンピューターが発達しておらず、人間の手で株の売買を行っていた時代は、こういう人が多数派でした。
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次に株を買う目的は、安く買って、高く売って、差額を儲けることです。これが現代の株のイメージなのではないでしょうか?中には1日に何回も売買を繰り返す人もいます。現代では人工知能が一秒間に何回もの取引を繰り返す、超高速取引というものまであります。
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安く買って、高く売るにしても、1日に何回も売買を繰り返す人もいれば、一度買ったら10~20年ほど保有して、配当金を沢山受け取って、なおかつ、高く売るという人もいます。株で大富豪になったウォーレン・バフェットというアメリカ人は、企業の成長力を徹底的に調べて、厳選した株を大量に買って長期で保有するという戦略で何兆円という資産を築きました。売買する期間が短い人を短期投資家、長い人を長期投資家といいます。短期投資家は毎日一日中コンピューター画面を見続けて神経をすり減らして戦うのに対して、長期投資家は買う会社を選びさえすれば、あとは放っておくので、その間は株を買ったことすら忘れて自由に過ごすことができます。
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ですから、大事な部活や学校生活などがある学生さんや、普段は会社で働いている会社員などの方が株をやるとしたら、断然、長期投資がお勧めです。長期投資は貰った配当金をさらに投資に使うことで、利息に利息がつく、いわゆる複利の効果を得ることができます。これは若く始めれば始めるほど有利なことが簡単な計算でわかります。高校でならう指数関数のように増えていくのです。グラフでいえば放物線の右側のような増え方です。なので、まず自分が短期投資をしたいのか、長期投資をしたいのか、はっきり決めなければいけません。
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ここでは、長期投資をすることを選んだと仮定して話を進めます。長期投資をすると決めたら、次はどこの会社の株を買うかが大問題になります。株を始めたばかりなら、企業を見極める力も弱く、10年後にどのような会社が伸びるか、なかなか分からないと思います。下手な会社に投資したら、倒産されて株が紙屑になることもあるし、そこまでいかなくても、会社が赤字続きで株価は下落する一方、配当金もなし、みたいな状況もあり得ます。銘柄選びはとても重要です。
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ここで方法は2つあります。1つ目は少ない額を、自分の信じた会社にとりあえず投資してみるのです。損をしても勉強料だと思って割り切ることです。数年は株式市場を見ていないと、分からない事も多く、若いのなら失敗も大きな糧になります。株主優待が魅力的だという理由でもいいし、ここは大企業だから配当金も多そうだとか、このベンチャー企業は将来大化けしそうだとか、いろいろ考えて、少額投資してみるのです。ここで大金を賭けてはいけません。取返しがつく失敗をしてみることが大切なのです。
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2つ目の方法は、投資先を分散することです。1社2社なら浮き沈みも激しいのですが、これが500社ほどの株を少しずつ買うとリスクが低くなります。山に埋まっているダイヤモンドを見つけることが、いい企業をみつけることだとすると、分散投資は、『山ごと買う』ということになります。しかし、500社もの企業の株を買うお金はよほどのお金持ちしかありません。そこで登場したのがインデックス投資です。
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インデックスというのは、日本語でいうと指数というもので、いろいろな株価の平均値みたいなものです。たとえば日経平均というインデックスは、日本の225社の会社の株の平均値です。またアメリカ株にはS&P500というインデックスがあって、これはアメリカのトップ500社の株価の平均値です。
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ここである大きな資金をもっている会社が、アメリカのS&P500の株を全部買ったとします。そして、それを小分けにして、一般投資家に販売してくれたとします。(そのかわりちょっとだけ手数料を取られます)一般投資家は、その小分けにされた商品を買うことによって、S&P500の500社全部に分散投資することができるわけです。これがインデックス投資です。インデックス投資法のメリットは分散の効果を十分得られることと、少額から始められることと、なにより倒産の危険がないことです。
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現在、様々な指数に対応した商品が開発されており、それを少ない額で誰でも買えるようになっています。たとえば、これから10年20年と、アメリカのトップ企業たち(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルなど)は成長を続けると思ったならば、S&P500インデックスに投資してみるとよいと思います。また、日本企業が伸びると思えば、日経平均のインデックスに投資してみるのもいいと思います。世界中の株を集めた、オールカントリーというインデックスまであります。
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このように、初心者でもできる投資法は沢山あります。そして、どれから始めるにしても、はじめは少額からはじめることをお勧めします。そして、市場を毎日チェックして、経済ニュースなどもよく読んでください。これを数年つづければ、ある程度『見る目』ができてくるので、あとは自分の判断で投資していけばいいと思います。
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最後に、多くの人が破産する、こわい商品を紹介しておきます。これらには手を出さないことをお勧めします。
まずFXという為替取引を行うものです。これはドルと円、どちらが高くなるかを予想して、賭けるのですが、レバレッジという、自分の入金した額の何倍もの取引をするもので、多くの人が破産しています。また株をやるにしても、信用取引というものがあり、自分の入金した額の3倍まで取引できますが、思っていた方向と逆の方向に動いたときに、全額失うとか、さらに借金まで負うことさえあります。要するにこれらは、『借金して取引する』ということなのです。こういうレバレッジ取引さえせずに、自分の身の丈にあった取引をしているかぎり、破産することないので、安心してください。

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