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町田康「口訳 古事記」感想~リズムに乗って、さらっと読め、フックが効いた、楽しい一冊~

国民の祝日、すべて答えられますか?
意外と覚えてないのが祝日...。

では建国記念日、いつか即答できますか?
5月3日じゃないの。
違います✖
5月3日は憲法記念日でーす。

正解は、2月11日です。

建国記念日は、
神武天皇の即位日である紀元節がもとになっており、「建国をしのび、国を愛する心を養う」ために定められた国民の祝日です。

国を愛する心...。
では、その国は、いつ、誰が、どうやって、建てたんだろう?
ということで、日本のはじまりについて知る古典文学を読む📚

神武天皇も登場するよー。

アナーキーな神々と英雄たちが繰り広げる、〈世界の始まり〉の物語。
前代未聞のおもしろさ!!日本神話が画期的な口語訳で生まれ変わる!

古典文学なんてよくわからない。
苦手意識があったのに、本書は、神様がコテコテの河内弁で、「汝(われ)、行って、玉取ってきたれや」「ほな、行ってきますわ」
なんて具合にお下品に...いや勇敢に?しゃべり倒す。

イザナギ イザナミが下界におりて国づくりをはじめ、暴れん坊スサノオの八岐大蛇退治する。
ここまでは、私を含め知ってる人が多いと思われる。

お次は因幡の白兎。ぼんやりと知ってる程度かな。
お話はといいますと...。

因幡の白兎を助けた大国主神だったが、女に振られた兄たちの腹いせで殺される。

「はははははは。あほや」
「おもろ。焼け死んでまいよった。おもろ」
「アホのくせいにえらそうにするからじゃ」

アホのはお前たちだろー!兄たちよ...コラコラッΣヽ(゚∀゚;)!!
兄たちから、何度騙され殺されても学習能力のなさに、本当はバカなのか?お人よし?大国主神ちゃんよ。
でも最後は、暴れん坊のスサノオに助けられて奮起し国づくりをする。


終始、こんな軽い感じで神様たちは、「汝(ワレ)なんじゃい。どこの者じゃい」と、喧嘩をふっかけ権力をめぐっての玉の取り合いするか、女と見れば襲って孕ませる。

あっ!神様たちはブサイクな女は嫌い。
ここポイントね(^_-)-☆


でね、大国主神は身長七百メートルもあって、まだまだ我々のような姿には遠い神様で、少々やり過ぎるけど人間臭さもあるところが面白い。

そして、荒々しい地元の神々をやっつけて安定をもたらしたのが建国記念日のもとになった神武天皇。


でも本格的な日本統一したのは倭健命(ヤマトタケル)かな。

デキル男倭健命は、父に恐ろし子と疎まれて西を治めたら、休むことなく東征へと行かされる。
倭健命の冒険譚は笑いあり涙ありで読み応えありまっせ。

神様から天皇へと変わると、135歳以上生きていた神様たちが仁徳天皇になると八十三歳で崩御された。

おぉぉー!我々に近づいてきたぞ。

でも、やってることは、玉の取り合いと女と見れば襲って孕ませるのはやめられないようだ(;'-' )

リズムに乗って、さらっと読め、フックが効いた、日本のはじまりを知ることができる楽しい作品だった♡

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