インスタントポット、調理家電で1、2を争う強者

インスタントポットという調理家電を知っているだろうか?
カナダでバカ売れしたという電気圧力鍋だ。

このズングリムックリした鍋、いくつかのバリエーションが有り、私が購入したのは「Instant Pot Duo SV 5.7L」。
なんと1台で9種類もの調理方法を放置で実行できる、超有能家電なのだ。私はこの鍋を2021年に購入、今日まで使い続けている。
この鍋の魅力、それは…

低温調理ができる

まずはこれだ。電気圧力鍋で低温調理を実行できる。
今では他の類似製品でも低温調理機能を搭載したものがあるが、実は1台9役もの調理方法を実行でき、なおかつ低温調理機能がある鍋はほぼ無い。
低温調理は若干ニッチな調理方法だが、肉料理とは非常に相性が良く、ハンバーグやローストビーフのような火のとおりに気を使う料理に対してかなりの効果を発揮する。


低温調理ローストビーフ。ピンク色のギリギリの加減で中央まで均一に火が通っている。

低温調理はその他の調理方法では再現が難しいタンパク質の凝固温度を攻める。これはガス火での調理では非常に難しく、出来たとしても完了まで非常に気を使う事になる。しかしインスタントポットの低温調理機能なら、水を張って、適切なビニール袋(対応温度に若干制限がある。が、100斤に売っている。)に入れ、空気を抜いた食材をドボン。ピッピと設定したらあとは放置でいい。
時間や温度はネットでいくらでも出てくるので、気を使わないで済む。
低温調理で調理された肉は十分に柔らかく、ぱさつかない。形が崩れることもないため見栄えもよく、普段のご飯のための作りおきからパーティの一品料理まで使える調理方法だ。

基本の圧力調理も必要十分。

もちろん電気圧力鍋の本懐である圧力調理も使用頻度が高く、見逃せない。
おでんやビーフシチュー、カレーなどの煮込み料理はもうこれ一本で行ける。(ただし、ルゥを入れた粘度の高い状態では圧力をかける事はできない。爆発する可能性がある)
意外なところでは、ゆで卵を作るときにこの圧力調理は重宝する。
設定時間で茹で加減をしっかり調節でき、茹でたときに比べて何もしないでも殻がするりとむけるのだ。

脇を固めるその他の調理メニュー

圧力調理で柔らかくすることは簡単だ。しかしもう一歩、味を染み込ませたり全体をなじませたりするときに、スロークックがおすすめだ。
これは焦げ付かない一定の温度で加熱してくれる機能で、煮込みの味の浸透にもってこいだ。
カレーのルゥを入れてまとめるときもこのモードが使用でき、(圧力をかけないので粘度のある液体にも使用できる)いわゆる2日目のカレーが1日目にできる。もちろん設定したら放置でいいのが良い。
ピザやパスタのトマトソースを作るのにも重宝する。何と言っても放置で焦げ付かない。食材を全部放り込んで設定して放置すれば数時間後には水分が飛んでいい感じにまとまったソースができている。
そうそう、カレーの飴色玉ねぎを作るのにもこのモードを使う。切った玉ねぎを放り込んで10数時間放置すると焦げ付かずにできるのだ。いつものカレーをもう一歩前進させたい人は是非試してみてほしい。

他にも蒸し調理も使用頻度が高い。ポテトサラダやコロッケ、ジャーマンポテトに使うじゃがいもに火を通すならこれだ。茹でるよりも水っぽくならず、ほっくりした食感が楽しめる。
もちろんブロッコリーやキャベツなどの温野菜にも重宝する。
プリンや茶碗蒸し、ちょっとひねったところでは納豆の大豆に火を通すのにもおすすめだ。

さて、納豆といえばヨーグルトモードである。
自家製の納豆を作る時、このインスタントポットは大活躍で、これ一台で全て賄える。
常用するモードではないが、汎用性の高い調理機器にこの機能があるということが重要で、納豆、ヨーグルト、甘酒、塩麹などピンポイントに活躍するモードだ。

細かいところでは、煮込みの前に焼き目をつけたい場合に登場する炒めモード、手羽元を使った煮込みや肉をホロホロにしたいシチューやポークチョップに効果を発揮する肉料理煮込みモードが使用頻度が高いだろうか。


低温調理でハンバーグに火を入れたあと、蒸しモードで付け合せを用意し、炒めモードで肉汁を使ってソースを作ったハンバーグ。
こちらも完璧な火の通り具合。設定が確立されており、何度やっても同じようにできるのがポイント。

なんといっても安い

このように調理場面において頻出するインスタントポット。
お高いんじゃないの?と勘ぐる場面だが、なんと私が買ったときには12000円だった。
これは当時の電気圧力鍋(しかもインスタントポットより機能が少なく、容量も半分程度しか無い)より圧倒的に安く、超円安の現在でも、調理容量と機能数を鑑みると他製品に全く見劣りしない値付になっている。
例えば低温調理しかできないボニーク(別途条件を満たす容量の鍋や耐熱容器が必要になる)は現在でも2万~3万円するが、インスタントポットはアマゾンでも2万円強である。(ただし低温調理機能のあるバージョンは入手経路が限られる。一番わかりやすいのはコストコだろう)

容量が大きいものが揃っているのもおすすめポイントで、低温調理や煮込み調理は作り置きとして非常に優秀で、1回の調理で大量に作ったほうが圧倒的に楽なのだ。

調理に手間を掛けずにクオリティの高いものを作りたい趣味人、低温調理や圧力調理でタンパク質、やその他の栄養素を美味しく接種したいトレーニー、日々の調理の労力を極限まで減らしたい人、インスタントポット、おすすめですよ。

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